『静岡競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:2月14日


 静岡競輪開設58周年記念「たちあおい賞争奪戦」は2月14日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。午後から激しい雨の降る中、ベストナインによる決勝戦が最終第11レースで争われた。レースは岩本俊介が打鐘から果敢に先行。この3番手を奪った五十嵐力が鮮やかにまくって記念初制覇を果たした。

決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると、一瞬の牽制状態の後、五十嵐力が出て正攻法の位置に入る。五十嵐には地元の渡邉晴智が続き、中団は川村晃司-村上博幸-濱口高彰の中近勢に単騎の園田匠が占め、岩本俊介-海老根恵太-内村泰三のラインが後攻めの隊形が出来あがる。
 青板2センターで岩本が上昇を開始。岩本は川村の外でフタをするように併走を続けた後、打鐘手前から踏み込んで主導権を奪う。叩かれた五十嵐は下げて3番手に飛び付くと、3角で内村をドカし、千葉の2人に続く。川村も最終ホーム手前からすかさず巻き返して出るが、踏み出したときに下がってきた内村が邪魔になったか、スピードの乗りは一息。1コーナーで五十嵐が車を大きく外に持ち出して牽制すると、川村は失速して後退。村上は内に降りて6番手に入る。レースは岩本の先行で一本棒となるが、バックから五十嵐が一気にまくって出る。五十嵐は、2センターであっさり千葉勢を飲み込んで直線へ。渡邉が懸命に追いすがるが、振り切った五十嵐が堂々の記念初Vを達成した。


五十嵐力選手
五十嵐力選手
 五十嵐力が待望の記念初優勝を飾った。最終ホーム手前で内村泰三をさばいて逃げる岩本俊介の3番手を確保すると、バックから電光石火のまくり一撃。地元の渡邉晴智を振り切る完璧なレース運びだった。
 「まさか獲れるとは思っていなかった。本当に嬉しいです。作戦は最低でも中団で、川村さんが先手を取れば、その番手も考えていました。岩本が先行なら海老根さんの後ろを確保しようと。1車が大きいですからね。後ろが晴智さんだったので、3番手を取って早めに仕掛けました。遅めの仕掛けだと海老根さんに合わされていただろうし、早めにまくったのが結果的に良かったと思います」
 2日目の優秀競走ではラインの3番手を回り、準決勝は奇襲のイン粘りで快勝。そして決勝は3番手まくりと今開催はバリエーションに富んだ戦法で結果を出した。これから特別戦線を戦っていく上で大きな武器になるはずだ。
 「準決勝で番手を取って勝てたことが大きかったですね。いい収穫になりました。また練習して次の高松記念、名古屋ダービーで結果を残せるように頑張ります」

 五十嵐マークの渡邉晴智は2着。差せば地元優勝だったが、追走だけで一杯だった。
 「五十嵐に任せていたし、全て自分でやってくれました。俺は付いていっただけ。差せる感じは全くなかった。あれが限界ですね」

 番手絶好の展開を生かせなかった海老根恵太はさすがに浮かない表情。
 「岩本があんなに頑張ってくれたのに申し訳ない。かかっていたし、まだ来ないと思っていました。後ろを確認できれば良かったんですけどね。前に出られてしまって、どうすればいいか分からなくなってしまった」

 岩本俊介は兄弟子の海老根を連れて、打鐘から主導権を握った。
 「考えていた通りのレースはできましたね。川村さんを倒すにはこれしかなかった。けっこうハイペースで駆けたので、脚は一杯でしたけど、力は出し切れました」

 村上博幸は目標の川村晃司と共倒れ。グランプリから4連続Vはならなかった。
 「ちょっと厳しい展開でした。でも、そこをしっかり対処していかないと。濱口さんに先に内に入られたのが痛かった」

 川村晃司は岩本を叩けず後退した。
 「ああいう展開になることは予想していました。すかさず仕掛けたらいけると思ったんですけどダメでしたね。今日は組み立てミスです」


ゴール




↑ページTOPへ


情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved.