『静岡競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:1月19日
 静岡競輪開設60周年記念「たちあおい賞争奪戦」が本日開幕しました。初日はS級特選3個レースをメインに1次予選が争われました。S級特選レースは、藤木裕、深谷知広、鈴木謙太郎が勝利して初日を好スタート。2日目は優秀競走「ちゃっきり賞」をメインに2次予選が争われます。
 場内では先着2000名様にカレーせんべいを配布します。仮面ライダーウィザードショー(3R、9R発売中)、インパルスお笑いライブ(5R、8R発売中)、スピーチーズライブ(6R発売中)など、様々なイベントも予定されています。ぜひ、競輪場でレースとともにお楽しみください。
<1R>
成清貴之選手
成清貴之選手
 オープニングレースを制したのは成清貴之(写真)。中団からまくった田中孝彦の仕掛けに乗り、直線できっちりと交わして1番人気に応えた。
 「前の孝彦が強くて、僕の着は恵まれ。孝彦がしっかり中団を取って上手く仕掛けてくれました。オッズも1番人気だったし、孝彦の緊張感が伝わってきて自分もこんなに緊張したのは久しぶりでしたね」
 田中孝彦は上手い立ち回りで中団の位置をキープ、最終1センターから力強く踏み出した。
 「辻中(国宏)君が上がってくるのが遅かったので、待ってすんなり7番手になるときつくなるし、先に動いて中団を取りに行った。あとはブロックされることも頭に入れて、自分のタイミングで踏み出せました。余裕を持って走っていたけど、緊張はしてました」

<2R>
 中団を確保した大西祐が最終1コーナーから早めに仕掛ける。大西マークの溪飛雄馬が後続をけん制しながら直線をタテに踏み勝利した。
 「大西君がいつもなら構えるようなポイントでも無理矢理に仕掛けてくれて、結果的に自分に展開が向きました。大西君とは凄く相性が良いし、自分も静岡に来た時はいつも良い成績を残せている。明日も大西君と一緒に走りたいですね」
 玉木勝実は逃げる大谷靖茂から溪飛雄馬の後位へスイッチ。直線をしっかりと踏み込み2着入線。
 「大谷君があれだけ行ってくれて、良いスピードをもらって、飛びつけました。補充が2本続いてたけど、最近はずっと調子が良かったんですよね」

<3R>
安部貴之選手
安部貴之選手
 打鐘から押さえた窓場千加頼に対し、鈴木庸之は最終ホームからカマシで抵抗。前団はややごちゃついたが、後方の安部貴之(写真)が最終バックから冷静にまくって勝利した。
 「今日は周回中から余裕があった。前がやりあうような感じになって、自分に展開が向きました。練習してきたかいがありました。しぶとくS級に残りたいし、2日目以降も頑張ります」
 叩き先行の鈴木庸之は窓場後位から踏み出す伊藤保文の抵抗を受けたが、最終3コーナーで先頭に立ち、3着に粘った。
 「伊藤さんと仕掛けのタイミングが合ってしまい、タイミングが難しかった。上りよりも下りでと思い2コーナーまで踏み込むのを待ちました。今日は長い距離を踏んで、出し切った感がありますね」

<4R>
 上田隼が最終ホームからカマシ先行。末良く押し切りマークの服部竜二とワンツーを決めた。
 「周りの様子はあまり見てなくて、自分のタイミングで仕掛けました。前(1月佐世保の初日)に服部(竜二)さんと連係した時は、内に詰まって終わっていたので、今回はワンツーが決まって良かったです。前回の和歌山記念の補充から使い始めた4倍ギアは、出切ってからは踏みなおしたり出来るけど、踏み出しが物足りない。それでも今後は使っていくしかないし、その内慣れると思います」
 佐藤和也は最終ホームで空いている内をするすると上昇。古川貴之後位の古川圭をさばき、上田隼、服部竜二の後位へ切り替え3着に続いた。
 「6番(古川貴之)がもっとブンブン駆けてると思ったけど、そうでもなかった。内がずっと空いてて、行けるところまでと思ってました。最近、逃げてなくてちょっと競走が消極的になってるかも。もっと大きな競走をして自信を取り戻さないと」

<5R>
 打鐘で叩いた山崎晃がピッチを上げて積極策。番手絶好の古田義明がきっちりとチャンスをものにした。
 「山崎君のペースが緩まず、道中も余裕は無かったですね。彼も残れるペースでカカってると思って、抜きに行ったら思ったよりもタレてて悪いことしたかなと思います。でも、4コーナーでは後ろも来てたし、自分も前に行くしかなかったですね」
 2着の戸邉裕将は今井裕介の勢いをもらい、直線でコースを自らこじ開けた。
 「今井君の強さなら、一気に行っちゃう展開だったけど、ちょっと止まった感じがあったので前に踏ませてもらいました。その辺の判断は冷静に出来ている。地元は雪が積もって、普段通りの練習が出来なかったけど、逆に身体が休まったのかも。今回は良い状態で走れてます」

<6R>
岡崎智哉選手
岡崎智哉選手
 打鐘から一気に仕掛けた岡崎智哉。後続の仕掛けはほとんど無く、番手絶好のポジションから北川紋部がきっちりと追い込んだ。
 「岡崎君がもの凄く強かった。あれだけ行ってくれたんで、後ろから来るのは全部止めてやろうと気合がはいりました。最後は抜けそうに無いペースだと思ってましたが、抜きに行ったら抜けた感じ。展開が良かったですよ」
 打鐘では岡村潤、高橋紀史が前で併走状態に。隊列が短くなり仕掛けやすくなった岡崎智哉(写真)は一気に仕掛け2着に粘る。
 「前でいろいろやってたから、もう少し待ってから仕掛けたら自分が勝てたと思うが、最近はしょうもないレースばかりしてて、先行してなかったので一気に行ったれと思って仕掛けました。久々に逃げたのでペースも分からなかったけど、レース後にこんなに気分が良いのは久しぶり。1度逃げたことで、修正できるポイントも見つかると思います」

<7R>
望月永悟選手
望月永悟選手
 松谷秀幸は打鐘4コーナーからカマシて先行態勢に。決着は差し迫った望月永悟(写真)との写真判定に持ち込まれたが、微差で望月に軍配が上がった。
 「松谷君が凄く強かった。後ろの須藤君もよく付いてきてくれました。緊張しないようにと思っていたけど、緊張しまくりでした。今日勝てたし、2日目以降はもう少し良くなってくれればと思います」
 松谷秀幸はライン3名での決着に笑顔。
 「前がごちゃついてて、自分が仕掛けやすくなりました。良いペースで行けたけど、最後は勝てませんでしたね。でもラインの3人で決まってるし結果は良かったです」

<8R>
 同県の村田雅一を目標に組み立てた黒木誠一。村田が力尽きると最終バックから自力に転じて、直線を強襲した。
 「村田君が良いレースをしてくれて自分に展開が向きました。前に連係した時は共倒れだったし、その時の分まで張り切ってくれたのだと思う。自分にとっては良い展開になりました。残り3日間でもう1勝くらいしたいですね」
 望月裕一郎は目標の山中秀将が不発と見るや、最終3コーナーで内へと進路を取り、直線では的確にコースを選んで3着に食い込む。
 「山中君は、前とだいぶ車間が空いていたし、きつい展開になったと思ってました。難しかったけど、3コーナーでは判断させてもらいコースを切り替えた。その山中君と接触して、前輪が壊れたけど、最後は執念でしたね。1着になれずにお客さんには迷惑を駆けてしまいました」

<9R>
藤木裕選手
藤木裕選手
 ここからはS級特選レース。打鐘からピッチを上げた藤木裕(写真)が主導権を奪う。ペースは衰えず、押し切って勝利し力強さを誇示した。
 「何も考えず、自分のタイミングで仕掛けようと思ってました。後ろの様子とかは全く分からず、ペースで逃げてました。疲れが全くないとは言えないけど、逃げ切って勝ってるし、悪いとは言えません。しっかりクールダウンをして、2日目以降のレースに備えたいです」
 神山拓弥の後位から追い込んだ伏見俊昭が2着。
 「神山君が強いレースをしてくれました。だけど最後はシビアにタテに踏ませてもらいました。突き抜けるイメージだったので物足りなさはある。この展開で突き抜けて勝つくらいじゃないと強い武田(豊樹)さんには太刀打ちできませんのでね」
 神山拓弥は逃げる藤木裕ラインの内で粘り、吉村和之を退け3番手の位置をキープ。直線も粘り強く踏み3着で優秀競走の権利をつかんだ。
 「(藤木マークの)山田(裕仁)さんの位置で勝負と思っていたけど、6番(橋本強)になってて、アレっと思った一瞬で踏み遅れた。3番手の吉村さんとの競りが長引いてきつかったけど、優秀に進めるのは大きいですね」

<10R>
深谷知広選手
深谷知広選手
 前受けとなった深谷知広(写真)は打鐘3コーナーから空いていた内を上昇。中団をキープすると、逃げる永澤剛の後位から番手まくりを放つ菊地圭尚の動きを追い、直線で追い込み白星を手にした。
 「前受けは嫌だけど、誰も出ないし仕方ない。すんなり引いて後方だとキツいし、付いてもらった前田(拓也)さんにも迷惑がかかる。ガラ空きだった内を行って位置をねらいました。最後はもう少し早く仕掛けたかったけど、外に三宅(達也)さんが居てタイミングが無く難しかったです」
 菊地圭尚はハイペースで逃げる永澤剛の後位から番手まくりを敢行。深谷には屈したが、2着で優秀競走へと勝ち進んだ。
 「永澤君が思ってた以上にペースを上げていた。残すことも考えていたけど難しくなったので前に出させてもらいました。強い人が相手なので、とにかく落ち着くことを最優先に走りました」
 三宅達也は深谷の中団取りで外併走を強いられ力尽きた。
 「永澤君がものすごいハイペースで踏んでて、ずっと外を踏んでたので脚が一杯です。難しいレースだったけど、誰も後方までは下げたくないし、こうなるのも仕方ない。2次予選から仕切りなおしです」

<11R>
鈴木謙太郎選手
鈴木謙太郎選手
 最終レースは鈴木謙太郎(写真)がカマシ先行で押し切り勝ち。前回の防府F1で完全Vの勢いそのままに、力強いレースを披露した。
 「打鐘で出たかったけど、みんながバックを踏んでて出られなかったですね。あそこは転ばなかっただけでも良かった。誘導が残っててきつい展開になると思ったけど、タイミング良く仕掛けられました。33バンクが3場所続いていたので400バンクは長く感じました。だけど、全日本選抜がすぐにあるし弱音は吐いていられない。去年は1度も記念の準決勝を走ってないと思うし、ここで準決が決まったのは大きいですね」
 2着の松岡貴久はカマシた鈴木、渡邉晴智の後位へはまる。直線で渡邉を捕らえた。
 「誘導も残ってたし、流しすぎですよね。自分が踏み込むタイミングが遅すぎです。ハマったところから出て行こう思ったけどタイミングが取れなかったです」
 カマシ先行の鈴木に続いた渡邉晴智。番手絶好かに思われたが結果3着で首を傾げる。
 「今回投入したフレームがあまり馴染まない。前検日に使うか迷った末に使ってみたけど今日はだめだった。2日目以降は立川で優勝したときのフレームに戻します。伸びる感じを取り戻したい」
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