『静岡競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:1月20日
 静岡競輪開設60周年記念「たちあおい賞争奪戦」は2日目が終了。優秀競走『ちゃっきり賞』をメインに2次予選が争われました。ちゃっきり賞は、4車結束した北日本勢から菊地圭尚が勝利。3日目は準決勝3個レースが争われ、ファイナリスト9名が決定します。
 3日目は先着入場者1000名様に焼き菓子詰め合わせをプレゼント。場内では井上茂徳さん、吉井秀仁さんによる早朝予想会(2R発売中)、ガールズケイリン・中村由香里選手、小林莉子選手によるトークショー(4R発売中)、山口幸二さんによるトークショー(6R発売中)、競輪小僧さん、DJカツヨシさんによるガチンコ車券バトル(7R~9R発売中)と様々なイベントを予定しております。ぜひ、静岡競輪場へと足を運び、レースとともにお楽しみください。
<5R>
林雄一選手
林雄一選手
 林雄一(写真)は田中孝彦の先行を車間を切って援護。直線でしっかりと追い込んで勝利し、ファンの人気に応えた。
 「勝てたのは展開が良かったから。ラインの3人がそれぞれの仕事を出来たと思う。前の田中君もしっかり仕掛けてくれたし、自分も車間を切って援護した。3番手も力のある内藤(秀久)だったしいいラインでした。普段だったら絶対に空けないけど、直線は内藤にもチャンスがあるように、3m位コースを空けたつもり。でも外を踏んでましたね」
 最終ホームからピッチを上げて逃げた田中孝彦は末良く粘って3着。並んだ南関ライン3名での決着を喜んだ。
 「打鐘で黒木(誠一)さんが斬ってくれて、自分が仕掛けやすくなった。脚をほとんど使わずに先行態勢に入れて、楽に仕掛けられました。バンクは重いけど、たくさんのお客さんが入ってて、プレッシャーを感じながら良い緊張感の中で走れました。ラインの3人で決まったのが一番嬉しい。準決勝につながるレースになったと思います」
 田中孝彦とは同期対決となった永澤剛だが、見せ場を作れずガックリと肩を落とす。
 「引いて巻き返すつもりが。田中との競走はこれで2連敗ですね」

<6R>
大西祐選手
大西祐選手
 細切れ戦で展開が入り乱れると思いきや、打鐘から一気にカマシた大西祐が橋本強と2車で後続を大きく離して主導権。橋本が大西を交わして四国両者でワンツー決着となった。
 「打鐘で押さえに行くのかなと思ってたら、もの凄いダッシュだった。別線だけでなく、自分にとっても奇襲でしたね。後ろを見たらかなり離れていたので、2人で決まると思いました」
 大西祐(写真)は奇襲作戦が決まったことよりも、橋本強とのワンツー決着を喜んだ。
 「橋本さんは僕の憧れの選手なので、ワンツーが決まったことが何よりうれしい。考えていた走り方じゃないけど、今の自分の力じゃまともに競輪をしても勝つのは難しいし、思い切って仕掛けました。600mをモガく練習みたいな感じで踏んで、さすがに最終2センターでは脚にきたけど、こういうのがたまにあるから競輪は面白いですよね」
 後方に位置していた牛山貴広は3着までが精一杯だった。
 「先行するつもりだったのに、あんなに行かれるのは予想外。後ろの先輩達に申し分けないです」

<7R>
前田拓也選手
前田拓也選手
 打鐘で先頭に立った岡崎智哉が最終ホームでピッチを上げて先行態勢に。前田拓也(写真)は岡崎と車間を切って後方をけん制。直線でしっかりと追い込んだ。
 「前に連係したときは失敗してたんだけど、今日の岡崎君はもの凄く強くていいカカりでした。自分はそれに尽きます。古田(義明)さんまでラインの3人で決まって結果も良かった。自分の調子は悪くないと思いますよ」
 逃げた岡崎智哉は2着に粘った。
 「思い切り良く仕掛けられましたが、最後はまだタレているので僕が着に残れたのは後ろの先輩達の力だと思います。以前、前田さんと連係して失敗していたし、同じ失敗をしないように気持ちを強く持ちました。競輪は脚力もそうだけど気持ちの部分が大きい。記念の準決勝にようやく勝ちあがれたので、もう一つ上を目指して頑張りたいです」
 決勝戦進出を目標に掲げていた望月裕一郎は、2次予選で姿を消すこととなった。
 「強い桐山(敬太郎)君に前を任せたわけだし、勝負事なのでこういうこともある。決勝に乗りたかったけど、気持ちをしっかりと切り替えたい」

<8R>
原誠宏選手
原誠宏選手
 赤板で上昇を始めた片寄雄己が前を押さえに来るが、三宅達也がそれを嫌って突っ張り先行。最終1コーナーでは落車のハプニングもあったが、直線では三宅の3番手から原誠宏(写真)が外を突き抜けた。
 「自分は3番手のマークだったので、落ち着いていられました。三宅さんがあれだけ行ってくれて、展開が良くなりました。道中も楽に踏めたし当日変更でギアを上げて正解でした。記念の準決まで勝ち上がったのは初めてです」
 三宅達也後位から追い込んだ小川圭二は2着も、三宅が4着に沈んだ結果を受け、表情が引き締まる。
 「自分が2着でも、三宅君を準決に残せてないのでね。自分にもっと実力があれば(5Rの)林雄一君のように車間を切って援護できたはずなのに。悔しいですね。それしかないですよ」
 3着は佐藤和也。ホームガマシを狙ったが前へは出られず、落車で空いた三宅ライン後位へ切り替え、直線で追い込んだ。
 「一番強い人に先行させたくなかったし、自分が叩き切るつもりだったんですけど。前々に動いた結果、良い着が取れました。この2日間、ちゃんとした自力を出せていないのが気になるのですが、身体は動いています」
 三宅達也は末を欠いて4着。準決へは勝ちあがれなかった。
 「最後はタレてしまいました。これが今の実力。身体の方は戻ってきてるので、あとは練習してレースで戦える状態に戻していかないと」

<9R>
新田康仁選手
新田康仁選手
 打鐘から踏み込んだ森山智徳が最終ホームで上田隼を叩いて主導権。松谷秀幸は森山ラインを追う形から間髪入れずに反撃を開始。松谷マークの新田康仁(写真)は最終バック過ぎから前へと踏み込む。後続を千切って勝利したが、レースの後は反省の弁が口をつく。
 「展開が早くなってたし、前の松谷君は安東(宏高)君のけん制を何度か受けてました。松谷君を残すことも頭にあったんですが、スピードを殺されたと思い、前に踏ませてもらった。そしたらまだ自分の内で伸びていく感じがあったし悪い事をしてしまいました。自分の中に余裕はあったけど、番手の競走に慣れていない分、判断が難しかったです」
 2着は新田康仁に続いた須藤雄太。九州勢から切り替えて追い込む溪飛雄馬との接戦を制した。
 「前の二人(松谷、新田)が強くて自分は付いていっただけです。準決でも南関ラインをサポートできるように頑張るだけです」
 3着の溪飛雄馬は準決勝進出を決めて安堵の表情。
 「九州の二人が頑張ってて、自分は展開に恵まれた。森山君も気持ち良い逃げだったし、安東君も良い仕事をしていた。今日は四国勢がみんな頑張っていたので気合が入ってました。準決に勝ち進めてうれしいです」

<10R>
鈴木庸之選手
鈴木庸之選手
 鈴木庸之(写真)は打鐘で中団の位置をキープ。後方の浅井康太をしきりに警戒する。逃げる岡村潤ラインと車間を大きく切り、最終ホームからは差を詰める勢いで前へと踏み込む。最終バックで岡村を捕らえると、2センターでは浅井康太ら4名が落車するハプニングこそあったが、マークした手島志誠の猛追を振り切って勝利した。
 「佐世保記念の2次予選で似たような格上の選手を相手に負けていたので、反省を生かして前と思いっきり車間を開けながら自分のタイミングで仕掛けました。初日に長い距離を踏んでいたので、今日はすこし楽に乗れた感じがあります。昔の準決Bに乗ったことがあるけど、新しい制度になってからは記念の準決勝は初めて。かなり久しぶりだと思います」
 手島志誠は猛然と追い込むが逆転には至らなかった。
 「鈴木君が強くて良いレースをしてくれました。まずは離れずに付いていけてよかったです。最後も抜きに行ったけど抜けませんでした」

<11R>
菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
 後方で周回していた鈴木謙太郎は打鐘で先頭に立つ。別線の動きは無く、一本棒のまま最終ホームを通過する。鈴木がペース良く逃げると、番手の菊地圭尚(写真)が直線でしっかりと追い込み『ちゃっきり賞』を制した。
 「自分の状態よりも、初日、今日と前の選手が頑張ってくれたので、自分の着があります。まずは感謝の気持ちを忘れないようにしたいですね。ここまでいい流れだからといって、気を抜かないように。残り2日間もしっかりと気を引き締めてレースに臨みたいです」
 伏見俊昭は菊地圭尚に続く形で2着入線。
 「若い子の頑張りに尽きる。今シリーズも良い流れに乗って走れていると思います。前を抜けてないけど、伸びる感じはありますね。とにかく謙太郎が強かったです」
 後方の深谷知広は必死に巻き返すも3着まで。
 「打鐘で行くポイントがあったけど、(渡邉)晴智さんが横に動いてタイミングを失ってしまった。デキは悪くないと思うけど、周りの動きを見てからの仕掛けになってるのは良くないですね」
 逃げた鈴木謙太郎は4着の結果に悔しい表情を見せる。
 「逃げ切れる組み立てだったけど、相手が深谷だったし、絶対にどこかで来ると思って自分のペースに入れず、余裕はなかったです。逃げ切るつもりの仕掛けで、3着にも残れてないのでまだまだ修正が必要ですね」
 渡邉晴智は目標の神山拓弥が不発で大きな見せ場は作れなかった。
 「打鐘のところは、いつ神山君が仕掛けても良いように構えてた。そしたら深谷君の邪魔になったみたいですね。悪いことしちゃったかな。(立川で優勝した)フレームを戻して、初日のフレームよりも感触は良くなってます」
↑ページTOPへ