『静岡競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:1月22日
 静岡競輪開設60周年記念「たちあおい賞争奪戦」は1月22日に最終日を迎えた。S級S班からは深谷知広が、地元からは新田康仁が勝ち上がり、シリーズのベストナインによる決勝戦が争われた。勝ったのは神山拓弥の先行に乗った新田。平成22年12月伊東以来の記念優勝をホームバンクで飾り、完全復活を改めてアピールした。
決勝戦 レース経過
 号砲で松岡貴久がまず飛び出し、目標の藤木裕を迎え入れる。藤木―松岡で前受け、中団に神山拓弥―新田康仁―林雄一、鈴木謙太郎―菊地圭尚―山田敦也が後攻め、単騎の深谷知広が最後方の形で隊列は落ち着く。
 赤板前の4コーナーから鈴木が上昇。藤木はすんなり車を下げ、誘導員の後位に鈴木が入る。今度は神山が中団外併走の態勢から踏み込み、打鐘前から主導権を握る。鈴木は中団の内で粘って、単騎の深谷と4番手を取り合う。深谷の後ろに藤木が続く。神山がそのまま快調に逃げて、最終ホームを通過。中団以下はもつれたまま。2コーナーから藤木がまくり上げると、バック手前から新田が番手発進。最後まで力強く踏み切って優勝を飾った。林は新田好マークから猛追したが、僅かに及ばず2着。終始、南関後位で併走となった鈴木がしぶとく林を追って3着に入った。


新田康仁選手
新田康仁選手
 最終日は朝方から雨が降っていたが、昼前には太陽の光が降り注ぎ、決勝戦は万全のコンディションの中行われた。
 3日目の準決勝終了後、決勝メンバーが出そろい、地元の新田康仁(写真)が目標に指名したのは神山拓弥だった。その神山が先行してレースを作ると、番手の新田が最終バックからまくり発進。直線では真後ろから差し迫る林雄一をけん制し、地元Vを自らの手でつかんだ。検車場へ引き上げると「良かったぁ」とまずは一声。地元Vの味を噛み締めた。
 「今シリーズは、連日前を任せた選手が頑張ってくれました。後輩たちの頑張りがあって、優勝できました。決勝戦も深谷君が空いていたんですが、7対3、いや9対1くらいで神山君と決めていた。同じ東日本ってのもあるし、彼は絶対に後手を踏まない。あのスタイルは好きなんですよね。神山君が最終バックまで持ってくれればと思ってました。冬場の競走は苦手なんだけど、ベストを尽くしてここに入れました。最後は(林)雄一に抜かれたかと思ったけど、それでもワンツーですし、勝てて良かったです」

 直線では、地元の新田に遠慮すること無く差し脚を伸ばした林雄一。差は詰まったが、僅かに届かなかった。
 「自分は後ろの外にいた深谷だけは止めないとと思ってました。今日は神山君の気持ちが全て。自分達の着につながりました」

 3着は内に詰まっていた鈴木謙太郎が林雄一を追う形から入線。
 「拓弥を突っ張ることも考えていたけど、鐘も鳴ってないし早すぎるなと思ってました。当日に上げたギアを生かせない展開にしてしまった。動き方が下手でしたね」

 藤木裕は単騎の深谷知広を追い、最終2コーナーからまくり発進。深谷は交わしたがその後は車が伸びず、直線で鈴木との3着争いに敗れた。
 「前に居た深谷の動きを待つことなく自分から行けてるし、自分の動きには納得している。ただ、武田(豊樹)さんなら、あのケースで深谷を交わしてその後も行ってるだろうし、そこら辺が自分との違い。それが分かったことは収穫になりました。今日のような展開を乗り越えるレベルに到達しないとG1クラスでは戦えないですからね」

 単騎の競走となった深谷知広は中団の外で併走。バックからまくりを仕掛けるが、真後ろの藤木に先に行かれてしまいその後は後退。見せ場を作れなかった。
 「単騎の競走はむずかしい。勝てないのは自分が弱いだけですから。ただ、4日間で今の自分に課題も見つかったし収穫はあった。この後は全日本選抜に向けて練習します」


ゴール
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