『静岡競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:2月24日
 静岡競輪場を舞台に開催中の開設61周年記念「たちあおい賞争奪戦」は3日目が終了。準決勝3個レースが争われ、新田康仁、武田豊樹、佐藤友和がそれぞれ勝利。最終日はファイナリスト9名によって決勝戦が争われます。
 最終日もファンサービス、イベントでお客様のご来場をお待ちしております。最終日は先着1,000名様にうまみ種をプレゼント。場内では小嶋敬二選手によるトークショー(4R、8R発売中)、選手会スピードコンテスト(5R、6R発売中)などのイベントが予定されております。最終日もぜひ静岡競輪場にてお楽しみください。
<9R>
新田康仁選手
新田康仁選手
高久保雄介選手
高久保雄介選手
 赤板1センターで誘導を交わした高久保雄介に対し、坂本貴史が早々と襲いかかり赤板2センターから両者でモガキ合う。高久保を叩いた坂本が先頭に立ち先行すると最終2コーナーで渡邉晴智ら5名が落車するハプニング。坂本ラインに続いた新田康仁(写真)がバックから仕掛け、切り替えて新田を追う成田を振り切って地元記念の決勝進出を決めた。
 「高久保君も(初日、2日目と)いい競走をしてたけど、(坂本)貴史が最後には先行してくるなと思ってました。バリンって音がして落車があったのは分かったけど晴智は付いてると思って仕掛けていきました。成田さんの追撃を凌いで勝てたので良かったですが、落車があったのでね。2日目から使ってるフレームが良い感じにセッティングが出てくれたので、決勝もこれで行きたいと思います」
 先行する坂本から新田へと切り替えた成田和也が2着入線。
 「貴史が早めに踏んで出切ってくれました。新田君が真後ろに居るのは分かってて、仕掛けてきたらどうやって止めるか。止められなかったら切り替えようと思ってました。貴史が頑張ってくれたけど、新田君も脚を使ってない状態で仕掛けてきたから止められなかった。自分の状態はまずまずですかね」
 落車を避けた高久保雄介(写真)。前の3車とは大きく差が空いていたが、懸命に追いかけ、直線で坂本を交わして3着。自身初となる記念開催の決勝進出となった。
 「細切れで後ろからの競走にだけはしたくなかったんですが。後ろになってしまい早めに切って逃げようと思ったけど、坂本君を合わせられなかった。後方になっちゃうし、高城(信雄)さんが切り替えるのは仕方ない。自分の力不足ですから。落車を避けて、前を見たら3人だった。坂本君がタレてる感じだったのが分かった。諦めずに最後まで頑張って良かったです」
 主導権を握った坂本貴史は直線で高久保に交わされ4着。
 「調子が良かったから何が何でも決勝にと思ってました。成田さんが後ろだし、それで逃げて決勝に乗れないんじゃ自分の力不足としか言えません。前に出切れたし、合宿の成果が良い方向に出ていると確かめられたことだけは良かったです」

<10R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
安東宏高選手
安東宏高選手
 打鐘過ぎに前を叩いた和田真久留。徐々にピッチを上げて先行態勢に入る。和田後位の内藤秀久は2コーナーで波を作り、和田との車間を大きく切って援護。内藤は自身の背後から仕掛ける坂本亮馬に身体を当てて抵抗し、徐々に和田との差を詰め直線を追い込むが、坂本ラインの後位に居た武田豊樹(写真)が最終2センターから追い込み、直線で大外を突き抜けた。
 「8番の和田君とは初対戦だったので、どういう競走をするか分からずでした。後ろからだったので、早めに動いて様子を見ようと思いました。余裕がありながらの競走で、仕掛けのタイミングは何度かあったんだけど、出て行けなかったね。(勝てたけど)ラインを連れ込めなかったです。決勝は欲を出さないように。次が待ちに待ったG1、ダービーなので、そこにつながる競走にしたいです」
 目標の和田真久留を懸命にアシストした内藤秀久が直線で追い込んで2着。
 「真久留が男気を見せた。2車でも先行してくれた。それに応えたいと思って、後ろから来るのは絶対に止めてやろうと思ってた。坂本君はなんとか止められたと思ったんだけど、武田さんまでは抵抗できませんでした。決勝には進めたけど、最高の形は真久留と一緒に勝ち上がることだったので。今日は真久留を褒めてあげてください」
 3着は安東宏高(写真)。4コーナーで坂本の内コースを選択し、直線をしっかりと踏み込んだ。
 「今日は何から何まで全部亮馬がやってくれたので。あまりしゃべることがなくて申し訳ないんですが、自分は最後に踏んだだけですよ。記念の決勝は2011年の地元記念以来。3回目なんですが、地元以外の決勝は今回が初めてです」
 坂本亮馬は和田ラインへと俊敏に切り替え、最終2コーナーで武田より先に仕掛けていくも、内藤の抵抗を受け伸びを欠く結果となった。
 「頭を使って、一番良い展開に持っていけたと思いますよ。組み立ては100点でした。武田さんより先に仕掛けてどこまでかと思ってました。ただ、3番手からまくったはずなのに前が遠くて遠くて。内藤さんがあんなに車間を空けてるとは思わなかったです」
 和田真久留は2車のラインながら積極的に先行した。
 「小細工は通用しないし、後ろの内藤さんは仕事をしてくれるので、ある程度先行と決めていた。もう少し遅いタイミングからの逃げが理想だったけど、順番が来たので行きました。内藤さんがめちゃくちゃ仕事をしてくれたし、2人の気持ちが通じてこのレースをすることができたと思います」

<11R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
上野真吾選手
上野真吾選手
 打鐘で北津留翼が前を叩くも、深谷知広が更に北津留を叩いて主導権を奪取。深谷がグイグイとピッチを上げて逃げて行くと、後方8番手となった佐藤友和(写真)が2コーナーから一気の仕掛け。直線で逃げる深谷を捕らえ、力強く勝利して見せた。
 「8番手になっちゃって仕掛けるしかなくなったのが良い方向に出たかも。みんな深谷のカカリをまくれる訳ないと思って仕掛けなかったんですかね。踏んだ瞬間楽に行けた感じでしたが、(渡辺)十夢さんや、大塚(健一郎)さんの動きを警戒しながらの仕掛けでしたよ。決勝は成田さんが居るし、2人で決められるように頑張りたいです」
 北津留翼は深谷に叩かれ、深谷ラインに続いた井上嵩に絡まれて最終バックで力尽きた。北津留マークの大塚健一郎は佐藤の仕掛けに続くように直線を追い込み、2着で決勝行きを決めた。
 「前のレースで(同県の安東)宏高が決勝を決めてたので、何がなんでも決勝に乗らないとと思ってたんです。翼が風のきついところ前に出てくれて、自分にチャンスが生まれました。レースでは練習してきたことしか出ないと思うし、コツコツやってきたかいがありました」
 大塚健一郎に続く形で上野真吾(写真)が3着入線となった。
 「今日は何もしてなくて展開ですから。深谷君が逃げて、そのペースに付いて行くだけで一杯だった。スピードが凄くて仕掛けられる感じはなかったですから」
 先行した深谷知広は直線で末脚を欠き5着に沈んだ。
 「今の精一杯は出せたと思いますが。全くかかっていく感じがなかった。先行できたことだけが収穫といえば収穫ですかね」
 単騎戦の井上嵩は、深谷ラインを追走し3番手と好位置を確保したが、最後は踏み場がなく7着でレースを終えた。
 「深谷君にはお世話になってるので、付いていれば先行しやすくなるかなと思ったんですよね。鐘過ぎにちょっと口が空いてしまって、その後北津留さんと絡んでしまったのが余計でした。実戦で深谷君のスピードを経験できたのは良かったけど、自分に足りないものを身を持って知らされた。まだまだやることが沢山あるみたいです」
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