『静岡競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:2月25日
 2月22日から4日間の日程で開催された静岡競輪開設61周年記念「たちあおい賞争奪戦」は25日に全日程を終了しました。注目の決勝戦は最終ホームから一気に巻き返した武田豊樹が、逃げる高久保雄介を最終2コーナーで交わし、番手の大塚健一郎を連れて先頭に踊り出る。絶好の展開かに思われた大塚が直線を差し迫ったが、武田はそれを許さず、大塚を振り切って勝利。4連勝の完全Vでシリーズを終えた。
決勝戦 レース経過
 号砲でいち早く飛び出した佐藤友和が前受け。佐藤―成田和也―武田豊樹―大塚健一郎―安東宏高―上野真吾―新田康仁―内藤秀久―高久保雄介の並びで周回を重ねる。
 赤板前から動き始めた上野は中団の武田にフタをする。武田、上野の併走が続くと、最後方にいた高久保が打鐘前2コーナーから単騎で前に出る。これを追った上野は高久保後位に収まる形になったが、下げた7番手から武田がすかさず巻き返してくる。武田、大塚までが2コーナーで出切ったが、3番手の安東を新田が強烈にブロック。ようやく上野も高久保後位から持ち出したが、安東を飛ばした新田はそのまま踏み込んで3番手にスイッチする。武田の早い仕掛けで後方になった佐藤は3コーナーから巻き返すが3着までが精一杯。大塚の追撃をも振り切った武田が無傷の4連勝で静岡記念を制した。


武田豊樹選手
武田豊樹選手
 武田豊樹(写真)のグレードレースへの参戦は、昨年7月、高知記念で追走義務違反による失格を喫して以来、久々のことだった。前検日には「今の力を試したい」とコメント。力強い走りで、4日とも結果を残し続けた。
 「上野(真吾)君は後ろからだろうし、前から競走したかったんですけどね。でも2列目からの競走も頭にありましたから。自分の読み通り、6番(高久保雄介)は単騎でも仕掛けると思ってた。キツい展開になったけど、勝つことが出来て良かったです」
 久々のグレードレース参戦は完全Vと完璧な内容。圧巻のパフォーマンスでシリーズを終えた。
 「次がようやくG1(名古屋ダービー)ですから。時間は少し空くけど、念願のG1です。今回は一生懸命頑張った結果だと思いますし、簡単に負けないレースが出来た。車券にも4日間貢献できましたしね。2日目の競走は着に残れなければただの暴走でしたけど、あそこで自分の今の脚力を確かめられたのも大きいですし、自信になりました」
 F1戦とはまた違う優勝の味をしっかりと噛み締め、武田はまい進し続ける。

 武田をマークした大塚健一郎。勝ち上がりでは大塚らしい伸びを披露していたが、決勝2着の結果にがっくりと肩を落とす。
 「見ての通りですよ。交わせてないですからね。良かったのは今の現状が分かったことだけですね」

 最終3コーナーからまくった佐藤友和。直線で外を懸命に踏んだが3着までだった。
 「上野君がガンガン行くと思ったんですけどね。上野君の動きを読み違いました。その後は仕掛けるなら最終ホームだったと思うんですが、あそこで内に差しちゃってる時点でだめ。最低でも外を踏んでないと」

 成田和也は佐藤友和に続いて4着の結果。
 「レースなので結果はしかたない部分。4日間を通して、上向けそうな感じがあったので、そこを求めていきたいです」

 新田康仁はまくってきた武田ライン3番手の安東宏高をドカして武田ラインへと切り替え、直線勝負に懸けたが伸びを欠く結果となった。
 「(上野が高久保に)追い付き様に行ってくれると思ったけどね。大バックを踏まされてキツかった。違った展開もあったと思うだけに悔しいです」

 上野真吾は単騎の高久保が打鐘でカマすと、それを追って最終ホームで差を詰めたがそこで仕掛けられず。
 「まだ早いかと思って…。迷ってる時点でだめでした」

 高久保雄介は初めての記念決勝戦は初めて単騎での競走。打鐘でカマスも2コーナーで武田に飲み込まれ、末着でレースを終えた。
 「振り返れば何も出来なかった。前に出て、上野君がやめたのが分かって、さぁココからと思って踏んで行ったけど、その時にはもう(武田が)来てましたから。テレビやカレンダーとかで見ていた選手と一緒に走れたことと、G1で走る選手のスピードを経験できたことだけは良かった。次は勝負できるレベルになって挑戦したいです」


ゴール
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