『静岡競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:2月27日
 静岡競輪開設63周年記念「たちあおい賞争奪戦」が今日からスタート。オープニングレースから高配当が飛び出すなど波乱の幕開けとなった。メーンの特選3個レースは渡邉晴智、村上義弘、片寄雄己の3人がそれぞれ快勝。2日目は優秀競走「ちゃっきり賞」をメーンに、二次予選6個レースで準決勝への勝ち上がりを争う。
 明日2日目も片岡安祐美トークショーをはじめ、スピーチーズライブ、早朝予想会など場内イベントは満載。ぜひ静岡競輪場でお楽しみください。
<1R>
 オープニングレースは3連単11万円の大穴配当。波乱の幕開けとなった。レースは後ろ攻めの渡部幸訓が赤板で前を切ると、打鐘で津村洸次郎が叩いて主導権を握る。中団は南関と埼玉勢で併走となるも、外併走からまくり上げた吉原友彦に乗った近藤俊明が最後は外を突き抜けた。
 「付いていて余裕があったし、小野(俊之)さんのところを乗り越えられればと思っていた。後ろからまくってくる武藤(龍生)君の動きも見えていました。自分にとっては良い展開でしたね」
 2着は小野後位から直線で伸びた池田浩士
 「吉原君が(内へ)降りてきてかぶったら終わりだったけど、かぶらず良かった。良い展開になりました」

<2R>
島田竜二選手
島田竜二選手
 打鐘で前に出た馬場和広を、水谷好宏が強引に叩いて先行策に出る。後方で戦況を見極めていた八谷誠賢は満を持して2コーナーからスパート。軽快なスピードで前団を一気にまくると、最後は番手の島田竜二(写真)が差し切った。
 「展開に恵まれましたね。八ちゃん(八谷)が強かった。最後は交わせないかと思いましたよ。状態はあんまり良いとはいえないけど、(勝てたのは)前のおかげです」
 2着も八谷誠賢、3着にも山口貴弘が入り、九州で上位を独占。八谷は検車場に引き揚げてくると「やったー」と喜びを爆発させた。
 「2着だけど良かったです。今日はいつもより早めに動きました。セッティングをいじったら、車も出て、やっと当たりが出た感じ。(今日の2着は)めちゃめちゃでかいです」

<3R>
 後ろ攻めの新山将史が赤板前から上昇。前受けの田中孝彦は車を下げずに新山の後位で粘る。新山がピッチを緩めていると、打鐘過ぎの4コーナーから久米康平が一気のカマシ。マークの児玉慎一郎は離れ、あとは久米の1人旅。最後まで力強く踏み切って圧勝した。
 「カマせる展開になりました。ホーム、2コーナーで後ろを確認したら離れているのが分かったので、あとは自分のペースで踏みました。2コーナーの下りから踏み上げていきました。風も気にならなかったし、感じは良かったです」
 新山将史は久米に離れていた児玉を追う形から追い込んで2着に入った。
 「ゴチャゴチャになって後ろを気にしていたら、(久米に)行かれてしまった。でも、冷静に考えたら、ああいう風になりますよね。今日の展開では調子も分からない」

<4R>
横山尚則選手
横山尚則選手
 後ろ攻めの高間悠平が前を切ると、打鐘で菅原裕太が高間を叩いて出る。最終ホームは一本棒で人気の横山尚則(写真)は7番手に置かれたが、中団から先にまくった高間の外をバックから豪快にまくって圧勝した。
 「今日は行ける感じがしたし、余裕があったので7番手でも慌てずに仕掛けられた。苦しい感じがなかったし、バックではまくり切ったなと思った。菅原君も地元で気合が入っていたし、やる気だったので踏み合うよりはって気持ちでした」
 逃げた菅原裕太が末良く2着に粘り込み、初の地元記念で初日を突破した。
 「いっぱいいっぱいでした。ちょっと余裕がなかったですね。出てからとりあえず1回踏んで、横山君が来なければペースで駆けて行こうと。展開も向いたし、ラインで勝ち上がれて良かった」

<5R>
 金子哲大が保科千春を力任せに叩くと、猪俣康一が一気にカマし、最終ホームで主導権を奪取する。脚を使った金子は、巻き返してきた山本にからまれ、さらに苦しい展開に。すると、金子の後ろで脚を溜めていた磯田旭が直線で一気。中を割って白星をさらった。
 「今日は展開です。贅沢を言えば、もう少し自分に余裕があったら、違った形でレースを運べたかもしれないですね」
 磯田に続いた鈴木龍之介が2着に入った。
 「3コーナーでは余裕があったし、磯田君がコースを作ってくれました。前のおかげですね。直線では小川(巧)さんにあたって、押してもらう形に。磯田君、俺でも車券が売れていたので、ワンツーで良かったです」

<6R>
谷口遼平選手
谷口遼平選手
 渡辺航平の当日欠場により、8車立てで争われた。打鐘で真船圭一郎が切った上を城幸弘が叩いて先行。後方7番手に置かれた谷口遼平(写真)だったが、大外を鮮やかに突き抜けた。
 「気持ちで負けてました。(渡辺の)欠場でライン2車になったので、先行してすんなり3番手に入られると厳しいかなって。それで結局7番手ですからね。2コーナーの出口から無理やりでも行かないと先がない。道中が情けないし、内容が悪すぎますね。脚には余裕があったのに、まくり追い込みになってしまって反省です」
 中団確保の真船圭一郎は最終2センターから踏み込んで2着。
 「やっぱり谷口君は強いですね。後ろから来るんじゃないかと思ってました。すんなりの展開で中団を取れたけど、僕の脚じゃあんなもんでしょう。でも、勝ち上がれて良かったです」

<7R>
 打鐘で藤田大輔が切ったところを藤井昭吾がすかさず叩いて先制。人気の栃茨勢は5番手で最終ホームは一本棒で迎える。2コーナーから3番手にいた藤田が踏み出し良くまくり上げると、後ろを千切って快勝した。
 「遠澤(健二)さんもあそこで僕が仕掛けると思わなかったと思います。脚も溜まりきらなかったし、無理やり仕掛けたけど、あそこで行かないと3番手を取った意味がないし、長島(大介)君にこられてしまうと思った」
 バックからまくった長島を交わした杉本正隆が2着。
 「長島君だけに集中していた。状況判断はできているし、状態も大丈夫」
 長島大介は3着で勝ち上がりを決めた。
 「仕掛ける気持ちが弱かったですね。乗っている感覚が良くなくて…。明日は修正したい」

<8R>
 山中秀将が圧巻の走りで人気に応えた。前受けから7番手まで下げた山中は、最終1センターからスパート。中団から合わせた篠原龍馬の上を楽々乗り越えると、逃げる山田隼司を3コーナーで捕らえ、そのまま押し切った。
 「本当はスタートで前を取りたくなかったです。その後は、中団の人が動けない位置から仕掛けようと。自分的には1コーナーで仕掛けたつもりだったんですけど、VTRを見たら1センターからでしたね。まだズレがあるので、修正したいと思います。状態も問題ない」
 山中目標の望月永悟は、踏み出しで口が空くも再度付け直して2着。3着にも川口直人が続き、ラインで上位独占を果たした。勝ち上がりを決めた望月は山中の強さに舌を巻く。
 「強くて何もしていない。彼は余裕があるし、レベルが違うね。こっちはいっぱいでした。明日までには修正したいと思います。でも、状態は悪くはないと思う」

<9R>
萩原孝之選手
萩原孝之選手
 一次予選のラストは渡邉雄太が完勝。打鐘で角令央奈を叩いて主導権を握ると、強風の中を最後まで力強く踏み切り、ラインを上位独占に導いた。
 「理想どおりの展開になったし、力は出し切れました。まくられないように踏んでいたつもりなんですが、4番(角)が来たのが見えて慌てました。萩原(孝之)さんのおかげです。バックは流れたし、感じも良かった。ラインで決まって良かったです」
 中団からまくってきた角を好ブロックで止めた萩原孝之(写真)が2着。
 「あんまりかかってなかったですね。(角に)行かれたかと思いました。最後は差したと思ったけど、届いてなかった。脚には余裕があるんですが、気持ちに余裕がないです」

<10R>
早坂秀悟選手
早坂秀悟選手
 打鐘で川村晃司が天田裕輝を叩いて出るも、すかさず早坂秀悟が巻き返して最終バックを先頭で通過。番手の渡邉晴智が粘る早坂をゴール前で捕らえ人気に応えた。
 「早坂君に全てお任せしていた。彼が強かったし、言うことないですね。川村君相手にあれだけの走りをできるんですから凄いですよ。自分の感じも良いし、この流れで一つでも多く勝ち星を挙げたい」
 早坂秀悟(写真)はロングまくりでラインを上位独占に導いた。
 「晴智さんや(佐藤)慎太郎さんクラスの選手には抜かれてしまいますね。ちょっと調整しすぎかな…。走り終わった後になかなか息が整わなかったです。でも今日はやろうと思ったことができました」
 踏み出しに離れるも、再度追いついた石毛克幸が3着に流れ込んだ。
 「空いちゃったと思って半分まくり気味に追っていきました。付いていけて本当に良かった。優秀戦に乗れるのは大きいですね」

<11R>
中村淳選手
中村淳選手
 吉本卓仁が佐川翔吾を打鐘3コーナーで叩くも、佐川は巻き返した郡司浩平に合わせ、すぐさまスパート。そのまま前団を飲み込むが、後ろから郡司が軽快なスピードで迫る。村上義弘は郡司をブロックするも止められず、郡司後位にスイッチ。直線で差し返して白星を挙げた。
 「佐川君が頑張ってくれたおかげです。小野(大介)君が後ろに付いてくれてたのも大きかった。(郡司に)いかれてしまったのは申し訳ないけど、やることはやって走ったつもりです」
 後方に置かれた中村淳(写真)だったが、2センターからインを進出。そのまま直線で鋭く伸びて2着に入った。
 「道中は風が強かったけど、3コーナーで脚が軽くなった。その後は冷静にいけましたね。小野君だけを見て、『空け空け』と思って。また、一戦、一戦頑張ります」
 まくった郡司浩平が3着。ギリギリで2日目の優秀「ちゃっきり賞」に駒を進めた。
 「8番手になって『また、この位置か』と。でも、詰まったらいくってのはアタマにありました。早めでも仕掛けられて良かったです。前々回、前回よりも脚は良い。走ってみて良くなった感じがしました。(優秀に勝ち上がって)精神的にも楽になりましたね」

<12R>
片寄雄己選手
片寄雄己選手
 最終レースは阿竹智史が先に動いて切ったところを竹内雄作が打鐘で叩いて先行態勢に入る。3番手に一旦入った根田空史だが、すかさず仕掛けて最終主導権。番手絶好となった片寄雄己(写真)が直線鋭く追い込んだ。
 「根田の気持ちがうれしかったですね。後ろに竹内が入ったので、そこだけ警戒していました。あんまり(踏むのが)遅いと行かれてしまうと思って…。決勝までは負けられない気持ち。ここに来る前は海野敦男さんにバイク誘導をしてもらったし、地元の仲間の気持ちに応えられるように頑張ります」
 根田に叩かれた竹内雄作は3番手で態勢を立て直して4コーナー勝負。片寄を交わせず2着だった。
 「たまたま展開が向いただけですね。片寄さんを交わせなかったし、後ろの北野(武史)さんにも迷惑をかけてしまった。詰まっている感じはあったけど、片寄さんが車間を空けていたので行くに行けなかった。自分のタイミングでうまいこと行ければ良かったんですけどね」
 阿竹智史が5番手からしぶとく3着に突っ込んだ。
 「根田が(3番手から)すかさず行ったし、緩むところがなくて、きつかったです。バックで車間が詰まらなかった。最後は吸い込まれる感じでもう少し伸びるかと思ったけど。落車明けで緊張したし、明日からはもう少しリラックスして走りたい」
 根田空史は地元を連れて積極果敢に攻めた。
 「詰まったので思い切って仕掛けました。自分に力があればワンツーが決まってましたね。脚が終始、重かったです」
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