『静岡競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:2月29日
 静岡競輪開設63周年記念「たちあおい賞争奪戦」は後半戦となる3日目に突入。準決勝3個レースをメーンに、熱戦が繰り広げられた。10レースは村上義弘が失格。11レースでは5名が落車するなど波乱の連続だったが、神山雄一郎、竹内雄作、根田空史らベストナインが出そろった。明日の決勝戦でシリーズの頂点が決まる。
 最終日も浅井康太選手のトークショーをはじめ、早朝予想会、車券バトルなど場内イベントは満載。ぜひ静岡競輪場でお楽しみください。
<10R>
南修二選手
南修二選手
吉本卓仁選手
吉本卓仁選手
 赤板前に藤井昭吾が郡司浩平を押さえるとそのまま徐々にペースアップ。中団に下げた郡司が最終ホームをめがけて早めに巻き返すと、その動きを察知した村上義弘が番手まくりで応戦する。1コーナー付近で渡邉晴智が落車した影響で村上は失格になるも、村上追走の南修二(写真)が差し切って白星を手にした。
 「村上(義弘)さんが失格になったのは残念だけど、ラインのおかげです。後ろに小野(大介)君が付いてくれたのも大きかった。状態は良いと思う」
 近畿ラインを追走していた小野大介が2着に繰り上がり。
 「郡司君の巻き返しもあったし、落ちるかと思って危なかったけど、落ちても良いくらいの気持ちで前を追っかけました。自分の脚はないので選んだ位置が良かったですね」
 後方からまくり上げた吉本卓仁(写真)が3着に繰り上がり、決勝へのキップを手にした。
 「いけると思ったけど、そんなに甘くなかったですね、繰り上がりなので素直に喜べない。ホームから1周仕掛けている村上さんが強かったです」

<11R>
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
竹内雄作選手
竹内雄作選手
 後ろ攻めの渡邉雄太が中団の横山尚則に蓋をした後に、赤板の1センターから踏み上げる。しかし、前受けの竹内雄作は突っ張り、激しいもがき合いに発展する。最終1センターまでもつれたが、渡邉が竹内と接触した際に落車。後続4車も巻き込まれるアクシデントが発生する。落車を避けた神山雄一郎(写真)は、前との車間が大きく開くも、懸命に踏み上げて最後は粘る竹内をゴール前で差し切った。
 「避ける場所がなかったですね。ギリギリまで見て、最後に避けました。その後は山おろしになったから、伸びていったね。でも、アタマまで伸びたのは収穫です」
 竹内雄作(写真)が2着に残った。検車場に引き揚げてくると、息を整えながら口を開く。
 「もうちょっと早かったら引いたけど、来るのが遅かったですね。そこでスイッチが入りました。でも、渡邉君は強い。最後、神山さんにも抜かれているし、いっぱいいっぱいでした。落ち着きもなかったですね」
 片寄雄己は渡邉に乗り上げて失速する。しかし、再度踏み上げると、直線で池田浩士を交わし3着を確保。執念で地元記念の決勝に駒を進めた。
 「渡邉君に乗り上げましたけど、とりあえず耐えようと。雄太の気持ちにも応えようと思って、最後は6番(池田浩士)だけを見て意地で走りました。フレームはいってますね。でも、乗れそうではあるので、これから考えます」

<12R>
早坂秀悟選手
早坂秀悟選手
根田空史選手
根田空史選手
 最終レースは根田空史が打鐘前に谷口遼平を叩いて先制。一列棒状の展開に持ち込んで軽快に逃げる。中団先まくりの谷口は不発となったが、さらにその上を豪快にまくった早坂秀悟(写真)が粘る根田を直線で捕らえた。
 「ただ決勝に乗っただけですね。仕掛けるべきところでしっかり仕掛けられなかった。もうちょっと谷口君が行くのかと思っていたけど…。今回は何か消極的ですね。それで結果は出ているんですが、やっぱりラインで決めないといけないし、情けないです。それでも決勝に乗れたので、明日いいレースをして挽回したい」
 根田空史(写真)は長い距離を最後まで踏み切って2着。一昨年8月の小田原以来、1年半ぶりのG3優出を果たした。
 「谷口君がどれだけやる気なのか分からなかったけど、何か待っている感じがしたので叩きました。早坂さんがいつも来るところで来なかったし、ホームは全開で踏んで、うまく追い風に乗せられました。脚がうまく回っていたし、呼吸はいつもより楽です。脚の感触はいいですね」
 単騎の磯田旭は先制した南関コンビを追走。最終2センターで石毛克幸の内をすくって3着に食い込んだ。
 「北が後ろからなら番手勝負を考えていたけど、前になってしまったので、頭を切り替えました。根田君のかかりがすごかったです。最後は内が空いていると思って入ったけど、ちょっと遅かったですね」
 石毛克幸は絶好の番手回りを生かせず悔しさを隠せない。
 「根田はバック追い風ですごいかかってました。(谷口を)持っていって、一瞬空けたときに入られてしまった。本当にちょっとなんですけどね。すごい悔しいです」
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