『静岡競輪開設54周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:2月12日



 静岡競輪場開設54周年記念「たちあおい賞争奪戦」はいよいよ佳境に入り、ファイナルへの最終関門となる三日目の準決勝を迎えた。振替え休日の本日も朝から晴天に恵まれ、一万人近いファンが詰め掛け大きな声援で場内は沸いた。
  本日、場内では縁日コーナーをはじめ、阿部道氏によるトークショーが行われました。なお、明日は自転車など豪華商品が当たる「優勝者当てクイズ」が実施されます。
  明日はいよいよ決勝戦。ぜひ本場に足をお運びいただき、本場の生の雰囲気を味わってください。
 



<8R>
村上義弘選手
村上義弘選手
   1着権利の狭き門準決勝Cは、村上義弘、金子貴志、岡本英之の先行型3車による戦い。レースは金子がジャン過ぎからカマして主導権を握る。番手の玉木勝実が踏み出しで離れたため金子は単独となり、金子の後位に、南関3車、そして村上ラインの順でホーム線を通過した。岡本が離れながらも金子を追うなか、バックから村上義弘(写真)がまくって見事1着権利を手にした。
  「タイミング良く仕掛けないといけないメンバー構成だし、後ろ攻めだと押えた上を行かれてしまうから、それよりは前か中団から攻めた方が良いと思って初手は中団を取った。昨日、七番手から押えて駆けた結果(9着)を考えたときに、今の自分の脚力と今日のバンクコンディションではこの組み立ての方が良いと。結果的にはまくりになったけど、モガく距離ではなく、タイミング重視の先行でと考えていた。自分はあまり相性とかは気にしないけど、静岡という所はすごく(相性が)良い所ですね。こういうレースをしていれば徐々に体も1着を獲ることを覚えてくるだろうし気持ちも乗ってくるだろうね」
  村上のまくりに合わせる形でバックから踏み出した法月成祐が、金田健一郎を退かして2着に入ったが惜しくも決勝進出はならず。
  「展開は良かったんだけどね。脚があったらもっと外に差し込んで、村上君のまくりに合わせられたんだけど。横に振った時点で脚が一杯でした。落車明けからまだ間もないし、2着で上出来ですよ」
  岡本英之は敗れても力を出し切り悔いはなし。
  「村上さんと金子さんは上位選手だし、胸を借りるつもりで思い切って行こうと思っていました。金子さんが来たのは分かったけど、バイクみたいにあっという間に行ってしまいましたね。上位選手と戦えて勉強になりました」


<9R>
浦川尊明選手
浦川尊明選手

   9Rは、実質渡部哲男の先行一車のレース。前を取ったのは藤原憲征で、渡部哲男は後ろ攻め。ジャンでも隊列に変化はなく、2センターから渡部が一気にカマして先行態勢に入る。飛び付きを狙った藤原が落車するアクシデントが発生したため逃げた渡部が有利かと思われたが、落車を避けた浦川尊明(写真)が直線で鋭く伸びて1着をさらった。
  「昨日、一昨日と前を一人も抜いていないんで気楽に走ったけどまさか1着とはね。バックで湊崎(裕次)さんが外を踏んで行ったんで、それが良い目標になりました。練習の成果が出たのかもしれないけど、恵まれました」
  逃げた渡部哲男は、最後の力を振り絞って2着に踏み止まった。
  「いつも(三宅)伸さんに迷惑をかけているから、競らせないようにカマしました。思ったよりも藤原君が踏んでいたから、全開で踏みっ放しで流せなかった。普通のマーク選手だったら飛び付かれないだろうけど、藤原君はタテの脚があるから手強かったね。最近はずっと成績が悪かったから、決勝に乗れただけでも嬉しいですよ」
  湊崎裕次は2センターで力尽きてしまった。
  「力ずくでまくってみたけど、渡部君に合わされてしまった」


<10R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
山口富生選手
山口富生選手

   10Rはいつも通り3着権利の勝ち上がり。レースは逃げる福田知也を、三番手を確保した小嶋敬二が力の違いを見せ付けてまくり圧勝。山口富生がマークして中部ワンツーとなった。
  勝った小嶋敬二(写真)は、「矢口(啓一郎)が俺の所でずっと蓋をしていれば違った展開になったけど、前の福田を押えればああいう展開(小嶋が三番手)になるよね。地元の松永(晃典)が付いているし、2車だけど福田の先行もあると思っていた。顔見せで松田(孝志)さんが付いてくれたのが大きかったね。調子は(良い意味で)変わらず」
  流れ込んだ山口富生(写真)は小嶋の強さに舌を巻く。
  「練習でもしたことがないし、あんな三番手まくりは差せんでしょう。石川まで行っても抜けないよ(笑)。色々と試したくて今日はギアを上げてみた。出足は重たいけど、あれに付いていったんだから調子は悪くないでしょう。明日は俺が優勝するときは小嶋が不発になったときでしょう(笑)」
  逃げた福田知也は3着確保を狙い懸命に踏み込んだが、ゴール直前で長塚智広に内をすくわれ決勝進出はならず。
  「2車でも先行して、小嶋さんが後ろを千切ってきてくれればと思ってたんです。あとは松永(晃典)さんが仕事をしてくれれば自分にもチャンスがあると。その通りになったし3着と思ったんだけどね。最後に内を空けてしまった」と悔しがる。


<11R>
新田康仁選手
新田康仁選手
望月裕一郎選手
望月裕一郎選手

    最後の3席を争った11Rは、藤田竜矢と田村英輝の壮絶な主導権争いとなり、隊列が短くなったところを新田康仁(写真)がひとまくり。
  「二人がやり合ってくれて展開に恵まれたけど、ジャンからハイペースだったし、コーナーを上りながら行ったからキツかった。しっかりと1着がとれるように走っているつもりだけど、まさか3連勝できるとは思っていなかった。ここまできたら完全優勝を狙います」
  村本大輔は、飛び付いてきた合志正臣を落車させ痛恨の3着失格。
  「新田さんに踏み遅れてしまった。3着を目指して最後まで踏んだけど、失格では仕方ない」との言葉を残し検車場を後にした。
  2着は望月裕一郎(写真)が入った。
  「最後は脚が一杯でした。昨日もそうだけど、地元の利を生かせただけでも嬉しいし夢みたい。流れに乗っている時にツキを生かさないとと思っていたし、こういう時しか記念の決勝には乗れないんでね。明日は静岡ナンバーワンの新田君に全信頼を置いていきます」
  村本の失格により、最終主導権を奪った藤田竜矢が3着に繰り上がり、嬉しい記念初優参を決めた。
  「とにかく出切らないと何もできないから必死で踏みましたよ。田村さんは強かったし、出切るまでに脚を使ってしまいました。流そうと思ったら今度は新田さんがきているし全く流せませんでした。それでも頑張って最後まで踏んだけど、落車でひるんでしまいました」


   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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