競輪祭の決勝3着はフロックではなかった。今節は更にパワーアップした新田康仁が連日の大暴れ。連日危なげなく連勝で勝ち上がると、決勝戦も圧巻のまくり勝ちで土付かずの完全優勝。地元ファンを大いに沸かせた。 「村上君が本当に頑張ってくれた。嬉しい限りです。一緒に走るときは敵として嫌なタイプだけど、いつも頑張っているのを見ているし、今日は好きに走ってもらった。びっくりするほど早く行ったね。村上君はバックで出切れるかどうか微妙な感じになっていて、ひと呼吸入れて後ろをみたら小嶋さんが来ていたんで自分も出ました。コーナーに入っちゃえば小嶋さんを凌げるかなと。あとは目を瞑って頑張りました」 地元選手による記念優勝は25年ぶり。「今年こそは」との気持ちが強かったようで、「いつも他県の選手に持っていかれてたんで、獲りたい気持ちが強かった。競輪祭も3着だし、今年は流れが良いですね。怖いくらいです」。
新田と同様、連日の好調が光った小嶋敬二は惜しくも準Vに終わった。 「作戦としては前を取って、別線を出して出しての組み立て。長塚が番手まくりをする前に仕掛けようと思っていた。バックで長塚は出ると思ったんだけどね。そうしたら新田が外を行っちゃったし、更にその外は苦しい。3コーナーは4車併走だし、まくり屋の上はいけないよ」
8着となった村上義弘だが、力を出し切り表情は晴れ晴れ。 「あそこ(ホーム)で行かないと(渡部)哲男に合わせて出て行かれるんでね。(新田が)地元で3連勝して、最後の決勝で人に任せるのは勇気のいることだし、しかも今の自分に付けてくれたからには、暴走はないけれども三番手の望月さんにもチャンスがあるレースはしようと思っていた。予想以上に藤田君が強かったのと、新田さんの気迫が違ったね。4日間で良い感触をつかんだんで、次につながるレースはできた」
藤田竜矢が逃げ、番手まくりも打てる絶好の展開となった長塚智広だったが、「バックで村上さんが止まったから誰も来ないと思った。そうしたら新田さんが来てしまった。見えなかったし、外のまくりだと合わせられない」。
渡部哲男は外が被ってしまい仕掛けられず。 「行くならホームでした。3コーナーからは大渋滞になってコースが全くなかった」