『静岡競輪開設54周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:2月13日


 静岡競輪場開設54周年記念「たちあおい賞争奪戦」は、いよいよ本日が最終決戦のファイナルレースを迎えた。昭和58年の高下堅至以来、25年ぶりの地元優勝を狙う新田康仁や、危なげなく決勝に進出した小嶋敬二。徹底先行を武器に見事勝ち上がった新鋭・藤田竜矢に、復活が待ち遠しい村上義弘など自力選手がそろった。注目の決勝戦は、村上のまくりに乗った新田康仁がバックから自力まくりを敢行。好スピードで迫る小嶋敬二を振り切り、悲願の地元記念優勝を完全Vで飾った。

決勝戦ダイジェスト
 スタートで小嶋敬二と新田康仁が見合うと、小嶋が踏み上げて誘導員を追う。小嶋に山口富生がついて中部コンビが前団。村上義弘―新田―望月裕一郎に渡部哲男が続き、藤田竜矢―長塚智広―浦川尊明の関東トリオが後攻めで周回が進む。
 赤板前から村上がしきりに後ろの藤田を気にするが、藤田はまだ動かずに一本棒のまま赤板を通過。打鐘前に車間をやや空けた藤田が一気に踏み出すと、村上も踏み込んで小嶋を叩く。藤田ラインを村上が出させると単騎の渡部が切り替えて四番手キープ。最終ホームは藤田―長塚―浦川―渡部―村上―新田―望月―小嶋―山口の順に通過したが、ホーム線と同時に早くも村上が仕掛けて藤田に襲い掛かる。しかし、車の出が今ひとつで長塚の牽制で村上のスピードが止まった。前団がもつれたところを小嶋が外々を強引にまくり上げると、村上不発とみた新田が小嶋に合わせて渾身のまくりを打つ。2センターからは内に新田、外が小嶋で踏み合いになったが、新田が踏み勝ち地元記念で完全Vを決めた。2着は小嶋で力のワンツー決着。山口は望月とからみ合い、3着には外を踏んだ渡部が入った。
新田康仁選手
新田康仁選手

 競輪祭の決勝3着はフロックではなかった。今節は更にパワーアップした新田康仁が連日の大暴れ。連日危なげなく連勝で勝ち上がると、決勝戦も圧巻のまくり勝ちで土付かずの完全優勝。地元ファンを大いに沸かせた。
 「村上君が本当に頑張ってくれた。嬉しい限りです。一緒に走るときは敵として嫌なタイプだけど、いつも頑張っているのを見ているし、今日は好きに走ってもらった。びっくりするほど早く行ったね。村上君はバックで出切れるかどうか微妙な感じになっていて、ひと呼吸入れて後ろをみたら小嶋さんが来ていたんで自分も出ました。コーナーに入っちゃえば小嶋さんを凌げるかなと。あとは目を瞑って頑張りました」
 地元選手による記念優勝は25年ぶり。「今年こそは」との気持ちが強かったようで、「いつも他県の選手に持っていかれてたんで、獲りたい気持ちが強かった。競輪祭も3着だし、今年は流れが良いですね。怖いくらいです」。

 新田と同様、連日の好調が光った小嶋敬二は惜しくも準Vに終わった。
 「作戦としては前を取って、別線を出して出しての組み立て。長塚が番手まくりをする前に仕掛けようと思っていた。バックで長塚は出ると思ったんだけどね。そうしたら新田が外を行っちゃったし、更にその外は苦しい。3コーナーは4車併走だし、まくり屋の上はいけないよ」

 8着となった村上義弘だが、力を出し切り表情は晴れ晴れ。
 「あそこ(ホーム)で行かないと(渡部)哲男に合わせて出て行かれるんでね。(新田が)地元で3連勝して、最後の決勝で人に任せるのは勇気のいることだし、しかも今の自分に付けてくれたからには、暴走はないけれども三番手の望月さんにもチャンスがあるレースはしようと思っていた。予想以上に藤田君が強かったのと、新田さんの気迫が違ったね。4日間で良い感触をつかんだんで、次につながるレースはできた」

 藤田竜矢が逃げ、番手まくりも打てる絶好の展開となった長塚智広だったが、「バックで村上さんが止まったから誰も来ないと思った。そうしたら新田さんが来てしまった。見えなかったし、外のまくりだと合わせられない」。

 渡部哲男は外が被ってしまい仕掛けられず。
  「行くならホームでした。3コーナーからは大渋滞になってコースが全くなかった」

ゴール




↑ページTOPへ

 
情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JAPAN KEIRIN ASSOCIATION, All Rights Reserved.