『静岡競輪開設56周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:2月5日


 今日から静岡競輪場で開設56周年記念「たちあおい賞争奪戦」が始まった。オープニングの1レースから熱戦の連続で、片寄雄己や渡邉晴智、石橋慎太郎ら地元勢も気合の入った走りを見せた。特選3個レースは神山雄一郎、木暮安由に吉田敏洋が快勝。明日の「ちゃっきり賞」に駒を進めた。
  明日も引き続き現金ミカチュウ(未確定車券3000円で1回の抽選会)や静岡応援スタンド&予想会などのイベント。さらに「ちゃっきり賞」表彰式後のらっき~か~ど抽選会や地元演歌歌手花房恋の歌謡ショーや大道芸人あまるの大道芸ショー(正門入場口付近特設ステージ)などが予定されています。明日もぜひ静岡競輪場へご来場ください。


<1R>
 1レースは人気の大内達也が後ろ攻めから中団の小林弘和にフタをすると、前受けの西村豊がそのまま先行。中団から上手く内をすくって西村後位を奪った小林が抜け出し、白星スタートを決めた。
  「大内さんは叩いてくれるだろうと思ってたし、何でかな?って感じでした。押さえてくれないし、(最終)ホーム線では前々に行くしかないと思ってました。A級では師匠(原司)に先行しろと言われてたし、今日のレースはたぶん怒られちゃいますね。初めての記念だし、周りは強い人ばかり。僕はチャレンジャーの立場だから、今回はどこまで行けるか楽しみです。バンクも軽かったし、調子は大丈夫だと思います」


<2R>
 2レースは斎藤友幸が先行すると、中団は北川智博、八谷誠賢で取り合いに。上手くペースに持ち込みたかった斎藤だが、北川のまくりに屈して8着大敗。ほろ苦い地元記念の幕開けとなった。
 「力んだのもあるけど、出切るのに脚を使いましたね。中団が併走になってるのに踏んでた。もう少し落ち着いて行けば良かったのに…。感じは悪くないけど、気合が空回りしました。明日からは気を取り直して頑張ります」


<3R>
小田桐義継選手
小田桐義継選手
   3レースは中村敏之輔の先行に乗った小田桐義継(写真)が絶好の展開をモノにした。
 「中村くんが頑張ってくれました。打鐘前から出て、僕は単独で番手を回らせてもらったからね。できることをやろうと思って車間を切ってギリギリまで踏まなかったけど、どこまで残していいのか分からなかった。最近ずっと悪くないし、良い状態を維持できてると思います」


<5R>
 5レースは打鐘すぎに一度は矢野昌彦後位に入った森田達也がすかさず先行するが、そこを一気に梅澤謙芝がまくって圧勝。年頭の大宮に続き、記念の一次予選を突破した。
 「わりと冷静に走れましたね。バックで中団が空いてて入ろうとしたけど、アカン、アカンと思ってそのまま踏みました。昨日は家田(真宏)くんと前後で悩んだけど、上手くワンツーが決まって良かった。今はまたA級に落ちたらどうしようとか考えなくなったし、リラックスして走れてるのが良いみたいですね」


<6R>
片寄雄己選手
片寄雄己選手
   6レースからは選抜戦。ここは片寄雄己(写真)が力強い走りで地元勢初勝利を飾る。初対戦の牛山貴広を全く寄せ付けない圧巻の走りで、良好な仕上がりを痛烈にアピールした。
 「練習みたいな感じのレースでしたね。三番手に入った時点で、ホームからカマすつもりでした。ちょっと疲れが心配だったけど、思った以上に走れてますね。明日からはもっと良くなると思う。二次予選Aは初めてなので楽しみです」
 2着の小笠原弘高は片寄の想像以上の強さに2コーナーから口が空いてしまった。
 「以前の片寄のイメージで付いてたから、すぐにニュートラルに入れたら2コーナーで置いてかれた。甘かったね。今日の片寄には参った。ほんとに強かった」
 牛山貴広は4着で二次予選Bへ。
 「前からの組み立ては考えてなかった。片寄さんが押さえに来たら突っ張ろうと思ってたんだけど…。普段やらないことをするとダメですね」


<7R>
小川将人選手
小川将人選手
   7レースは前受けの小川将人(写真)が田中孝彦の後位でイン粘り。松江健一を競り落として番手を奪うと、直線鋭く抜け出した。
 「番手は3割くらい、7割は引くつもりだったのにスタートで誘導を追ったら脚と呼吸がキツくて…。もうすいませんって感じで粘りました。田中くんも踏まないからカマされたらどうしようと思ったけど、結果勝てて良かった」
 外々を踏まされる苦しい展開をしのいだ阿竹智史が2着に食い込んだ。
 「後ろ攻めから田中くんにフタをして、そこからカマして先行するつもりだったけどね。小川さんがハコを取り切ったのが見えたので、行けるところまで行かんとと思って踏んだ。よう行けたな」
 阿竹マークの兒玉慎一郎は3着に。
 「前はペースやし、行けんと思った。阿竹は踏み出しが悪かったけど、2センターで(二次予選に勝ち上がれる)7着までには入るなと思いました。阿竹はジリ脚やし、あれを抜くにはギアをかけんといかんね」


<8R>
菊池崇訓選手
菊池崇訓選手
   8レースは池崎太郎が打鐘から一気に主導権を奪うとマイペース。田中誠のまくりを番手の菊池崇訓(写真)が強烈にブロックすると、粘る池崎をゴール寸前で捕らえた。
 「上出来ですね。当たったタイミングは良かったけど、山おろしでかぶる可能性もあるし、紙一重でしたね。今回は直前に神山(雄一郎)さんと一緒に合宿してきたし、悪くないと思う。チャンスだし、神山さんと同じレースに乗りたいですね」
 池崎太郎も持ち味を遺憾なく発揮して2着に粘りこんだ。
 「赤板過ぎから誘導が上がってキツかった。風はずっと向かってる感じだったし、後ろが仕事をしてくれて何とかって感じですね。この風があと3日間じゃキツいな。久々に3週間配分が空いてレース勘が不安だったけど、これで楽になりました」


<9R>
神山雄一郎選手
神山雄一郎選手
   9レースは稲川翔と藤田竜矢で激しい主導権争いに。バックで藤田が単独で出切るが、稲川後位からすかさず村上義弘がまくり上げる。このまくりに続いた神山雄一郎(写真)が村上を1/8輪捕らえた。
 「村上に抵抗されて、どこで抜いて良いのか分からなかった。でも後ろに小林(潤二)も付いてたし、早めに行きました。村上のバックまくりを抜いてるから悪くはないと思う」
 村上義弘は稲川の気持ちに応えるバックまくりで勝ちに行ったが、結果は僅差の2着に終わった。
 「ほんと申し訳ないです。翔は出足も良かったし、駆け出しで口が空いたくらい。激しいモガき合いになったし、荒井や菊地(圭尚)のまくりが来てからでは遅いと思って行きました。翔の気持ちを考えたら、1着を取らないといけないレース。力不足ですね」
 3着にはまくった村上の四番手から内を突いた荒井崇博が食い込んだ。
 「折り合いがついたのが2コーナー、そこから行こうと思ったら村上さんが出て行った。最後は外を踏みたかったけど、しょうがなく真ん中を踏んだ。菊地が飛んでくるんじゃって怖かったけど、けっこう遅れてたんですね。3着で良かった」


<10R>
木暮安由選手
木暮安由選手
   10レースは吉川誠が地元コンビを連れて先行。しかし、上手く中団を確保した木暮安由(写真)が力強くまくって、前走落車の不安を一掃した。
 「新田さんが車間を切ってたし、コーナーは意地の張り合いみたいになるだろうなと思いながらも行きました。番手まくりに遭ったらしょうがないし、ダメでも練習になると思ってました。コーナーを我慢すればどうにかなると思ってたけど、キツかったですね」
 目標にした松尾淳が後方に置かれる苦しい展開になったが、4コーナーから空いたインコースを突いた山田裕仁が2着に強襲した。
 「展開に恵まれたね。空いてるのは見えてたけど、新田も戻って来そうだし1回見た。最後でも間に合うかなとも思ってたから。あれが決勝なら迷わず突っ込んで優勝ですね」
 3着の佐藤慎太郎は木暮の強さに舌を巻く。
 「(新田に)もらって行けないんじゃないかなと思って、どのコースを行こうか考えてたら、木暮はどんどん踏んで行った。ビックリですね。熊本で連係したときはスピードがあるなと思ってたけど、あんなレースもできるんじゃ(敵になったときに)ヤバイな。ギアをかけてない頃の山崎(芳仁)みたい。強いな」
 絶好の展開をモノにできなかった新田康仁はがっくりと肩を落とす。
 「止まったと思ったけど、そのあとモコモコ伸びてきた。それで慌てて踏んだんだけどね。取りこぼしたなあ…」


<11R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
   11レースは石橋慎太郎が打鐘過ぎから主導権を握ると、そこに吉田敏洋(写真)がすかさず襲いかかる。バック過ぎに前団を飲み込むと、そのまま力強く押し切った。
 「石橋がいつもの踏み出しじゃなかったし、駆ける気持ちの準備もできてるので体が動いた。去年の秋から調整に余裕がでてきたし、ギアやセッティングが固まってきた。(競輪祭がダメだったので)恥ずかしいけど、十分休んだのでこれからは大丈夫です」
 吉田後位の北野武史をさばいた渡邉晴智がしっかりと2着をキープした。
 「組み立ては中団からで、行けるところからって作戦だったけど、慎太郎は流しすぎだね。でも、珍しく押さえ先行ぽかったね(笑)。吉田を止められれば何てことなかったけど、全然止められなかった。僕の調子は悪くないです」
 3着に残った石橋慎太郎はレース後「キツい」を連呼する。
 「練習できなくて疲れがない分軽かったけど、キツいですね。今日は晴智さんのおかげ、それだけです。落車後にしては良いかなと思うけど、今ひとつ掛かりがない。この3着は大きいし、晴智さんに感謝です」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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