『静岡競輪開設56周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:2月7日


 静岡競輪開設56周年記念「たちあおい賞争奪戦」はいよいよ3日目を迎えた。今日は準決勝4個レースで決勝戦9つの椅子を懸けた最後の勝ち上がり戦を展開した。地元勢からは渡邉晴智ただ一人が決勝に進出。好調・村上義弘や山田裕仁らを相手に地元Vを狙う。
 明日はお笑いコンビ「響」が静岡競輪場に登場。11時55分頃、14時05分頃の2回、正門入場口付近の特設ステージにて爆笑ステージを開催します。さらに滝澤正光氏も来場し、11時頃と13時30分頃の2回、正門入場口付近特設ステージにてトークショーを行います。明日、日曜日もぜひ静岡競輪場へご来場ください。


<8R>
牛山貴広選手
牛山貴広選手
   準決勝Cは8レース。1着権利の狭き門を突破したのは牛山貴広(写真)だった。二段駆け態勢の九州勢が主導権を握ると、荒井崇博後位をめぐった競りで合志正臣が落車、さらに小笠原弘高も乗り上げ2名が落車してしまう。逃げる小林弘和-荒井崇博は2車になり、3コーナーから荒井が番手まくり。バラけた後方から追いかけた牛山がこれを直線で捕らえた。
 「今日は前を取って突っ張るか、後ろ攻めならホームで叩くかって作戦でした。落車もあって、みんな口が空いてたから追いかけやすくなりましたね。調整に失敗した感じだったけど、昨日先行して脚が良くなった。記念の決勝は去年9月の取手以来です」
 2着の荒井崇博は弟弟子の頑張りに応えられず悔しさを隠せない。
 「後ろがどうなってるかは全然分からなかった。(小林に)申し訳ない、ただそれだけ。よく頑張ってくれたのに、俺が弱い」
 3着の内藤宣彦は「牛山が強かった。今日の風では回転タイプの俺にはキツい。とにかく重かった」と強風に悩まされた様子。
 逃げた小林弘和は兄弟子の勝利に貢献できず神妙な面持ち。
 「荒井さんに申し訳ないとしか言えない。かかってなかった…」


<9R>
藤田竜矢選手
藤田竜矢選手
山田裕仁選手
山田裕仁選手
   9レースの準決勝Bは「朝練でも軽かったので」と4回転にギアを上げた藤田竜矢(写真)の選択がピタリ。強風を物ともせず力強く逃げ切った。
 「風は気にならなかったし、今日は(逃げても)持つと思ってました。上手く駆けられたと思います。山田さんも付いてくれたし、あの2車が大きかった」
 関東ライン三番手を選んだ山田裕仁(写真)が直線で菊池崇訓を捕らえて2着に食い込む。
 「誰かに来られたら早めに踏んだかもしれないけど、藤田くんには任せると言ってたしね。踏んだり止めたりでキツかったけど、やっぱり調子は良いですね。今回は決勝に乗れて何とか形になった。そろそろ(今年)未勝利を脱出せんとね」
 藤田の番手を回った菊池崇訓はあと一歩のところで記念の決勝進出を逃した。
 「バックで藤田くんが掛かり切ったときには抜ける感じじゃなかった。それどころか油断してたら置いてかれるくらいでしたよ。後ろが山田さんじゃなければね。3着でもデキ過ぎ、ある意味自信になりました」
 ホームから空いた口が全く縮まなかった石橋慎太郎は「ダメですね。こういう(落車明け)ときに来ちゃ…」とガックリ肩を落とした。


<10R>
渡辺十夢選手
渡辺十夢選手
中澤孝之選手
中澤孝之選手
   10レースからは準決勝A。このレースは最終ホームから松尾淳、菊地圭尚で主導権争いになると、短くなった隊列を村上義弘が一気にまくった。
 「坂口(卓士)がホームで口が空いてたし、ワンテンポずれて来た。仕掛けたいところで神山さんと坂口がからんでたから、その分苦しかったですね。今回はデキも良いし、バンクとの相性が後押ししてくれてる。最近は準決勝で近畿勢3人が並ぶことは少ないので、3人で決勝にいけるのは嬉しい」
 2着の渡辺十夢(写真)はしっかり大役を果たしてホッとした表情。
 「村上さんが強すぎる。僕は番手から慎太郎さんが出てくるんじゃと思ってヒヤヒヤでしたよ。しっかり付いて行けてよかった」
 3着の中澤孝之(写真)は「村上がよく行ってくれた。ゴールした瞬間、吠えてしまいましたよ(苦笑)。それくらい嬉しかった。部屋で泣いてしまうかも」と表情は崩れっぱなし。
 村上のまくりに対応できず4着に敗れた佐藤慎太郎は、「余裕があればコーナーで一発持って行って、5番(渡辺)か8番(中澤)に当たれたんだけどね。悔しいというより情けない」。
 同じく優出を逃した神山雄一郎も「菊地が来るのが早くて対応できなかった。(まくった村上の対処を)慎太郎に任せたのも失敗かな。上手く対処して3着以内には入らないといけなかった」と、それぞれレースを振り返った。


<11R>
木暮安由選手
木暮安由選手
関戸努選手
関戸努選手
   11レースは稲川翔が先行。上手く中団を確保した木暮安由(写真)がバックからまくりを決め、渡邉晴智の追撃を振り切った。
 「早めに行けばラインで決まると思ってたので、良いタイミングで行けたと思います。でも後ろに地元が付いてたし、緊張しましたね。4コーナー(静岡応援スタンド)の声援も凄かった。それもあって自分も頑張らなきゃって思いました。出し惜しみせず結果1着だったので良かったです」
 木暮のまくりを捕らえられなかったが、渡邉晴智は地元勢から唯一人決勝戦へ勝ち上がった。
 「抜けなかったし、木暮が強かった。決勝戦も良いレースがしたい」。明日の決勝で地元勢連覇を狙う。
 ライン三番手に続いた関戸努(写真)は初めての記念優出に笑顔が絶えない。
 「ラッキーです。ずっとハンドルを絞りっぱなしだったけど、木暮は晴智さんの『行け』で行ってくれたので付きやすかった。あれがなければ離れてたかも。恵まれました」
 七番手から外を伸びた吉田敏洋だが届かず4着に。
 「3コーナーで前を目掛けて突っ込む作戦だったけどね。2コーナーをもっと楽に越えるようにならなきゃダメですね。それが今、越えなきゃいけない壁だな」
 稲川の先行を利した山口貴嗣は木暮のまくりを許す結末に、「僕に余裕があれば(波を作って、まくりが)来れないんでしょうけどね。弱いです」と反省の弁ばかりを口にした。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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