『静岡競輪開設56周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:2月8日


 静岡競輪開設56周年記念「たちあおい賞争奪戦」は2月8日に最終日を迎えた。11レース決勝戦は渡邉晴智が唯一の地元、そしてSS選手として強豪に相対した。レースは牛山貴広が先行すると、2コーナーから藤田竜矢が番手まくり。最後はこのライン三番手を選択した山田裕仁が鋭く抜け出した。山田は今年初勝利が記念決勝戦という勝負強さを発揮、直後に続く西王座(高松競輪場)へ弾みをつけた。

決勝戦 レース経過
 スタートで村上義弘と渡邉晴智が踏み上げたが、村上が正攻法に構える。渡辺十夢―中澤孝之の近畿勢が村上に続いて前団。中団に木暮安由―渡邉晴―関戸努、牛山貴広―藤田竜矢の関東コンビに山田裕仁が付けて後方待機。
 赤板前から牛山が上昇を開始、木暮を警戒しながら徐々に車を上げて村上の外に車を合わせると、木暮がすかさず反撃開始。木暮は打鐘前に誘導を交わしてハナに立つ。村上も中団の内に拘ると、外併走から牛山が発進。木暮は突っ張る気配が無く中団をキープした。最終ホーム手前から村上がスパートして牛山に襲い掛かると、藤田が二角から早くも番手まくりを敢行。村上は出切れずに木暮のアウトに貼りついたまま最終バックを通過。山田は終始無風のまま藤田を追走すると、四角から一気に踏み出し、鋭く伸びて優勝をさらった。藤田は末を欠き、内に詰まりながらも冷静に踏み込んだ木暮が2着に入り、粘る村上を木暮後位から渡邉晴が交わして3着に入った。


山田裕仁選手
山田裕仁選手
 前の2人(牛山、藤田)には「よろしく」と声をかけただけ。作戦すら知らなかった山田裕仁にこれ以上ない展開が巡ってきた。最終バックを絶好の番手回り。あとは藤田を抜くだけだった。
 「(前の2人が)中部ラインみたいなレースでしたね。僕は付いて行っただけで、絶好の展開になりました。昨日、(藤田の先行を三番手から抜けず)しくじって、悔しい思いをした。今日は抜けるだろうなと思ってたけど、昨日のこともあったから抜きすぎた感じ。悪いことをしたなあ」
 競輪祭で決勝に進出、今年は幸先の良いスタートを切っていたが、意外にもこれが今年の初勝利。「いいところで出てくれて良かった」と、ホッと胸をなでおろす。このあとは中3日で西王座が待っている。「もう少し(調子を)上げたい感じもあるけど、疲れを取る程度だね。頑張りますよ」。最後も余裕の表情で意気込みを話した。

 中団を取った木暮安由が2着。早い巻き返しを見せた村上に包まれ仕掛けどころがなかったが、最後は鋭い伸びで山田に迫った。
 「中団からまくる感じで考えてたんですけど、すかさず村上さんが来た。脚があるからなかなか飛ばないし、山田さんも内を締めててコースが空かなかった。反省もあるけど、良い勉強になりました。また次ですね」

 地元勢での記念連覇を狙った渡邉晴智だったが、コースが空くまでにあまりに時間がかかってしまった。最後は鋭い伸びを見せるも3着までが精一杯だった。
 「今日が一番楽でしたね。踏むところがなかったけど、木暮は頑張ってくれたし、これがレースだからしょうがない。今回は一度も3連単を外さなかったし、セッティングが出たかも」

 二段駆け態勢の関東勢に最終ホームから襲い掛かった村上義弘だったが、最後の最後に力尽きた。
 「関東がどう考えてるのかも、どんなペースで駆けるのかも分からなかった。でも、まあまあ踏んでた。あれだけ踏まれたら出番がないね」

 牛山マークの藤田竜矢は2コーナーから番手まくりを打ったが、5着で記念初優勝を逃した。
 「誰かがまくって来てもヨコはできないし、番手まくりは考えてました。終わってみればギア(昨日の4.00から今日は3.71へ)が足りなかったかもしれませんね。牛山に申し訳ない」

 逃げた牛山貴広は9着大敗も、「今日は後ろのために先行して頑張るつもりでした。かかりは悪くなかった」と納得の様子でレースを振り返った。


ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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