『一宮競輪開場57周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:11月17日


  一宮競輪場で開催中の、開場57周年記念競輪(GIII)「毛織王冠争奪戦」は3日目を迎えた。本日のメインは何といっても準決勝戦4個レース。明日の決勝戦進出を賭けた激しい争いは熾烈さを増し、各レース共に白熱した攻防を繰り広げた。伏見俊昭、渡邉晴智、永井清史、山口幸二や地元の一丸安貴らが優参を果たし、いよいよ明日決勝戦が行われる。
  連日盛況の場内イベントは明日(18日)も満載。先着1000名様に「2008年度競輪カレンダー」の進呈や、地元選手によるお出迎え、伊藤克信さんによる公開予想会、フリーマーケットのほか、垣外中勝哉選手と、競艇の原田幸哉選手によるトークショー(7R発売中)が行われます。最終日も是非本場にお越し下さい。



<6R>
浦山一栄選手
浦山一栄選手
    6レースの特選競走では、浦山一栄(写真)が久々に“らしさ”を発揮した。番手が競り合いとなったが、構わず主導権をにぎって先制すると、他の追撃を許さずそのまま押し切った。
  「良かったぁ。久々に良い感じで駆けられた。実は昨日、平原(康多)君と話してセッティングをいじってみたんです。それがすぐに結果になった。レース中も感じが良く、バック過ぎからこれならいけると思いましたよ。平原君に感謝ですよ」
  森山昌昭との競りを凌ぎ、番手を守りきった中山善仁は「競り勝ったけど、中部勢も強いし油断できなかった。浦山さんと初日も連係したけど、今日は凄かった」と浦山の競走を称える。


<7R>
 7レースは先行した松山桂輔の後位が競りとなると、後方から小松剛之がまくり追い込みを決めて1勝を挙げる。
  「前がごちゃごちゃしていたし、カマすよりもまくりでいこうと思っていた。結果的に届いたけど、仕掛けはもう少し早めでも良かったかな。松山君もかかっていたし、三角あたりがかなりきつかった」


<8R>
中塚記生選手
中塚記生選手
   8レースは準決勝C競走。決勝進出一番乗りを果たしたのは中塚記生(写真)。小泉俊也-田島高志の即席ラインの三番手からの組み立てで、小泉が果敢に先制すると最後は直線で一気に突き抜けた。
  「小泉君が積極的に行ってくれると思っていたんで任せていました。今日は鈴木(誠)さんの動きをずっと気にしていて、鈴木さんを交わさなきゃ勝ち目は無いという思いでいました。先着できて嬉しい。今日はギアを上げたけど、踏んだ感じも良いし明日もこれでいきます」
  前を任せた手嶋靖が奮闘したが、鈴木誠は惜しくも届かず2着となり優参を逃した。
  「今日は二分戦だったから、相手に誘導を使わせるレース展開にはしたくなかったが…。今日は手嶋が頑張ってくれたけど、最後はシビアに三角辺りから踏めば届いたかもしれませんね」
  積極的に先制した小泉俊也は3着。
  「作戦としては前受けを考えていたけど、取れなかったから青板から押えて早めに仕掛けようと思った。きつかったし、勝てなかったから内心悔しかったけど、記念の準決勝で主導権を握れたのは嬉しかった」と力を出し切り、表情は晴れやか。


<9R>
桑原大志選手
桑原大志選手
   9レースは、まくった佐々木則幸がコースを遮られると、咄嗟に中コースを縫った桑原大志(写真)が直線で突き抜けて快勝する。
  「前の二人を信じて付いていくだけでした。四角で内に詰まってしまったが、中コースが空いたのが見えたから、直線は思い切り踏めました。直線でこんなに抜けた事はFI戦でもあまりない。(1着は)自分が一番驚いていますよ」
  先行した西村豊マークの鰐淵正利が2着に食い込み優参の切符をゲットした。
  「西村君が強いのは知っているし、駆け方は彼に任せていました。展開もほぼ思い描いていた通りだったけどね。それでも結果2着だから良しとしないと。昨日までは状態は悪かったけど、かなり軽くなっていますね」
  佐々木則幸は、あおりを受けて態勢を崩した川島勝にコースを塞がれてしまい、まくり及ばず3着に終り「ああいう展開となっては仕方ない。ホームから行けば、また違った結果になっただろうけど、今は練習があまりできていなかったし、先行できる自信がなかった」とサバサバ。


<10R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
山口幸二選手
山口幸二選手
   10レースの準決勝A競走は、緩んだ最終ホームから湊崎裕次が単騎でカマシ、中部勢がそれを追走。菊地圭尚が後方から巻き返したが、その際伏見俊昭(写真)は連係が離れると、最後は自らまくり、大外を強襲して混戦を制した。
  「ラインを組んでいる限りは自力は封印しないといけないけど、離れたから、シビアに1着を取るレースにした。最後は直感的に判断して外に行った。吉田君がホームから行っていれば、流れが変わったかもしれないね。明日は今年で最後の記念レースだし、気持ちを入れ直して頑張ります」
  2着には山口幸二(写真)が入線。中部勢4番手からの組み立てだったが、好脚を発揮して直線で鋭く伸びた。
  「菊地が内を攻め込んできて、掬われてしまいかなりきつかった。今日は山口(泰生)が良い仕事をしてくれたし、地元の一丸くんも決勝に乗れたからいいんじゃないですか。自分自身、3日間走ってみて脚の状態は悪くない」
  一丸安貴は3着を確保。辛うじて優参を果たし地元の面目を保った。
  「北日本が粘るというのはあるなと思ったが、湊崎(裕次)さんの動きは予想外でした。吉田が湊崎さんとの距離をどんどん詰めていったし、四角からは無我夢中で踏んだ。良く伸びてくれたね。これは地元の力でしょう」
  菊地圭尚は内側追い抜きで失格判定を喫し「あそこを踏んではいけないとは自分でも分かっていたんですが…。せっかく、絶好のコンディションでいたのに勿体無いことをしてしまった」と走りを悔やむ。


<11R>
永井清史選手
永井清史選手
渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
   11レースは吉川誠-渡辺晴智が先制すると、三番手に入った永井清史(写真)が好機にスパートして快勝。
  「平原さんのダッシュが凄いので、ずっと警戒していました。先行も頭にあったけど、三番手に入ったからあとは流れで。今日は踏み出した感じが凄く良かったし、風もあまり気にならなかったからまくれるだろうとは思った。だけど山内(卓也)さんらを連れ込めなかったのが残念です」
  三角で永井に飛びつき、山内をドカした渡辺晴智(写真)が2着に入ったが「本当なら吉川の為にも止めなければいけなかった。ブロックしたかったが、飛び付くかたちになってしまった。少し踏み遅れもあったし、力不足ですね」と反省の弁が口を突く。
  平原康多ライン三番手の山田敦也が、2センターから内を突き、直線を鋭く伸びて3着に入線。
  「2センターで、あの位置からでは届かないだろうと思い、コースを探して内に行きました。本来ならば菊地さんと一緒に決勝に乗りたかっただけに残念だけど、デキは日に日に良くなっているし、今のコンディションなら狙えるチャンスですね」と記念初Vへ闘志を燃やす。
  二車ながら先行した吉川誠は「今回の開催は消極的なレースはしたくないという気持ちがずっとあった。それが今日のレースに繋がった。永井君や平原君相手に引き付けて先行できたし良かった。だけど永井君が強かった」とレースを振り返る。
  地元の山内卓也は4着で惜しくも優参を逃し「渡邉さんが強かった。惜しかった」と一言。悔しさを滲ましていた。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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