『一宮競輪開場57周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:11月18日


 一宮競輪開場57周年記念「毛織王冠争奪戦」は18日、無事全日程が終了した。メインレースの決勝戦は、V候補筆頭の伏見俊昭や、一丸安貴、永井清史、山口幸二ら中部勢の強豪が順調に勝ち上がり決戦に臨んだ。栄冠を手にしたのは果たして…。

決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると伏見俊昭が飛び出してSを取った。並びは伏見-山田敦也-渡邉晴智の東勢に中塚記生が付いて前団を形成。永井清史-一丸安貴-山口幸二-鰐渕正利に桑原大志が続いて後ろ攻めとなった。
  レースが動いたのは青板バックから。まずは鰐渕が単騎で上昇し、ガッチリと伏見を押さえてイン斬りの作戦に出た。伏見は抵抗をせず、イン斬りを受けて永井がすんなり先頭に踊り出た。中塚が切り替えたため伏見は七番手。先頭の永井はホームから本格的に踏み込んで先行態勢に入る。一気にペースが上がったため、四番手の鰐渕が離れ気味となった。これが結果的にアシストとなり伏見は苦しくなる。永井が懸命に逃げ、一丸が4コーナー絶好のハコ回りとなり地元優勝かと思われた。しかし、山口の伸びが優り、ゴール寸前で一丸を交わして優勝を飾る。後方から懸命にまくった伏見だったが、前との距離は予想以上に遠く4着が精一杯だった。



山口幸二選手
山口幸二選手

 レースは、正攻法の伏見俊昭を中部四番手の鰐渕正利がイン斬りで封じると、永井清史が打鐘からスパート。最後は一丸安貴と山口幸二のデットヒートとなったが、わずかに山口が交わしきって優勝を決めた。
「作戦はみんなで話し合った。伏見のダッシュが凄いので何とかそれを封じようと。鰐渕も頑張ってくれたし、永井のカカリも良かった。一丸君がいるのに結果的に勝ってしまい申し訳ない。だけど地元の一丸を立てて、鰐渕もイン斬りというかたちで貢献して中部を盛り立てた。あれで僕が四角過ぎに緩めたら、それこそファンに迷惑をかけてしまう。その辺を理解して欲しい」

 地元の期待を一身に背負った一丸安貴は番手絶好の展開となったが、ゴール直前、わずかの差でVを逃し2着に終わった。
  「全力を出し切ってこの結果なわけだから、力不足だったってことですね。でも中部三人で決まったから良しとしないと。鰐渕君が良いお膳立てをしてくれた。あれがなければ伏見君と永井君の踏み合いになっていただろうから。地元の記念だし、どこの開催よりも気合が入っていただけに残念だけど、来年はここでオールスターがあるし、それまでに良い課題が見つかった。今回優勝して安心するよりも、次に向けて宿題があったほうが気持ちも盛り上がる」と淡々と話す。この先、うまく切り替えが図れるかに注目したい。

 打鐘から積極的に駆けてレースを作った永井清史は3着に逃げ残った。
  「今日は作戦通りでしたね。ホームとバックで伏見さんが来なければ何とか行けると思っていました。きついけど、かかってしまえば風とかはあまり関係ないんで。中部で決められて良かったです」

 中部四番手を固めた鰐渕正利は「作戦が決まって良かった。中部から優勝者を出すにはあれが最善策」と仕事を果たして表情は晴れやか。

 伏見俊昭は中部勢の好連係に屈し、見せ場を作れずに終わった。
  「中部は4人いたし、イン斬りはあるかなと思った。ああいう展開になっては仕方ないですよ」とサバサバ。

 山田敦也は伏見との連係からチャンスを狙った。
  「菊地(圭尚)さんの分までと言う気持ちが強かったし、自身の状態も良かっただけにもったいなかった」


ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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