『一宮競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:5月7日


 朝から大粒の雨が降る中、開幕した開場59周年一宮記念「毛織王冠争奪戦」。めまぐるしく天候が変わり、バンクコンディションもレース毎に変化するような状態。落車も多発する波乱のスタートとなった。
 明日も先着2,000名様にスピードくじをお配りします。また未確定車券抽選会など様々なイベントで皆様をお待ちしております。ぜひ競輪場に足をお運びください。


<1R>
 開幕レース、1番車の小田桐義継は絶好の展開を逃し、さすがに悔しさをにじませる。
 「悔しいですね。竹山君とはA級でも連係したことがあるし、強さは身に染みて分かっているので、レース勘だけが心配なんて思っていたんですが。ずっと余裕だったし、どれだけ残せるかと思っていたら、強烈に踏み直されてしまいました」
 勝った竹山陵太は復帰後初勝利に笑顔を見せる。
 「小田桐さんのおかげですよ。楽に先手を取れたし、今日は展開に恵まれました。こうして1着を取れると気持ちも乗ってきますね」


<2R>
 ゴール前で三車が落車する混戦となったレース。1着でゴールを駆け抜けた近藤範昌も巻き込まれて負傷してしまった。三着の木村悦久まで落車し、確定板に乗った選手の内、2名が落車という結果に終わった。
 「もったいないですね。後ろから突っ込まれちゃいました。ケガは大丈夫だと思うけど、せっかく勝ち上がったんだから勝負したいですよね。最近は周りが大ギアを使っているせいで、以前のように引いてまくる競走だけじゃ通用しない。今日も途中で追い上げマークに切り替えました。何でもやる覚悟で走らないと勝てないですよ」


<3R>
 大森慶一の先行に乗った藤森茂樹がきれいな番手差しで初日クリア。
 「駆け出しがメチャメチャ苦しかったですね。一度バックを踏んで、大森を入れてやろうと思った瞬間に踏まれちゃったから追い付くまでが苦しくて…。呼吸が合わなかった感じ。最後はやっと交わしたと思ったんだけど、大森君はタレちゃいましたね」
 大森慶一はやはり積極的に仕掛けた。
 「今日は前受けから引いてカマす作戦だったし、仕掛け自体は予定通りだったんですけど、ゴール前は失速してしまいました。ここは直線が長いですね。勝ち上がれなかったのは力不足。練習してきますよ」


<4R>
 高田真幸のカマシが炸裂。他のラインは出番なしに終わった。1着でゴールしたのは宮路智裕。勝ち上がり戦での勝利に相好を崩す。
 「高田君が初めて4回転を使ったのは、走り終わってから聞いたんです。知ってたらビクビクもんでしたよ。1Rで一緒に追走義務違反をしてしまった竹山君が勝ったので、僕も負けたくない一心で頑張りました。4カ月間、気持ちを切らさず練習してきたおかげですね」


<5R>
西村豊選手
西村豊選手
   篠原龍馬が力強いカマシ先行で押し切り。「周りの選手が僕の先行で考えてくれていたので楽でした。もうちょっと引っかかりがほしい感じはしますね」と余裕のコメントを残す。
 3着に食い込んだ西村豊(写真)だが表情は冴えなかった。
 「感じ悪いですね。前回が人の後ろを回る競走だったから、レースの感覚がつかめなかった。今日もイン粘りで良かったのかもしれないけど、予選はしっかり自力で勝ち上がらないとダメだって意識が強くて、わざわざ苦しいレースをしてしまいました。一丸さんに申し訳ないですね」


<6R>
安東宏高選手
安東宏高選手
   小川将人は大事な地元での初戦を、薄氷を踏むような競走でしのいだ。
 「危なかったですね。とにかく早く外をドカしたかったんだけど、前が踏まないから外を弾いても飛ばないんで我慢するしかなかった。感じは悪くないんですけどね。3着までに入れたのは大きいですよ」
 先行したのは安東宏高(写真)。着には残れなかったが、レース内容には納得の表情。
 「あそこまで行ったら僕も駆けますよ。踏んでいれば飛びつけるかなっていうのもあったし。残れなかったのは力不足というだけ。出し切れたので、明日からも頑張ります」
 勝った島田竜二は「展開が全て。安東君のおかげです」と満面の笑顔を見せる。


<7R>
榊枝輝文選手
榊枝輝文選手
   乾準一と新鋭・笹倉慎也の先行対決は、残り2周から踏んだ笹倉が主導権を握った。レースがハイピッチで流れ、大内達也が渾身のまくりを放つと、榊枝輝文(写真)が伸びて1着。
 「ようやく感じが戻ってきました。去年11月の四日市で落車して、ダービーの賞金もボーダーだったので無理に走ったのが祟りましたね。なかなか調子が戻らなくて苦しみましたが、今日の1着で吹っ切れた感じがします」
 大内達也は苦笑いしながら「選抜戦はキツいですね。中団は取れたけど、乾君がまた来るんじゃないかと思ってビクビクしてたら一杯になっちゃいました」


<8R>
後閑信一選手
後閑信一選手
   後閑信一(写真)はケガから復帰後初勝利を挙げた。
 「正直、ホッとしましたね。痛みはないし、これからは場数をこなしていけば大丈夫でしょう。今日も、久しぶりに番手で回ってきて、どれだけ踏めば残しながら交わせるかが分からなかったんですよね。いつもならスッと交わせるのに、最後はハンドルまで投げちゃいました(笑)」
 駆けた岸澤賢太は「まだちょっと落車の影響がありますね。でも先行で力を出し切って結果を残せたし、後閑さんとのレースを決められて良かった」


<9R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
   最初の特選競走を制したのは山賀雅仁だ。最近の好調ぶりを象徴するようなレースで、駆ける稲垣裕之を直線だけで捕らえた。
 「何だか落ち着いて走れました。変に中団へ追い上げるよりも、下げてじっくり構えた方が良いと判断できました。内藤君には悪かったですけどね。今日の感じなら、明日はもっと良くなるはず。セッティングとかも含めて、もう少し試せますね。物足りなさを感じるまで、ギアも4回転で行くつもりです」
 2着の稲垣裕之(写真)はまくられた結果を冷静に受け止め「山賀君は絶好調やし、大ギアのまくり追い込みはどうしようもないから仕方ない。僕は先行した感じも良かったし、フレームの感触もすごく良かったので問題ないと思ってますよ」


<10R>
佐竹和也選手
佐竹和也選手
   意表を突く先行策を見せた田中誠が主導権を握った。人気の新田祐大、石橋慎太郎がともに不発。最後はインコースを突っ込んだ志智俊夫が1着をさらい、高配当での決着となった。
 「レース勘も体も大丈夫ですね。だいぶ点数を落としてしまったし、1円でも多く稼がないといけないので必死ですよ」
 佐竹和也(写真)は初の優秀戦行きを決めたが「アカンね。ずっと感じが悪い。練習では多少マシになったと思ったんだけど、レースになると…。今日は運が良かっただけ」と渋い顔。
 石橋慎太郎もレース後は眉間にシワを寄せ、「今回は長引きそうですね。何とか立て直したいけど、ここまで悪くなったことはないから…。落車後もここまで力が入らなかったことはないですよ」とだけ語り控え室へと引き上げた。


<11R>
柴崎淳選手
柴崎淳選手
   最後は地元の山内卓也がしっかり締めた。柴崎淳との連係から1着。地元記念初制覇に向け幸先の良いスタートを切った。
 「今日は作戦通りですね。でも柴崎君の踏み出しは強烈でしたよ。あれで抑えめだって言うんだから、明日以降も恐ろしいですよ。状態は問題ないですね」
 柴崎淳(写真)も納得の競走ができたと語る。
 「体調は問題ない。風邪といっても体はだるくないので。考えていたとおりの競走ができました」
 3着は爲田学。インコースをしっかり踏んで、最後のひと伸びで優秀行きをゲットした。
 「来る前の感じが良かったから、それが出てくれた感じ。前回の松戸で同期の三和英樹さんにセッティングを見てもらったおかげですよ。長野は選手が少ないので、普段は一人で練習してるんですが、自転車の事を相談する相手もいないので、本当にありがたいですね」
 池田勇人は複雑な表情。先行態勢には入ったが、「バックも取れなかったんで何とも言えない。走ってる感じはそんなに悪くないんですけどね」。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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