『一宮競輪開場62周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:10月25日
 一宮競輪開場62周年記念「毛織王冠争奪戦」が今日から開幕した。一次予選は伏兵の台頭が目立ったが、後半戦は本命選手がきっちりと人気に応えた。明日は特選を制した新田康仁、佐藤友和、浅井康太の3人が優秀競走「織姫賞」で激突する。
 明日も場内では車券勉強会や競輪選手とゲームで対決するイベント、日本競輪選手会愛知支部による「ギヤ乗り比べ」など、多彩な催しで開催を盛り上げます。ぜひ、一宮競輪場でお楽しみください。
<1R>
井上嵩選手
井上嵩選手
 オープニングレースを制したのは井上嵩(写真)だ。ホーム手前から一気のカマシで後続を引き離すと、そのまま力強く押し切った。
 「ホームが追い風だったので、そこでスピードに乗せるだけ乗せておこうと。踏んだ感じは良かったです。でも、最後はいっぱい。1レースだし、身体があまり動かなかったですね。走っていくうちに上がるタイプなので、明日以降はもっと良くなると思います」
 ケガからの復帰戦となった森内章之が2着に突っ込み、波乱を演出した。
 「練習はちゃんとやってきたので、今回は手応えがあった。(高木)竜司が下がってきて、自分も下がってしまったからね。もう1車ぐらい進んでくれれば、アタマまでいけたかもしれない」

<2R>
西村光太選手
西村光太選手
 西村光太(写真)が後続のもつれを尻目に堂々の逃げ切り勝ち。久々の勝ち星を挙げた。
 「今日はそんなに緊張しなかった。前の2人がめちゃくちゃ踏んでいたので、絶対に粘ると思いました。出るのに脚を使ったけど、そこからペースで踏めました。今日は展開ですね。状態的にはまだ本調子とは言えない」
 飛び付いた戸田洋平が番手を奪って2着に入った。
 「地元には申しわけなかったけど、自分も負けられないので勝負しました。6番(川田忍)に内をすくわれて、アンコになってしまったし、しんどかったです。何とかしのげた感じですね」

<3R>
 東龍之介のまくりに乗った白戸淳太郎が直線で大外一気。ゴール前の混戦を制した。
 「厳しい展開でしたけどね。東君は3コーナーで止まっちゃうと思ったけど、諦めずに踏んでくれましたからね。前のおかげです。伸びは悪くないし、調子もいいと思います」
 東龍之介は後方7番手から外、外をしぶとくまくり上げて3着に食い込んだ。
 「主導権を取れなかった時点でレース内容は全くダメですね。まだまだ甘い。あんなレースになってしまい、後ろの先輩に申しわけない。初日で終わりたくなかったので、気持ちだけで踏んでいました。明日はしっかり主導権を取ります」

<4R>
 高橋和也が逃げて、中団はもつれる。中部ペースかと思われたが、番手の林巨人が石川雅望をけん制したときに落車。これを避けた高木和仁が鋭く追い込んだ。
 「思ったよりもゴチャつきましたね。富永(昌久)君が中団にこだわってくれたおかげ。目の前で落車があってびっくりしたけど、無意識に避けてました。運が良かっただけですね。最近は良かった頃の状態にだいぶ近づいていますね」
 逃げた高橋和也は3着で勝ち上がりを決めた。
 「中団併走をさせるつもりで踏んだし、バックまでは良かったんですけどね。林さんが失格してしまったのが残念。ギアを落として感じは良かったです」

<5R>
飯田辰哉選手
飯田辰哉選手
 蒔田英彦の先行を竹澤浩司がひとまくり。後続を千切っての圧勝劇にも笑顔はない。
 「後ろが初手から競りになってしまったのが…。カマシかまくりを考えていたけど、もっと早くいかないとダメですね。後ろの先輩を連れ込めなくて残念。素直に喜べないですね。踏んだ感触は悪くなかったです」
 蒔田の逃げを利した飯田辰哉(写真)が2着に入った。
 「竹澤君の後ろが競りだったので、ああいう展開になると思っていました。ちょっとスピードが違いましたね。蒔田君が頑張ってくれたおかげ。状態は問題ないです」

<6R>
 先制した岸澤賢太の番手にはまった松岡孔明が直線で力強く抜け出して快勝した。
 「斬って中団と思っていたけど、ああいうレースになってしまいました。自力じゃないから状態は分からないですね。岸澤君はかかっていたので、このまま付いていれば大丈夫だと思いました。やっぱり一宮は相性がいいですね」
 古川圭が完璧マークで2着に流れ込んだ。
 「松岡君がいいレースをしてくれました。強かったです。前回は展開が最悪だったけど今日は良かったですね」

<7R>
 展開がもつれて混戦レースに。3番手からまくった松谷秀幸は不発。その後ろから松坂英司が鋭脚を発揮した。
 「松谷君が前で全部やってくれました。自分はコースを探して踏んだだけ。今日は一宮にしては風が穏やかで、自分に向いてくれた。明日も同じような天候で走りたいですね」
 鈴木誠が番手絶好展開を生かして2着に踏ん張った。
 「安部君が前で頑張ってくれたおかげ。最後はタレてきていたので難しかったですね。状態は問題ないと思います」

<8R>
阿部康雄選手
阿部康雄選手
 人気の矢口啓一郎が打鐘から果敢に逃げて別線をシャットアウト。番手の阿部康雄(写真)が粘る矢口をゴール前できっちり捕らえた。
 「1周半駆けてくれましたからね。ダッシュがすごい。踏み出しで少し空いてしまいました。めったにないチャンスなので最後は思い切り踏みました。矢口君の番手ジカは久しぶりだったけど、ちょっと付かない間に先行の腕を上げましたね」
 矢口啓一郎は別線に付け入る隙を全く与えなかった。
 「踏む距離がさすがに長かった。きつかったですね。最後はいっぱい」

<9R>
新田康仁選手
新田康仁選手
 吉田敏洋と永澤剛で激しい主導権争い。新田康仁(写真)が3番手確保から好回転でまくって圧勝した。
 「最低でも中団確保と思っていたけど、うまく3番手が取れました。前でやりあってくれて展開が向きました。仕掛けのタイミングは少し悪かったんですが、何とか乗り越えられました。脚の状態はいいですね。残り3日間もベストを尽くします」
 先制した吉田の番手から追い込んだ山内卓也が2着で優秀競走に進出した。
 「今回は不思議なぐらい落ち着いて迎えることができた。今日は敏洋のおかげです。真後ろに新田さんに入られて厳しかったですね。止まるスピードじゃなかった。準決が決まってホッとしています」
 まくられた吉田敏洋だが、表情は明るい。
 「思い切ったレースはできました。中途半端なレースをして負けるよりも、この方が安心して明日のレースを走れます。フレームを戻して不安もなくなりました」

<10R>
加藤圭一選手
加藤圭一選手
 佐藤友和が6番手外併走から豪快にまくって完勝。力の違いを見せ付けた。
 「外併走でも、そんなに苦しくなかったです。6番(田中誠)に勢いをもらえました。思ったよりも車は伸びてくれました」
 田中晴基が軽快に主導権を握り、南関の追い込み選手2人が優秀戦に勝ち上がった。2着の加藤圭一(写真)は田中に感謝しきり。
 「田中君が頑張ってくれたおかげです。車間を斬ってきつかったですね。田中君は見えたけど、佐藤君は分からなかった。その展開でも来ちゃうんですね」
 田中晴基は格上相手に持てる力の全てを出し切った。
 「いい感じで駆けられました。もしかしたら残れるんじゃないかと思ったぐらい。力は出し切れたし、状態もいい。明日以降が楽しみです」

<11R>
加藤慎平選手
加藤慎平選手
 細切れ戦で出入りの激しい流れになったが、浅井康太が快速まくりできっちり人気に応えた。
 「前々回の防府は悪かったけど、前回の熊本は感触が戻っていた。今日は緩んだところから一発勝負と思っていたんですが、落ち着いて仕掛けられました。調子は良かったです。今日はまくりだったので、明日は逃げて感触をつかみたいですね」
 加藤慎平(写真)がしっかり続いて2着をキープした。
 「今日は特に集中して走りました。展開的にいい踏み出しになりそうだったし、それでもしっかり付いていけたんで良かったです。落車明けでここが復帰戦のつもり。明日は3番手で少し気が楽ですね」
 濱田浩司はホーム8番手から巻き返したが、3番手の荒井崇博に合わされて沈んだ。
 「詰まってからの仕掛けで遅かったですね。スピードは良かったけど、バック向かい風で失速しました。流れにうまく乗れなかったです」
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