『一宮競輪開場62周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:10月28日
 一宮競輪開場62周年記念「毛織王冠争奪戦」は10月28日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。朝から冷たい雨が降ったり止んだりする生憎の空模様となったが、バンク上では熱い戦いが繰り広げられた。注目の決勝戦は佐藤友和がまくり追い込みで突き抜けて完全優勝。前回の熊本に続き、記念連覇を果たした。
決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると小倉竜二がいち早く飛び出してスタートを取った。初手は佐藤友和-園田匠-小倉が前受けし、中団には浅井康太-山内卓也-笠松信幸、小嶋敬二-加藤慎平-金田健一郎が後ろ攻めとなった。
 周回が進み、赤板周回の4コーナーから小嶋がゆっくりと上昇をはじめ、一旦中団で蓋をしてからバック線を目掛けて、カマし気味に叩きに出た。ジャンが鳴り小嶋が先頭に立つと、引いた佐藤は中団に収まった。すると、7番手に置かれた浅井が最終ホームから巻き返しに出る。小嶋が懸命に逃げるなか、巻き返した浅井が番手を上げて行き、バックで小嶋を捕えた。一方、3番手の笠松が踏み出しで離れたため、浅井、山内の2車を目掛けて佐藤も猛追していく。直線に入り、最後は佐藤が外を力強くまくり切って優勝。力比べを制した。必死に追い込んだ山内だったが2着で地元Vならず。3番手から小倉が鋭く伸びて3着に入った。


佐藤友和選手
佐藤友和選手
 1人だけデキが違っていた。初日から圧巻の走りで完全優勝。佐藤友和(写真)の強さだけが印象に残る4日間だった。決勝は楽な展開ではなかったが、最後は外を鮮やかに駆け抜けた。
「小嶋さんに斬られて、その上を浅井君にいかれる展開が嫌だった。それだと届かないですからね。だから1回突っ張りました。浅井君が来るのは分かっていたので、あとはその後ろに付いていって、どこまでいけるか。けっこう苦しかったですけど、勝てて良かったです。車券も自分から売れていましたからね」
 これで前回の熊本に続き、記念連覇をあっさりと達成。連勝を6に伸ばした。しばらく勢いは止まりそうにない。
「今年の初めに立てた計画通り順調にきている。最近は競走の中で強くなっている感じがします。来月は競輪祭もあるけど、その前に記念が2本ありますからね。一戦一戦を大事に走ります」

 地元の山内卓也は4角絶好のハコ回り。悲願達成は目前のところでその手からスルリとこぼれ落ちた。
「浅井君が頑張ってくれたんですけどね。地元の期待に応えられずに申しわけなかったです。普通なら抜けば優勝の展開でしたけどね。それだけ友和が強かったということでしょう。あと1年間、しっかり練習します」

 浅井康太は最終ホーム手前からロングスパート。前団をあっさり抜き去ったが、最後は力尽きた。
「打鐘で前が踏み合って、追いかけるのに脚を使いましたね。無理やり仕掛けた感じなので、すごいきつかったです。1周ちょっとは長い。後半はタレる一方でした」

 佐藤ラインの3番手から小倉竜二が3着に突っ込んだ。
「優勝するなら緩んだところで切り替えるしかなかった。でも、ラインを組んだ以上はね。あの展開では3着がいっぱいでしょう」

 小嶋敬二は佐藤の動きが誤算だった。
「まさか友和が突っ張ってくるとは思わなかった。あれで踏まされてしまった。あのタイミングで出ても流せないし、まくられたらしょうがないと思って逃げるしかなかった」

ゴール
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