『名古屋競輪開場72周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:3月2日
 名古屋競輪場を舞台に開場72周年記念「金鯱賞争奪戦(GIII)」が、3月3日にスタートする。春到来を告げる穏やかな天候の下、2日の前検日には参加106選手が集結。明日からの戦いを見据えて準備に余念がなかった。直前に主力選手の欠場が相次いだのは残念だったが、誰よりも責任感が強い松浦悠士の追加参戦で引き締まったシリーズとなりそう。地元の中部地区はエース浅井康太の存在が心強い。
 なお、本場では、開催の4日間を通して近藤幸徳さんをはじめとした愛知支部OB予想会、山口幸二さん予想会が予定されていますが、「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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 阿部大樹は前回大宮で、同期同級生の脇本雄太と2度対戦。決勝は関東4車の先頭で風を切った。
 「(脇本は)力が違い過ぎましたけど、決勝の前は対戦するのが楽しみでしょうがなかった。こんなに力が違うのかと思って、モチベーションは上がりました。最近は点数が安定してきて、モチベーションをどう上げれば良いのか分からなくなってきた。そこで気持ちを上げられたので、そういうレースを見せられたら」
 中井俊亮は2月地元記念でまさかの一次予選敗退。ただ、3日目以降は連勝で締めくくり、続く岸和田も優出と軌道修正した。
 「(地元記念は)悔しい記念ではあったけど、連勝で終わることができたし上向きではあります。岸和田の後もいつも通りの練習ができたので状態は変わらずです」


<2R>

高橋和也選手
高橋和也選手
 地元の高橋和也(写真)は本来の自力戦ではなく、山田諒を目標に得た。近況は番手戦も増えてきており、ここもチャンスをモノにしたい。
 「歳をとってくるに連れて戦法も変わってきて、人の後ろも増えてきましたね。初日から番手戦っていうのはなかなかないけど、不安はないです。吉田(敏洋)さんや、笠松(信幸)さんの欠場は残念ですけど、その分も頑張りたい」
 大西貴晃は直前の2月小倉で準Vと成績が安定してきている。
 「去年の(12月)別府から新車を我慢して使っていたんですけど(1月)奈良から元々使っていたものに戻してよくなってきた。名古屋はA級でも優勝があるし、イメージのいいバンクです」


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 愛知期待の大砲である藤井侑吾が地元記念に初登場する。
 「2月は大垣と平で決勝に乗れたし、四日市も決勝には乗れなかったけど内容のあるレースができていた。そういう意味では良い流れで地元記念を迎えられました。準決勝には乗りたいですね。地元の先輩方の欠場は残念ですけど、変わらずに自分のレースをしたい」
 近藤夏樹は白星こそ少ないが、最近は安定した成績を残している。
 「最近はまとめられていますね。ただ、点数が上がるに連れてバック本数が少なくなってきている。積極的にいった方がいい場面もありますけど、みんな強いのでレースに応じて組み立てていくスタイルになっている。初日も臨機応変にいきたいですね」


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石塚輪太郎選手
石塚輪太郎選手
 石塚輪太郎(写真)は今年に入って3場所で7勝の固め打ち。初日は小森貴大に前を任せてのレースになった。
 「小森さんとは3、4回くらい連係があって、全部自分が番手を回っています。1着も取らせてもらっていますね。初日も話をして、自分が番手になりました。最近は前のおかげっていうのもあるけど、流れがいい。奈良記念から使っている新車がいいですね」
 昨年S級に復帰した磯島康祐は1着も増えて、徐々にレースに順応してきた。初日はタイトルホルダーの佐藤友和を背に、奮起したいところだ。
 「ちょっとずつ1着を取れるようになってきましたね。調子的にも悪くないと思います。初日は(佐藤)友和さんが後ろなので緊張感がありますね。近畿が強力だけど、自分も前に攻めて迷惑をかけないようにしたい」


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 このレースで競走得点トップは大槻寛徳。落車後からまだ1着こそないが、復調の兆しは見えてきているようだ。
 「去年12月の取手で落車してからずっとよくなかったんですけど、前回の3日目にシューズのサンをいじっていい頃の感覚に近づいてきた感じですね。結果は2着ですけど、コースを見て突っ込めたので。徐々によくなってきていると思うのでここから上げていきたいですね」
 前回の2月小倉を欠場した近藤龍徳は、地元記念に向けてどこまで調子を戻せているのか。
 「前回は体調が悪くて大事を取って休んだって感じですね。体調が大丈夫そうならここに向けて練習をしようと思っていたけど、そこまで納得のいく感じではなかった。状態的には半々くらいかな」


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 山下一輝は前回の2月四日市で昨年11月地元記念以来の優出を果たした。
 「久し振りに決勝に乗れましたね。FIで言えば、7月のここ(名古屋)で決勝に乗って以来だったので、半年ぶりくらいの決勝でした。自分の調子っていうよりも前が強かったって感じです。連れていってもらいました。それに、決勝は飛び付かれてさばかれてしまったし、まだまだそういうところが甘いです」
 木村弘は徹底先行のスタイルを崩さず、1月立川記念で優出するなど結果を残している。
 「今回は直前に練習した感じもよかったですね。名古屋はS級で初めて決勝に乗れたバンクなんですよ。だから相性もいいと思います。9車立てでも戦えるってところを見せていきたいですね」


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吉田昌司選手
吉田昌司選手
 竹内翼はFIの予選では力を示しているものの、準決勝での足踏みが続いている状況。久し振りの9車立てで、現状を打破するきっかけをつかみたいところだ。
 「最近は準決になると決勝に乗らないとって気持ちが出てしまって思い通りのレースができていない。調子自体は悪くないので、気持ちの問題だと思うんですよね。変に勝たなきゃって思ってしまう。久々の記念で流れのある9車を走れるので、変えていきたいですね」
 吉田昌司(写真)は半年間のA級戦を経て1月にS級に復帰。2月京王閣、続く大宮では力強さが際立っていた。
 「大宮は風が強くてずっとキツかったですね。本当は脇本(雄太)さんと戦ってみたかったので、決勝に上がりたかったですね。ずっとバックを取っているけど、たまたまですよ。逃がされているっていうのもある。初日は伏見(俊昭)さんが付いて下さるし、責任重大ですよ」


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不破将登選手
不破将登選手
 大石剣士は追加で走った全日本選抜競輪を9着3回と大叩き。だが、将来有望な若手にとっては、それも大事な経験だろう。
 「全日本選抜は急な追加だったし、本当ならもっと仕上がっている状態で走りたかった。成績は悪かったけど、出場が決まっているダービーに向けてもすごくいい勉強になりました。取手では流行りの大きいサイズのフレームを使っていたんですけど、自分にはまだ合っていない。今回は元のフレームに戻します」
 不破将登(写真)は1月大垣から、予選は4勝、5連続連対中だ。初日は同県の長尾拳太との連係から勝機を見出す。
 「ちょっとずつ成績も上がってきましたね。感じは本当に上がってきています。かみ合ってきたって感じですね。一時期はひどかったし、気持ちも下を向いていたので。長尾君とは何回か連係があるし、頑張りたいですね」


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原口昌平選手
原口昌平選手
 ここは福岡コンビが人気を集めそうだ。前を回る原口昌平(写真)は1月大宮記念でGIII初優出を決めるなど、着実に力を付けている。
 「最近は単純に脚で勝負して勝てないような相手には、脚じゃないところで勝負していくようにしています。ただ、その分積極的にいけていない部分がある。吉本(卓仁)さんには前回の決勝で迷惑をかけてしまったし、今回は積極的にいきたい」
 番手回りの吉本卓仁は2月高知、続く小倉で原口と3度連係して1着2回。好相性の後輩をリードして決め脚を発揮したい。
 「原口君とは最近連係が多いですね。力を付けていると思いますよ。ちょっと淡泊なところはありますけどね。でも、そういう面も含めて自分と脚質が似ているのかなと思う」


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嘉永泰斗選手
嘉永泰斗選手
 嘉永泰斗(写真)はGI初出場だった取手全日本選抜で、勝ち上がりを連勝して3連対の特大ヒットを飛ばした。勢いのままに、今節も結果を残したい。
 「(全日本選抜は)結果だけ見れば初出場にしては満足できる結果でした。ただ、脚力的には満足していないです。準決勝もタテ脚で勝負できていなかったので。自分は9車の方が好きですね。流れもあるのでやりやすいです」
 嘉永と連係実績ある小岩大介が番手を務める。
 「嘉永君は勢いがありますよね。自分も調子は悪くないです。今回から新車にします。練習では1回乗ってみたんですけど、悪くないです。レースに乗りながらセッティングを合わせていきたいです」


<11R>

 隅田洋介は前回大宮の決勝で脇本雄太と対戦。番手まくりの上をまくられてしまったが、勝ち上がりのレース内容は光っていた。
 「前回は普段より長い距離を踏めたし、しっかりと出し切れたと思います。感覚的にも悪くなかったですけど、脇本(雄太)さんが強かったです。自分は重いバンクの方が好きなので、気温が上がって周りのスピードも上がり過ぎるとなかなかチャンスがこなくなって厳しいですけど、頑張ります。同期の鈴木(竜士)君とは立川記念の最終日に連係して以来ですけど、その時は巧く決められなかったので、今回は2人で決められるように頑張りたいですね」
 森山智徳は2月広島を連勝で優出し、決勝も2着。続く小倉は勝ち上がりこそ逃したが、最終日は豪快なまくりで白星で締めた。
 「小倉は初日が人の後ろだったっていうのもあって、自分の展開になりませんでしたね。ただ、今のままじゃ駄目だと思ってしっかり練習はやっている。やっとよくなってきたし、楽しみなので初日はやれるだけやってみます」


<12R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 全日本選抜準Vで今年のGI戦をスタートさせた松浦悠士(写真)。そこから中6日での追加参戦だ。初日は4車ラインの先頭で戦うこととなった。
 「全日本選抜から間が空くので、追加が入ればいいなと思っていたんですよ。なのですんなりと受けました。GIの疲れよりも、花粉症が気になりますね。収まってくれればいいんですけど。中本(匠栄)さんも付いて下さって4車になるので、最終バックを取るイメージでいきたいですね」
 中国コンビは清水裕友が番手となった。清水が松浦の番手を回るのは、11月防府記念の初日特選以来だ。
 「前回の感触は悪くなかったんですけど、車の進みがイマイチでした。松浦さんの番手は久々ですね。気合を入れて頑張ります」
 眞杉匠は全日本選抜で準決勝に進出。4日間バックを取る競走で、持ち味は存分に発揮した。ここは単騎となったが、どんな運行を見せるのか。
 「全日本選抜は、全部積極的にいけたし、開催中はずっとキツかったんですけど終わってからは疲れも取れたし、練習もしっかりできました。単騎はあまりないですね。覚えているのは去年の共同通信社杯の初日かな。どこかでしっかり仕掛けたいですね」