『開場58周年記念名古屋競輪(GIII)レポート』 前検日編
 
配信日:2月29日



 明日3月1日から、名古屋競輪開場58周年記念競輪「金鯱賞争奪戦」が開催される。山崎芳仁の欠場で、小嶋敬二が断トツのシリーズリーダーとなりそうな様相だが、神山雄一郎、渡邉晴智、小野俊之、海老根恵太、兵藤一也らの精鋭が各地からそろい、見応えある競走が繰り広げられそうだ。
 なお、場内では各種イベントが多数開催。明日はブランド品や現金のあたる抽選会や、フリーマーケット、餃子販売、選手会主催によるたこ焼きの販売などが行われます。是非とも本場の方へお越しください。




<1R>
 1レースの筒井裕哉早坂秀悟は今期初のS級戦。ともに予選、準決勝突破に苦戦しているが、それでもA級時代同様、積極的に主導権を狙う姿は好印象だ。
 筒井が「先行にこだわるし、持ち味を出し切れれば。早坂との主導権争い?彼も狙ってくるだろうしそれは分かっていることですから」と話せば、早坂も「A級からやっている事だし、S級でも(先行するのは)変わらない。流れや展開にもよるけど迷いは無い」ときっぱり。両者の動向に注目したい。


<2R>
 2レースの高橋隆太は1月昇級後、今回が初の記念参戦。前回の2月取手Sでは初めて準決勝まで駒を進めた。
 「昇級当初は戸惑いもありましたけど、今はようやくS級ペースに慣れてきた感じ。記念は初めてだけどあまり気にしないようにしています。気にしすぎるとそれだけで疲れちゃうから」


<3R>
服部克久選手
服部克久選手
   3レースに出走する服部克久(写真)は、ケガをした同県・松岡孔明の代わりの追加参戦。前回は東西王座のF I 戦、そして今開催の直後に正規配分の玉野記念が控えており大忙しだ。
 「疲れはあるけどそれはあまり意識しません。今は負けグセが付いているから、それを打破する事に集中しています。来期はA級だし、またS級に復帰するためにはいまやるべき事をしっかりやっておかないといけない。強い人の集まる記念では尚更です」


<4R>
  4レースからは西徹をピックアップ。二月豊橋記念そして前回の久留米Sでは1勝ずつを挙げたが、ともに高額配当を叩き出している。穴党にとっては見逃せない一車となりそうだ。
 「練習も変わらず順調に出来ているし、自身の状態も良いと思う。あとは仕掛けのタイミングや展開次第かな。流れがどう来るかですよね」


<6R>
 6レースからは選抜戦がスタート。守田秀昭は2月防府Sで久々の優勝を飾った。2月久留米Sでも優参しており、ここ最近復調急だ。
 「練習を変えたとか、大きな変化は特に無いんですよ。連日展開が向いているし、それをうまくモノにしただけです。今回も流れが向けば!」
 岡田征陽は「昨年くらいから、上向いた状態をそのままキープすることが出来るようになった。ここ数場所はイマイチだけど、デキ自体は悪くないんです」と話す。流れさえつかめれば、好走が期待できそうだ。


<7R>
佐藤朋也選手
佐藤朋也選手
    7レースの佐藤朋也(写真)は、今年に入ってまだ優参が無いのが気がかりだが…。
 「冬季移動先の取手でかなり充実した乗り込みが出来ているし、状態自体は良いんです。ただ最近は、積極さを欠く競走が多かったかもしれない。久々の記念だし、そこら辺を強く意識して走ります」
 佐藤を迎え撃つ原真司は「練習は十分できたし、状態は万全。地元地区だし負けられませんね。しっかりと集中して頑張る」と意気盛ん。最近は初日を白星で突破するケースが多く、ここも見逃せない。


<8R>
柴崎淳選手
柴崎淳選手
   8レースの柴崎淳(写真)は気合十分。前回の豊橋記念は欠場しているだけに、今回にかける思いは強い。
 「豊橋は風邪を引いてしまい休んでしまいました。それだけにしっかりと見せ場を作らないといけませんよね。ここの前に四日市Sを一本走ったけど、初日に逃げて3着だし、最終日にはまくりでだけど1勝できた。身体は出来ていますよ」
 一方、最近大きい着を叩き成績を落としている中村美千隆は「腐らずに練習はしっかりとしているんだけど、結果が噛み合わない。きっかけをつかみたいんだけど…」と歯切れが悪い。


<9R>
渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
   9レースからは特選3個競走。  2月豊橋記念を制し、直後の東西王座戦でもきっちり優参するなど近況充実している渡邉晴智(写真)は、この先の地元ダービーへ向けて絶好のパフォーマンスを披露して、好調をキープしている。
 「ダービー出場組で集まって、ここに来る直前まで競輪学校で合宿を張っていました。疲れはかなり残っています。ただ明日は、豊橋記念でも連係した海老根君がいるししっかりやらないとね」
 海老根恵太は「今の季節は、古傷のヒザの痛みがたまに出るんですよ。最近はそれが無いし状態としては良いですね。前回の地元での優勝も励みになっています」と近況を説明する。
 手島慶介は急遽、追加参戦となった。
 「昨日の昼過ぎに急遽、追加の電話をもらいました。東西王座終わってすぐだから、疲れが抜けなくて…。明日以降、戻っていればいいですけど」
 小野俊之は地元開催となった東西王座戦で痛恨の失格判定を喫したが、気力は充実している。
 「脚の状態は完璧。セッティングも合っているし、東西に向けて上げていった“気持ち”の面も充実しています。この先ダービーがあるしそこへ向けて今やれる事をやっておきたい。それに前回はお客さんに迷惑をかけているしね」


<10R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
   10レースには地元の吉田敏洋(写真)が登場。昨年末辺りから徐々に調子が上向いていると話す。
 「昨年は点数がかなり下がったし、落ちるところまで落ちた。対戦する相手にもナメられていましたね。だけど去年の秋過ぎからようやく身体が動くようになった。このコンディションを作り上げるまで時間が掛かりました。前回の佐世保記念で決勝に乗れたけど、記念の決勝に乗ったのは2年前のここ以来だった。今回も絶対に乗りますよ」
 吉田マークは濱口高彰。今年は大宮、奈良の両記念で優参すると、前回の東西王座では準決白星突破で優参して決勝3着に入った。高いレベルで戦績が安定している。
 「東西の決勝で永井(清史)から離れてしまったのがすごいショックでノイローゼになりそうなくらいだった(苦笑)。帰ってからはあまり時間が取れなかったけど、かなり乗り込んできましたよ」
 濱口と同じく東西王座決勝に進出した小倉竜二は「(東西王座決勝は)2着に入れる展開だったし、あれは悔しかった。帰ってから1日しか練習していないけど、感触は良かったし今は上がり目ですよ。濱田(浩司)と連係するのは久しぶり。どんな走りをするか期待しています」と自信を深めている。
 神山雄一郎は「平原(康多)の欠場は残念だけど、そこはうまく切り替えないとね。ダービーへ向けて? もう若くないし、その辺はあまり意識はしていません。一戦、一戦を大事に行きます」と淡々と話す。


<11R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
   11レースには今開催のシリーズリーダー・小嶋敬二(写真)が出走。山崎芳仁、平原康多の両機動型の欠場で、圧倒的に優位に戦えそうだ。ただ東西王座を終えてから、まとまった練習時間が取れず、調整不足を口にする。
 「東西を終えてから、バタバタしていてまともな練習が出来ていないんですよ。ホント調整程度しかやっていない。モガいていないし、一走してみないことには調子の良し悪しは分かりませんね。明日の競走を見てから判断しますよ」
 小嶋と連係する一丸安貴は「地元バンクの舘(泰守)がいるから、本当なら俺が三番手と思ったけど、舘が『三番手で良い』と言ったのでね。2月四日市Sでも決勝に乗っているし、自分の調子は戻ってきている。明日はしっかりと付け切ります」と気合を入れる。
 S級S班の意地を見せたい兵藤一也は「東西王座では決勝に乗れずに残念だったけど、最終日にまくりも出たし脚的には何にも問題は無い。あとはいつも通りやっていくだけ」と静かに闘志を燃やしている。
 友定祐己は同県同期同学年の立花成泰とタッグを組んで打倒・小嶋を目指す。友定は「話し合った結果、俺が前でと。F I 戦では自力も多いし、今は自分の動きが良いと感じているから」と自信を持つ。立花も「初日は脚を残しておきますよ(笑)。友定の調子が良いから千切れないようにしないとね。彼に付く以上は俺もそれなりの競走をしますよ」と意気込む。両者が小嶋にどう立ち向かうか注目だ。
 明田春喜は小嶋と初対戦だ。
 「ギアをいじったりと色々考えながら競走しますよ。俺も状態がいいし頑張ります」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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