『名古屋競輪開場59周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:3月28日


 今日から名古屋競輪場で開場59周年記念「金鯱賞争奪戦」水素力杯・ドラゴンゲートカップが開幕した。オープニングの1レースから3連単23万円の高配当が飛び出す波乱の幕開けとなったが、メーンの特選は木暮安由、小嶋敬二に渡邉晴智が快勝。明日は「太閤賞」をメーンに、二次予選A、Bで準決勝進出を争う。
 明日はガールズケイリン予選が3、4レース発売中に、決勝戦が6レース発売中に開催されます。初日に引き続いて、ど真ん中祭や長尾麻由さんのトークショー&握手会が5、9レース発売中に行われます。明日もぜひ名古屋競輪場へご来場ください。


<1R>
濱口健二選手
濱口健二選手
   波乱の幕開けとなった第1レース。中団外併走から岡本大嗣がまくると、最後は外を一気に濱口健二(写真)が突き抜けた。
 「バックで高原(仁志)は下りたけど、僕は浮かされてしまうし、軽かったから岡本目掛けて踏んだ。思ったより伸びたですね。これでやっと明日から5レースくらいを走れる。それが一番嬉しいです」
 外併走からまくって2着の岡本大嗣だが、「レースが下手ですね。ムダに脚を使ってしまった。感じは良いけど、最近は番手の人に下りられるレースが多いんです」と表情は浮かない。


<2R>
 窪田陽介が積極果敢に先行。小林寛尚が番手絶好の展開をきっちりモノにした。
 「窪田君が頑張ってくれました。かかりは良かったし、安心して付いていました。でも、3着に残せなくて申し訳なかったです。自分の技量があれば残せたと思うし、その辺が今の課題ですね」
 中団をキープした白水洵は直線勝負で3着。
 「今日は初めて3・92のギアを使ったんです。1回斬って中団を取るのは予定通り。でも、前がかかっていて仕掛けられなかった」


<3R>
 久冨武がカマすと、番手にはまった宮司周郎が直線抜け出し地元勢のシリーズ初勝利を挙げた。
 「後ろ攻めになった時点で、押さえたところを(久冨か阿部秀樹の)どっちかがカマしてくると思ってたので、ある程度ペースを上げてました。番手で粘るか中団かは出たとこ勝負だったけど、たまたま番手が空いてましたね。練習もそれなりにやったし、地元記念でいつも以上に勝ちたい気持ちが強い。初日にコケたら、あとが長いので勝てて良かったです」


<4R>
 大沼孝行が打鐘から全開でフカすと、中団の西徹がまくり追い込み。大沼後位の川原義彦と西のアタマ勝負に見えたが、大沼ライン三番手で脚を溜めた岡嵜浩一が鋭く突き抜けた。
 「僕はただ付いてただけ。ライン3人で決まれば一番だったけど、申し訳ないね。同じ体重では変わりばえしないし、S級の点を維持するのが難しいから、今年に入って10キロ体重を絞った。踏み出しは楽になりましたね」
 2着は西徹で2車単で2万円を超す高配当。
 「あんなにスンナリ中団を取れるとは思わなかった。バックで行けそうだったけど、前はギアがかかってるし踏み直されそうだったから待ちました。脚はエラかったけど、気持ちには余裕がありましたね」
 惜しくも4着で勝ち上がりを逃した大沼孝行は「ちょっと踏みすぎましたね。もう少し余裕を持てばよかったけど、失敗しました」とペース配分のミスを悔やんだ。


<5R>
 5レースは先行態勢に入った高橋和也を最終ホームから小原将通が叩くと小原の番手に高橋が入り隊列はバラバラに。高橋がバックからまくり、垣外中勝哉や江嶋康光が外を踏んだが、その更に外を中山健が一気に駆け抜けた。
 「先行争いに出ることも考えたけど、ホームで前が先行争いみたいになってた。でも、パッと見たら、もう棒状になってたのでマズいなと思いました。4コーナーを乗り越えられれば何とかなると思ってたけど、恵まれましたね。出は悪かったけど、我慢したら出たし、思ったより調子はわるくなかった」
 江嶋康光はゴール寸前で勝ち星を逃し、さすがに悔しそう。
 「千切れてからが恵まれたね。最後は前(常川佳介)が内に行ったので、(外を踏んだ)垣外中を交わせば3着はあるなと。アレッ? 1着? と思ったら甘かったね(苦笑)」


<6R>
舘泰守選手
舘泰守選手
   6レースからは選抜戦。ライン4車で先行した阿竹智史を朝倉佳弘がまくると、朝倉を追った舘泰守(写真)が直線鋭く伸びた。
 「緊張しましたね。阿竹がもっと僕にフタして、朝倉も粘ると思ってたら引いてきた。ずっと練習してたし、そろそろ結果に出てくれないと悔しいと思ってたけど、勝てて良かったです」
 阿竹後位を回った米澤大輔が2着に食い込んだ。
 「バックの直線でまくって来たし、対処するのはちょっと無理だったね。阿竹は普段先行せんのに張り切りすぎたね。僕は新車だけど、エエ感じです」
 直線で失速した朝倉佳弘だが、競走内容には納得の様子だ。
 「舘さんにしゃくられたときは焦りましたけどね。阿竹君も押さえるのに脚を使ってる感じだったし、併走よりは前に踏もうと思った。今日の走りは良かったと思うし、これをきっかけにしたい。ゴール前で止まるのはいつものことなので気にしてないです」


<7R>
山田英明選手
山田英明選手
   松田優一が後続のもつれを尻目に力強く逃げ切って快勝した。
 「遅めに行くと(山田英明に)突っ張られる可能性もあるので、早めに押さえました。東口さんに1回出られたけど、飛び付きだと思っていたので、三番手で後ろの動きを見ながら落ち着いて仕掛けました。踏んだ感じは良かったし、最後まで上手く粘れたと思います」
 松田に合わされた山田英明(写真)だが、番手の外併走を堪えて、そのまま2着に流れ込んだ。
 「松田君を叩いて後方に置こうと思ったんですけどね。出切れず、番手でへばっていました。何とか凌げたし、勝ち上がれて良かったです」


<8R>
高峰賢治選手
高峰賢治選手
   及川裕奨の先行に乗った高峰賢治(写真)が直線きっちり追い込み、ゴール前の激戦を制した。
 「及川君のかかりが良かったし、頑張ってくれました。引く作戦だったので先行してびっくりしました。前回落車して身体のケアをしながらの練習だったから今回は不安だったけど、今日は展開ですね。今日みたいな展開じゃなかったら厳しいかもしれません」
 及川裕奨は直線末を欠いて5着に敗れたが、表情は明るい。
 「けっこうスピードに乗ったので、下げて何もせず終わるよりは、そのまま駆けちゃった方がいいかなと。今日はレース展開に上手く対応して走れました。駆けた感じも良かったです」


<9R>
木暮安由選手
木暮安由選手
   波乱の前半戦だったが、メーンの特選に入ると、まず木暮安由(写真)が奮起した。前受けから上手く四番手を確保すると、三角まくりで前団を飲み込んだ。
 「中団から組み立てたかったけど、けん制が入ったのでしょうがなく前を取りました。吉川(誠)さんが先行態勢に入って、上手く四番手が取れたし、そこで決まった感じですね。永井(清史)さんのまくりを引き付けていけたし、調子は良いと思う。名古屋は初めてだけど、軽くてけっこう好きになりました」
 マークの中村淳はとにかく木暮を絶賛する。
 「離れず付いていけたので悪くないと思う。今日は木暮に任せてたし、あれを乗り越えて行けるんだから木暮はすごいね。今日は木暮を褒めてやってください」
 3着には金成和幸後位から伸びた有坂直樹が食い込んだ。
 「本当は永井を出させて三番手からの組み立てだったんだけどね。番手に金成がいるから、後ろも仕掛けづらかったんだろうね。俺は何もしてない。前の2人が頑張ってくれたし、金成が4回転じゃなければさせなかっただろうね」
 バックどん尻の加藤慎平は4着に入るのが精一杯。「もう少し外を伸びてもいい感じだったけど、これが現状ですね」と、まだ万全の状態ではない様子だ。


<10R>
山口幸二選手
山口幸二選手
   やはり小嶋敬二は強かった。打鐘の2センターから豪快なカマシ先行を決めると、番手の山口幸二を振り切って快勝。これで3.85にギアを上げてから、7戦6勝の固め打ちだ。
 「それを言われるとプレッシャーになりますね。でも、松山の決勝といい、今日といい、後ろの人が前を取ってくれるからギアのかかった僕には楽ですね。ヤス(一丸)は地元なのに三番手を回ってくれたし、その意味ではしっかり3人で決めたかった。まだ疲れはあるけど、来る前に沖縄で乗り込めたのも良かったね」
 強い小嶋に1/2輪差まで詰め寄った山口幸二(写真)は「詰められたし、(松山記念決勝で差せなかった井上)昌己よりは強かったでしょ」と笑顔を見せる。
 「(山口)富生がダービーでまくりに離れてたから、僕もギアを上げたんだけどね。掛かり方は一緒だけど、ずっと登りをモガいてる感じで休むところがない。やっぱり小嶋は強いね」
 3着の一丸安貴に至っては、小嶋の強さにもはやお手上げといった様子だ。
 「口が空いてヒヤヒヤだった。後ろは大塚(健一郎)だと思ってたけど、ぶっ離れてたみたいですね。見る余裕もなかったけど。小嶋さんの85は反則ですね。まくりだったら付いて行けないし、あれは絶対抜けないですよ」


<11R>
渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
   海老根恵太がホームから叩くと吉田敏洋が三番手に。吉田は2センターからまくり追い込みをかけるが伸び切れず、海老根の番手を回った渡邉晴智(写真)がタイヤ差で1着をゲットした。
 「後ろには関根(幸夫)さんがいると思ってました。余裕はあったけど、後ろを見る余裕がなかった。誰も来ないと思ってたけど、今日は海老根のおかげですね」
 吉田敏洋は「自分だけの形になったけど…」としながらも、2着で準決勝進出の権利を得た。
 「海老根さんは出てからも外を走ってたから、僕は内をあけられずにキツかった。あれがなければ2コーナーから行けたと思うんだけど。地元記念の初日だし、ちょっと硬かったかな?」
 七番手からまくり上げた佐々木則幸が3着に食い込んで復調をアピール。
 「離れた関根さんが内から来てタイミングが取れなかった。でも、最後は外を耐えながら伸びたし、やっとエエ感じの踏み方になってきてますね」
 惜しくも4着に敗れた海老根恵太だが、「あそこまで行ったら3着がよかったですね。でも、思ったよりは感じが良かった」と、途中欠場に終わった松山記念よりは手ごたえを感じさせるコメントを残した。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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