『名古屋競輪開場59周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:3月29日


 名古屋競輪開場59周年記念「金鯱賞争奪戦」水素力杯・ドラゴンゲートカップは2日目。今日は11レース「太閤賞」をメインに、二次予選A、B合わせて6個レースで準決勝への勝ち上がりを争った。注目の「太閤賞」は機敏な立ち回りを見せ木暮安由が快勝。明日(30日)は準決勝でファイナリスト9つの椅子をかけた戦いが繰り広げられる。
  明日は岡村周治選手によるマウンテンバイクショー(7、9レース発売中)や選手会愛知支部によるチャリティーオークションが7、8レース発売中に行われます。明日もぜひ名古屋競輪場へご来場ください。


<5R>
西本龍選手
西本龍選手
   5レースは最終ホームから岡本大嗣がカマシ先行。ライン三番手の西本龍(写真)が直線外を突き抜けた。
  「菊池(仁志)さんを見たら余裕がなさそうだったので、遅めに踏んで3着とかになるよりは先に外を踏んでおこうと思った。菊池さんに余裕がありそうだったら、中を行くつもりだったんですけどね。ヒザは痛いけど、準決勝Aに上がれたので明日も頑張ります」
  2着に粘った岡本大嗣は「エエ展開になった」と笑顔でレースを振り返る。
  「内を行った岡嵜(浩一)さんにホームで踏まれてたら最悪でしたけどね。緩めてくれたので、スッと出られた。昨日は訳が分からんレースだったけど、今日は上手く駆けられました。久々に逃げ残りましたね」


<6R>
及川裕奨選手
及川裕奨選手
   後ろ攻めの白水洵からずっとフタをされ続けた及川裕奨(写真)だったが、白水が打鐘過ぎに先行するとバックから鮮やかなスピードでまくり切った。
  「どっちが前でも後ろでも自分が中団から叩く作戦。一応、作戦どおりでしたね。もっとスムーズに切り替えて行きたかったけど、立て直しが効いたのでよかった。状態は問題ないですね」
  番手の伊藤大志は追走が一杯だった。
  「強すぎるね。内に詰まったらどうしようと思ってたけど、みんな焦って踏むだろうし、及川が上の方を走ってくれたのでそのままの勢いで行けた。人気だったし、車券にからめてよかった」
  北日本ライン三番手を回った林雄一は離れながらも何とか3着をキープした。
  「あんまり離れることはないけど、及川は脚がありますね。何とか3着で良かったけど、感じが良かったらピッタリ付いて行けてますからね」


<7R>
鰐渕正利選手
鰐渕正利選手
   阿竹智史が打鐘から先行。内を突いてきた中山健の抵抗に遭ったが、そのまま叩いてライン3人で上位独占。番手絶好の展開を生かして今年初勝利を挙げた鰐渕正利(写真)は「とりあえず良かった」と胸をなでる。
  「地区は違うのに阿竹が頑張ってくれた。みんな気を遣ってくれたし、それに尽きますね。前回はここで使えるかどうかフレームを試したけどダメだったので、今回は11月くらいに使ってたものに戻した。明日はいいメンバーになるけど、頑張りたいね」
  2着に粘った阿竹智史も鰐渕の1着に貢献できてホッとした表情。
  「今日は自分のことを考える余裕はなかった。中山君に踏まれてたら外併走になってキツかったけど、出切ってからは早めにまくってくる人はいないと思ってました。鰐渕さんが1着やって、それだけで良かったです」


<8R>
北津留翼選手
北津留翼選手
   金成和幸が打鐘過ぎに叩いて出ると、前受けから車を下げた北津留翼(写真)が最終ホームから一気の巻き返し。3コーナーで金成を飲み込むとそのまま押し切った。
  「二分戦だから小倉(竜二)さんにスタートを取ってもらってから組み立てたほうがいいとアドバイスをもらいました。横に並ぶまでは海老根さんにどのくらい余裕があるのか分からなかったけど、作戦どおりに走れましたね。アップ中からずっとダルさが抜けない感じだけど、明日も先輩のアドバイスをもらってレース展開で助けてもらいたい」
  前々に動いたことが奏功した金成和幸。見事2着に粘って準決勝Aに駒を進めた。
  「(準決勝へは)6着までが権利だし、金田(健一郎)さんも付いてくれたから。とりあえず一回斬ってからと思ったけど、巻き返しが遅かったので駆けました。あまり先行を見せたくないんだけど、見せちゃいましたね。久しぶりにキツかった」
  3着で準決勝A進出の海老根恵太だが、レース内容には納得していない。
  「ホームが重かったし、金成君の動きは予想できなかった。そこは仕方ないにしても、北津留君を合わせ切れなかったのが情けない。2センターでも前がからんでるのを見てしまったからね。明日からは気合を入れ直して走りたい」


<9R>
加藤慎平選手
加藤慎平選手
   人気の中近コンビで連を独占。インまくりを決めた松岡健介を加藤慎平(写真)が番手死守からゴール寸前で捕らえた。
  「すごい勢いで(豊田知之が)来たのでやばかったけど、ラインを外すわけにはいかないですから。一瞬、内が空いたところを勇気を持って行ってくれました。あれでは舘さんは付いて来れないですよね。4コーナーでは脚が一杯だったけど、まあ何とか差せて良かったです」
  2着の松岡健介は安堵の表情を浮かべる。
  「今日は体調がどうのというより、後ろが慎平だから、どうにかしようという気持ちでした。村上(義弘)さんと慎平が後ろのときはやっぱり緊張しますね。慎平がレース前にいつも通りでいい、と言ってくれたから余計に緊張しました。ホームではちょっと焦りましたけど、内が空いてくれて良かったです」


<10R>
山内卓也選手
山内卓也選手
   永井清史がタイミング良く主導権を握って別線を完封。番手絶好となった山内卓也(写真)がゴール前できっちり抜け出し、今年初勝利を挙げた。
  「永井があれだけ積極的に行ってくれましたからね。かかりは良かったし、2コーナーからの踏み直しも良かった。やっぱり強い。後ろも全然来なかったでしょう。自分は付いていただけ。でも、余裕はあったし、調子は悪くないですね」
  2着に粘った永井清史も上機嫌でレースを振り返る。
  「慎平さんが前のレースで1着だったので、自分もやらなきゃという気持ちでした。山内さんが考えてくれた作戦通りのレースができました。今回は3・85のギアを初めて試しているんですが、けっこう流れてくれるし、感じは悪くないですね。ラインで決まって良かったです」
  3着に流れ込んだ馬渕紀明も永井を絶賛する。
  「永井はやっぱり強いね。一番強いのが駆けているんだから、まくれないでしょう。自分達にとってはいい展開になった。付いてて余裕はあったし、大塚が後ろにいるから内だけはしっかり締めていました」
  大塚健一郎は山田英明と共倒れ。4着までが精一杯だった。
  「永井にあのレースをさせたら終わりでしょう。どっちが挑戦者なのか分からない。どこも踏むところがなかった」
  山田英明は四番手確保も不発。
  「昨日は感じが良かったんですが、今日は情けないぐらい動けなかったです。余裕はけっこうあったんですが、脚が動かなかった」


<11R>
木暮安由選手
木暮安由選手
   優秀競走の「太閤賞」を制したのは木暮安由(写真)。持ち前のレースセンスの良さを存分に発揮し、連勝を飾った。
  「吉田(敏洋)さんにフタをされて、引いて七、八番手には引きたくなかったので、前々に踏んでいきました。一丸さんにけっこう押し込まれましたが、内が空けばすかさず仕掛けようと思っていました。色々と武器を持っている強みがあるし、それを生かすことができました。風は少し気になるけど、このバンクは軽くて走りやすい。2日間、感じ良く踏めています」
  吉田敏洋は内から木暮にまくられたが、番手で立て直して2着に流れ込んだ。
  「木暮が番手に入ったのは分かりました。一丸さんが放り込んだ勢いで、そのまま内から行かれた感じですね。今日は納得のいく内容じゃなかったけど、とにかく明日が一番大事ですから。力は余っていると思うので、明日こそ先行したいと思います」
  単騎の佐々木則幸は仕掛けのタイミングをつかめず5着に敗れた。
  「ホームで落車を避けて脚が一杯になりました。緩んだところで思い切って行った方が良かったかもしれないですね。今回はそれなりに踏めているし、悪くないと思います」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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