『名古屋競輪開場59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:3月30日


 名古屋競輪開場59周年記念「金鯱賞争奪戦」水素力杯・ドラゴンゲートカップは後半戦となる3日目に突入した。好天の下、決勝への最終関門となる準決勝4個レースをメインに、熱戦が繰り広げられた。最終11レースでは吉田敏洋、山内卓也の地元コンビが敗れる波乱もあったが、小嶋敬二や海老根恵太、新鋭の木暮安由らファイナリスト9名が出そろい、明日はいよいよ決勝戦が争われる。
 最終日(31日)は場内でドラゴンゲートプロレスが名古屋競輪場に登場。スペシャルマッチやイベントが開催されます。また現金1,000円が200本当たる未確定車券抽選会も行われます。ぜひ、本場でお楽しみください。


<8R>
白戸淳太郎選手
白戸淳太郎選手
   準決勝Cは1着権利の狭き門。山田英明の先行を白戸淳太郎(写真)がホームまくりで仕留め、決勝一番乗りを果たした。
 「山田君と朝倉君はカマシが得意なタイプだけど、自分も前を取って引いてカマせれば、と思っていました。後ろから押さえる脚はないですからね。その通りの展開になったし、流れが向きました。山田君がまだ踏んでなかったし、ギアがかかっていたので、何とか行けましたね。練習では先行もしているし、何とか残れました。合宿の成果も出ていると思います」
 好マークの林雄一は直線で白戸に詰め寄ったが、僅かに届かなかった。
 「先輩が頑張ってくれて、ありがたかったです。安心して付いていました。夢を見れたけど、強かったし、抜くタイミングも失敗しましたね。でも、先輩が勝ってくれたんで良かったです。2着なら十分です」
 先行した山田英明は「中団からカマしたかったけど、苦手な押さえ先行になってしまいましたからね。出てから踏んでなかったし、ギアも重くて全然ダメでした」と諦め顔。
 格上の山口幸二に任された朝倉佳弘も見せ場を作れなかった。
 「まずは1回前を斬って、自分でレースを作り、そこからだと思ってたんですけどね。ホームで白戸さんが来たときに切り替えられれば良かったんですが…」


<9R>
有坂直樹選手
有坂直樹選手
   小嶋敬二が豪脚を披露。阿竹智史を打鐘から突っ張って先行し、ライン3車で上位を独占した。勝った有坂直樹(写真)は小嶋を称える。
 「ジカで付けたのは初めてかな。あれが同級生なんて信じられない。遅かったら突っ張ると言っていたけど、本当にすごいね。グレードレースの決勝は去年のオールスター以来。久々だから嬉しいね」
 3着に流れ込んだ伊藤大志は「引いてからの巻き返しだと厳しかったと思うし、自分としてはいい展開になりました。小嶋さんは超強かったです。本当にすごいですね。まずまず落ち着いて走れたと思います。内を狙ってくる選手が後ろにいたので、そこだけしっかり締めていました」と優参はならずも、満足そうに振り返る。


<10R>
木暮安由選手
木暮安由選手 渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
   木暮安由(写真)が無傷の3連勝で決勝進出を決めた。俊敏な立ち回りから松岡健介の番手を奪うと直線で鋭いキメ脚を発揮した。
 「いつも通り前々に踏んで行けました。四番手でも良かったんですが、内が空いたので番手まで行きました。流れの中での判断ですね。レースは良く見えているし、上手く走れたと思います。明日も気を抜かず、いつも通りのレースで頑張ります」
 木暮マークの渡邉晴智(写真)が2着に続き、2車単の一番人気に応えた。
 「木暮は俺がとやかく言う選手じゃないし、全て任せていました。中団と思いきや番手までいきましたからね。あんなにダッシュがいいとは思わなかった。冷静に走ってくれました。全く詰められなかったけど、2着で良かったです」
 永井清史マークの加藤慎平がしぶとく3着に突っ込んだ。
 「スタートの位置取りに失敗しましたね。健介と逆なら、健介が行ったところを叩いて決まっていたと思います。何とか3着に届いたけど、後味は悪いですね。永井が力を出し切れずに終わったのが残念。もうちょっと上手く連係を決めたかったですね」
 先行した松岡健介は直線力尽きて5着。
 「ギアを1枚上げたけど、全然かからなかった。後ろに木暮君が入ったのも分からなかった」
 まくり不発に終わった北津留翼は「仕掛けるところは何度かあったけど、前を見すぎてしまいました。中団を取り合っているところをまくりたかったけど、上手くいかなかったです」と反省に終始する。


<11R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手 中村淳選手
中村淳選手
   吉田敏洋の先行を海老根恵太(写真)が豪快にまくって快勝。通算200勝のメモリアル勝利を飾った。
 「なかなか達成できなくて少し気持ち悪かったし、200勝できてホッとしました。及川君と吉田君でもがき合ってくれて展開が向きましたね。でも、駆けているのが吉田君だから、いけるか?と思いながら踏んでいました。来る前は不安だったけど、思ったよりも踏めているし、だんだん良くなっていますね。悪いなりに決勝に乗れたのはでかいですね」
 2着に流れ込んだ中村淳(写真)も笑顔が絶えない。
 「スピードが違ったから助かりました。同じようなスピードだと山内君にからまれて厳しかったと思います。今日は連れていってもらった感じですね。最近は流れがいいし、それで成績がまとまってきました」
 佐々木則幸のまくりに乗った豊田知之が3着に入り、前回の松山に続いて記念連続優出を果たした。
 「苦しい展開を凌げましたね。九番手は慣れているし、上手くコースが空いてくれました。この展開で3着だから悪くないと思います」
 まくられた吉田敏洋は「仕掛けのタイミングは悪くなかったと思います。悔しいのは悔しいですけど、結果は結果として受け止め、明日も頑張ります」と気持ちを切り替えていた。
 佐々木則幸は「先に斬って、及川君に駆けてもらった方が良かったかな。決勝に乗りたかったけど、今回は踏み応えがあるし、感じは悪くないですね」と表情は明るい。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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