『名古屋競輪開場59周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:3月31日


 名古屋競輪開場59周年記念「金鯱賞争奪戦」水素力杯・ドラゴンゲートカップは今日31日が最終日。激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦が最終第11レースで争われた。レースは海老根恵太が積極果敢に先行。中団の四番手をキープした木暮安由が3コーナーからまくって快勝。無傷の4連勝で記念初制覇を果たした。

決勝戦 レース経過
 スタートで最内枠の加藤慎平が飛び出す。小嶋敬二を受けて中部コンビが前受け。豊田知之が中部勢後位で海老根恵太―渡邉晴智―白戸淳太郎の南関勢が中団を占め、木暮安由―中村淳の関東両者に有坂直樹が付けて周回が進む。
 赤板手前の四角から木暮が上昇を開始。海老根の横では止まらずに、前受けの小嶋を押さえにかかる。打鐘前に木暮が誘導を交わすもペースは上げず。すかさず海老根が反撃を開始して木暮を叩いて主導権を取った。徐々にペースを上げる海老根に対し、四番手の木暮、七番手の小嶋は両者共に仕掛けずに、最終ホーム線から海老根がスパート。一角で仕掛けかけた小嶋だったが、再度七番手で態勢を立て直す。最終バック過ぎから踏み込む木暮に対し、渡邉も牽制しながら踏み込んだが、木暮が前団を捕らえ切って記念初優勝を4連勝で締め括った。渡邉が2着で、大外強襲の小嶋は3着まで。


木暮安由選手
木暮安由選手
 抜群の競走センスと勝負強さを見せて勝ち上がった木暮安由(写真)が決勝でもその実力をいかんなく発揮。海老根恵太の先行を中団確保から力強くまくり切り、無傷の4連勝で記念初Vをあっさりと達成した。デビューしてまだ3年目。記念4度目の参戦で優勝の快挙だ。
 「優勝できて嬉しいです。今日はいつも通り、中団の組み立てを考えていました。七番手に置かれたら優勝はないですからね。スタートで後ろになってしまったけど、1回斬ってすんなり中団が取れたので、結果的に良かったと思います。レースは見えていたし、あとは小嶋さんがどういう仕掛けで来るのかだけを警戒していました。1回後ろを見て来なかったので、自分のタイミングで3コーナーから仕掛けました。晴智さんのけん制はきつかったけど、何とか乗り越えられて良かったです。この勢いを緩めず、共同通信社杯でも一戦一戦頑張って優勝を狙います」

 通算300勝にリーチがかかっていた渡邉晴智は番手絶好の展開を生かせなかった。
 「恵太が駆けてくれたし、その気持ちが嬉しかった。かかりも良かったです。優勝で応えられなかったのは自分の弱さ。木暮が強かったけど、それでは済まされないし、また勉強してきます」

 先行した海老根恵太は直線で力尽きて4着。
 「初手の位置取り次第でしたが、今日は先行基本に考えていました。ラインの中から優勝者を出そうという気持ちで駆けました。でも、今回は練習不足でデキがあまり良くなかったし、かかりもイマイチでしたね。後ろの2人に申し訳なかったです」

 七番手から大外をまくり上げた小嶋敬二は3着まで。人気に応えることができなかった。
 「今日は受けて立とうという気持ちだった。1回仕掛けようと思ったときに、海老根君に見られて止めてしまった。中団の木暮君がもう少し早くまくってくれれば、晴智も止められたと思うし、そうなれば自分の出番だったけどね。木暮君に新人らしからぬ競走をやられてしまった」

 小嶋と共倒れに終わった加藤慎平は「小嶋さんに任せていたから仕方がありません。今回は正直、無理して走った感じだったので、状態はあまり良くなかった。もう少し上積みが欲しいし、次の共同通信社杯までに何とかしたいですね」と気持ちを切り替える。

 中村淳は木暮の強さを絶賛する。
 「あいつは本当に落ち着いているし、レースが上手い。ハートが強いんだろうね。今日は中団から仕掛けて不発になりそうだったから、内を見てたんですよ。でも、回している感じで踏んでいたみたい。直線に入ってからの踏み直しがすごかった。その辺りも計算して走っているし、頭もいいですね」


ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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