『名古屋競輪開場60周年記念(GIII)レポート』 前検日編
 
配信日:3月26日


 名古屋競輪開場60周年記念「金鯱賞争奪戦」が明日から開幕する。V候補筆頭の武田豊樹の欠場により、代わって中部勢が今節の中心となった。永井清史、加藤慎平らの岐阜勢が地元のエース・吉田敏洋を盛り立てるシリーズとなりそうだ。前検日から最終日まで選手の舞台裏をレポートいたします。
 なお、本場ではたくさんのイベントが予定されております。開催を通して、先着入場者1500名様(3,4日目は1000名様)に各種プレゼントを配布されます。また、大道芸(ジャグラーヨーチャン)、世界の山ちゃん出張屋台、早朝予想会、フリーマーケットなども予定されております。こちらもどうぞお楽しみに。


<1R>
 今期からS級昇級を果たした片折亮太が記念初出走する。
 「A級の最後は成績が悪かったけど、S級に上がってから連にからめている。前から練習はやっていたんでその成果が多少あるんですかね。記念は強い人が多いからやりがいがありますね。松山から間が空いてたんで、練習と休養でしっかり仕上げてきました。記念も初だし、名古屋も初めて。4日間自分のレースをしたい」


<2R>
宮本憲選手
宮本憲選手
   2Rは宮本憲の九州ライン、須藤誠の南関ラインで人気を二分しそうだ。自力型でベテランの宮本憲(写真)は「調子は悪くないし、普段通りをキープしてます。自力型の2人(須藤、松村友和)とは何度か戦ったことがあるんでね。明日はいつも通り先行を基本に、流れを見ながら戦います」と落ち着いた様子。
 一方の須藤誠は調整不足のようだ。
 「兄弟子(富澤勝行)のこともあり、そのあとは子供が産まれたりで今回は色々と忙しかった。千葉の誘導もあったし練習はできてないですね。でも、出るからには頑張らないと。行けるところから思い切って行って、ダメだったら仕方ないですね」


<3R>
田中雅史選手
田中雅史選手
   地元の先陣を切るのは田中雅史(写真)。明日は渡部幸訓、内村泰三を相手に主導権をにぎる。
 「2月は思った以上に成績が良かったし、その流れが続いていると思う。前回松阪の前にみっちり練習をやったし、直前は調整程度。レースになってみないと分からないけど、言い訳できないくらいにしっかりと仕上げてきたつもりです。地元だけど気負わずに、いつも通り行けるところから仕掛ける感じでいきたいと思います」


<4R>
高橋和也選手
高橋和也選手
   高橋和也―清水広幸―長村達也の地元勢がガッチリとラインを組む。先頭の高橋和也(写真)は「3人で決めたいですね」と意気込む。「前回の広島で落車して肘を痛めたけど、その後は練習できたんで大丈夫です。地元に向けて以前から練習してたけど、その途中の(2月)びわこで決勝に乗れたんで良い流れでこれたと思います。勝ちあがって上のレースに乗りたいですね」
 対戦する引地正人は落車の影響で近況は大敗続き。今回はぶっつけ本番の新フレームで心機一転し出直しを図る。
 「怪我は左指の腱を断絶。でも、前回もそうだったし、徐々に良くなってきてるんで。万全ではないけど、その分気合でカバーします。今はとにかく1着が取りたいですね。そうすれば気持ちの切り替えができると思うし。自分はF1よりは記念の方が成績が良いので何とか頑張りたいですね」


<5R>
 鈴木雄一朗がここ3場所勝ち星がなく乱調気味だ。
  「気持ちで負けているし、全てがマイナスになってますね。ここに来る前、師匠(高橋大作)と色々話をしてきたし、日程が空いてたんでしっかり練習してきました。稲吉(悠大)君と戦うのは初めて。今回は悔いのないレースをして、自信を付けたいですね」
 稲吉悠大は名古屋はルーキーチャンピオンレースを制した思い出のバンクだ。
 「前回の平は追加で、今回が正規配分。中3日だったから軽くしか練習しなかったけど、前回は早め早めの仕掛けができていたんで調子は悪くない。今回も積極的にいきたいですね。名古屋はルーキーを獲った所だし、前回も予選を突破できたんで、今回もひとつでも上のレースを走りたいですね」


<6R>
松山桂輔選手
松山桂輔選手
   地元のホープ・松山桂輔(写真)が登場する。相手は点数上位の吉川誠。ホームバンクで真っ向勝負を挑む。
 「最近は内に入っていったり、先行以外もできるようになってきましたね。今まではカマシ、まくりばかりだったけど、最近はメンバー次第では押さえて駆けられるようになったし、長い距離をモガけるようになってきた。明日は吉川さんが早めにカマしてくるだろうから、その辺を良く考えて自分も積極的にいきたい。自分は気負うと失敗するから、いつも通りの平常心でいきます」
 吉川誠は決勝は遠いが、開催毎に連がらみしており堅調を維持している。
 「前回の小田原は初日が中止になって、準決で飛んでしまった。特選だし初日に感触を試して、3日間走りたかったんですけどね。初日を走ってない分、準決勝はタイミングがとれなかった。でも、調子は悪くないし、名古屋は年に何度も呼んでくれる。相性も良いですよ。この後は地元(平塚)記念もあるし、ここで勢いを付けたいですね」


<7R>
 柴崎俊光が地元の疋田敏を引き連れ初戦突破を図る。
  「前回(松阪)の中日は内に詰まって終わりで、最終日はカマせず。その前の成績が良過ぎたんで、松阪では守りに入って消極的になってしまった。調子はずっと良いし、今回は積極的なレースをして流れを取り戻したい」
 疋田敏は程よい気合の乗り具合だ。
 「(前回)一宮の最終日は失格したけど、車が伸びていたし、久しぶりに感触が良かった。前回の分もここで挽回したいですね。気負わずにいきます」


<8R>
水谷好宏選手
水谷好宏選手
   水谷好宏(写真)は3場所連続で決勝に進出しており勢いが良い。
 「前回は小倉ナイターから中4日だったから、ローラー練習で調整してきました。前回は軽いドームバンクだったからギアを(3.85に)上げたけど、今回は79に戻すつもりです。相手(小埜正義、笹倉慎也)は強いけど、気にせず自分のレースをするだけ」
 小埜正義は前回広島で落車。体調が気掛かりだ。
 「去年の9月からはじまって10月も。11月は練習で落車してるし、ずっと落車続き。怪我はまだ少し痛いけど、心の方が痛いですね(笑)。ここに向けて特に練習はしてないけど、いつも通り自分の競走をします」
 笹倉慎也も実力に大差はない。
 「2場所前の防府で落車したけど、しっかりとケアをしてきたし大丈夫だと思います。前回の小倉の最終日は閉め込まれて車輪が壊れてしまい不完全燃焼で終わってしまった。今回は力を出し切りたいですね」


<9R>
永井清史選手
永井清史選手
   SS班の永井清史―山田裕仁の岐阜ラインの人気が集まる。永井清史(写真)は松戸ダービーのあとは休みをいれずにすぐさま練習を再開。次の目標に照準を合わせる。
 「ダービーがひとつの目標だったけど、終わってからは得意の33バンクの親王牌に向けて練習漬けの毎日でした。これからは叩かれたら横も考えていかないと上では勝てないし、基本は先行だけどそういうレースもやっていこうと思います。ただ、叩かれない自信もあるんですけどね」
 吉本卓仁はややトーンが低い。
 「練習ではタイムが出ないし、成績も今ひとつ。冬場も苦手ではないし、何が原因か分からないんですよね。後手を踏むのは避けたいんで、とりあえずはジャンで一旦前に出ないと。そこから相手のタイミング次第で突っ張るか引くかですね」
 五十嵐力は予想外の単騎戦となった。ダービーでは2走目から9着大敗、小倉の初日も9着敗退となったが、2日目以降に立て直して準優勝。流れを取り戻した。
 「4回連続で9着をしたことがなかったし、さすがに気落ちしましたよ。でも、調子は悪くなかったし、そのあと2着、2着で吹っ切れました。あしたは単騎なんで良く考えて走ります」


<10R>
 相性良い新田康仁―渡邉晴智の静岡コンビに人気が集まるか。新田康仁は武田豊樹に替わり、追加での参戦となる。
 「追加は一昨日入りました。軽いフレームが感じ良いし、F1戦だけど最近は安定してますね。練習でもそうだけど、今までと全く違って普段の生活から体調が良いですね」
 地元の笠松信幸、伊藤正樹は、目標である伊原克彦のデキにかかっているが、伊原本人は「最近はレースで力を出し切れてないし、気持ちで負けてますね」と、やや弱気だ。「宇都宮の決勝は相手が二段駆けだったから仕方ないけど、最近は戦法の迷いがあって失敗が多い。上のグレードレースで勝つことを考えると先行ばかりではダメだし、冬場の練習方法がまだ確立していないのもあって調子は今ひとつ。でも、徐々に調子は良くなってるんで、前回よりは戦えると思います」


<11R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
   地元の吉田敏洋には加藤慎平―伊藤健詞が付けてライン結束する。好調を維持している吉田敏洋(写真)だが、前回のダービーで痛恨の落車失格。地元戦で巻き返しを誓う。
 「ダービーは結果なんで仕方ない。ダービーのあとは日程が空いてたし、体のケアをしっかりとやってきた。直前は雨が続いたけど、ダービーの前にしっかりと練習をやってたんで大丈夫です。今回は今までの経験を生かして、一つ一つ自分のレースをしてクリアしてまずは決勝に乗りたい。決勝に乗ってから(優勝を)考えます」
 加藤慎平は吉田援護に集中する。
 「ダービーの決勝は優勝するつもりで外を踏んだし、結果は結果だから仕方ない。ダービーのあとは腰痛が出ないようにバンク練習と休養で調整してきました。今回は地元を盛り立てながら、自分もしっかりと走ります」
 菅田壱道は地元の吉田に胸を借り、力勝負を挑む。
 「吉田さんとはいつも先行争いになってしまうんですよね。明日もそうなりそうですね。最近は成績が良くないけど、体は問題ないんであとは結果待ちという感じです」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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