『名古屋競輪開場60周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:3月28日


 名古屋競輪開場60周年記念「金鯱賞争奪戦」は2日目を迎えた。二次予選回りとなった中部勢、永井清史、加藤慎平、山田裕仁は順調に準決勝進出を決め、地元の吉田敏洋も6着で辛うじて準決Cに踏みとどまった。しかし、最終レースの「太閤賞」で大量落車のアクシデントが発生。新田康仁の失格などで大荒れとなった。
 本場ではたくさんのイベントが予定されております。先着入場者1000名様に各種プレゼントが配布されます。明日29日は元中部競輪編集長と西根麻里による「予想会」(6,9R発売中)、世界の山ちゃん出張屋台、フォルクスワーゲン移動カフェが予定されております。こちらもどうぞお楽しみに。


<5R>
大薗宏選手
大薗宏選手
   高橋和也が宮本憲の反撃を封じて主導権を奪う。まくってきた小橋秀幸を滝川秀嗣がブロックすると、大薗宏(写真)が空いた内を突いて1着。準決A進出を決めた。
 「滝川さんがブロックしたときに遅れた感じだったし、権利取りのレースだから、非情かも知れないけど行かせてもらいました。踏み込んだときに車がすんなり出たし、上げた3.71のギアも踏めてました。並んだラインでワン・ツー・スリーが決まったんで良しとさせてください」
 逃げた高橋和也は2着に粘った。
 「今日は絶対に出させないつもりでした。ホームで8番(宮本)が見えたんで合わせて踏んだら感じが良かったんでいけるかなと。ほとんど1周駆けみたいな感じだったし、ペースで行けました。とりあえず、地元で準決勝に行けて良かった」
 滝川秀嗣は4角ハコ回りで3着。辛くも準決Cへ駒を進めた。
 「番手に付いていて余裕がなかった。車が流れないし、普段と何かが違う。内をすくわれてても高橋を抜かないとダメだよね。でも、ラインで決まったし、悪いなりに走れてるんで良しとします。脚が原因ではないので、じっくり考えて明日はまともに走れるようにします」


<6R>
松山勝久選手
松山勝久選手
   前受けの三槻智清が腹をくくって先行し、後方から叩きに出た笹倉慎也でモガき合う展開に。お互いの力比べは2センターまでもつれたが、最後は番手を回った松山勝久(写真)が早めに抜け出して1着ゴール。
 「笹倉君が良いところで行ってくれたし、付いていて自分も余裕がありましたよ。番手戦は何度も失敗していて今日も頭をよぎったけど、今日は失敗をうまく生かせましたね。今回は人の番手をうまく渡り歩いてますね」
 三槻を追走した國武耕二が2着に入る。
 「三槻君が前々に踏んでくれたおかげ。本当なら笹倉君を止められれば良かったけどね。前回からあまり間がなかったけど、やることはやってきたし調子は良い。車も出てますよ」
 笹倉慎也は直線で失速し4着惜敗。
 「出切るまでに時間がかかってしまいましたね。コーナーを出てからの伸びがもう少しだった分、最後に影響しました」


<7R>
清水広幸選手
清水広幸選手
   7レースは逃げた稲吉悠大を松山桂輔が早めに仕掛けてまくり切った。最後は番手の清水広幸(写真)が抜け出して1着となる。
 「連日、後輩の番手を回らせてもらってるし恵まれてますね。松山を残せなかったんで悪いことをしたけど、練習をやってきた甲斐がありましたね。準決Aは久しぶり。2層制になってすぐくらいの豊橋記念だったかな」
 2着は大接戦となったが、8番手となった中山善仁が鋭く伸びてタイヤ差優った。
 「バックで8番手になったけど、外を踏ん張っていけたし、落ち着いて前を見ながら走れた。あの展開から2着に入れれば上出来でしょう」
 澤田光浩は3着で準決C回り。
 「前が頑張ってくれたし、自分は一杯だったよ。昨日は離れたけど、今日は何とか3着に入れたね。地元の援護をしての3着なんで悪くないでしょう」
 松山桂輔は僅差の4着に敗れ、「余裕があったし、バックからは回す感じだったけど、4コーナーで一気に脚にきてしまった」と、肩を落とした。


<8R>
柴崎俊光選手
柴崎俊光選手
   人気を集めた中部ラインで上位独占。レースは伊原克彦の番手に柴崎俊光がはまる展開となった。柴崎が番手まくりを放ち、加藤慎平が余裕を持って差し切った。
 「昨日失敗して応援してくれたお客さんに会わせる顔がなかったけど、今日は何とか勝つことができました。柴崎が構えることなく前に踏んでくれたし落ち着いてましたね」
 SS班の加藤が付けた柴崎俊光(写真)は、「今日はめっちゃ緊張したけど、良い緊張感で走れましたね。初手で前から2番目だったし、ジャン過ぎで先頭に出られるかと思った。そうしたら早めに伊原さんがきた。でも、単騎だったし、そこからは落ち着いていけましたね」
 吉本卓仁は立ち遅れて何もできず。
 「前を斬ってから、柴崎君はもう少し余裕を持ってくるかと思ったけどすぐに来たし、そうしたら今度は伊原さんにも行かれてしまった。前も掛かってたし、まくるのは無理でしたね」


<9R>
菅田壱道選手
菅田壱道選手
   初日は凡走した永井清史だったが、2日目はSS班の実力を見せ付けた。菅田壱道に押さえられると車を下げ、ホームから一気のカマシ。伊藤正樹が退かされて単騎逃げとなってしまったが、そのまま力強く押し切った。
 「昨日は誘導を残してしまったのと、相手のペースで駆けられてしまった。それを反省して、今日は思い切って行こうと思ってました。走る前からヤジがすごかったけど、何とか1着が獲れてよかった。今日はギアを(3.92から)85に下げて、車輪も新しくして、セッティングも戻したら感じが良くなりました」
 菅田壱道(写真)は離れながらも番手に飛び付き、懸命に追走して2着を確保した。
 「初めから(飛び付きを)狙っていた訳ではなく、前々へ突っ張る感じで踏んでいた結果がああなりました。永井さんが来たのが分かったし、一発振れば後ろが離れると思ってたし作戦通りにいきましたね。永井さんを差せればもっと良かったけど、バックからまた掛かっていく感じだった」
 佐野梅一が7番手から強襲し3着に入った。
 「永井君が行ってしまったんで、あとは3着争いになったけど、位置が悪かったわりには何とか3着に届きましたね。踏んだ感触は軽かったです」


<10R>
山田裕仁選手
山田裕仁選手
   10レースは吉田敏洋がタイミング良く叩いて一本棒の展開に。番手の山田裕仁に絶好の展開となったが、ゴール寸前で桑原大志が中割り急襲し、1着をさらった。
 「中川(誠一郎)君が良い位置を取ってくれたし、前が吉田君を残しに掛かっていたんでその分自分が伸びましたね。展開に恵まれたけど、1着が取れて嬉しい」
 山田裕仁(写真)は不覚をとり2着に。
 「赤パンなんだし1着を取らないとダメだよね。すんなりの展開だったのに。吉田君はタレてきたし、自分も踏めなかった。難しいですね。連日お客さんを敵に回してしまった」と、反省する。
 巧く中団を取った中川誠一郎は3着に入ったが、「人の動きに合わせて出るのは苦手で。後ろの小埜(正義)君が気になってしまった」と、やや伸びを欠いた。


<11R>
小岩大介選手
小岩大介選手
   『太閤賞』は大荒れに。五十嵐力が後方から巻き返して行くと、大塚健一郎がこれを大きくけん制。すると、空いた内を新田康仁がキメに掛かったときに友定祐己の前輪をはらい大量落車が発生。落車を逃れた五十嵐の番手に九州勢がはまり、大塚健一郎が3番手から突き抜けた。
 「五十嵐君に通過されてしまったのはいけなかったけど、そのあとに小岩が落ち着いて(五十嵐の番手に)入ってくれたんで良かったです」
 小岩大介(写真)が2着に入線した。
 「今日は全員勝ち上がりだし、先行しようと思っていました。五十嵐さんは遅くくると思ったんで、少しずつスピードを上げていこうと思ってたけど、後ろを見たらもう来てたんで慌てて踏みました。今日は大塚さんがブロックしてくれたし、番手に入れてくれたおかげです」
 新田康仁は斜行で失格し、五十嵐力が3着に繰り上がった。
 「出切れると思って踏んだけど、大塚さんに見られてたんでホームで緩めてタメて、2コーナーからもう一回踏もうと思った。だから、新田さんは出切れないと思って内をキメに行ってしまったのかも」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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