『名古屋競輪開場60周年記念(GIII)レポート』 3日目編
配信日:3月29日
名古屋競輪開場60周年記念「金鯱賞争奪戦」は3日目を迎えた。吉田敏洋は吉本卓仁にまくられ、3度目の正直ならず準決Cで敗退。山田裕仁も決勝からこぼれた。その一方で永井清史、加藤慎平は順当に勝ち上がり、V獲りに王手をかけた。
最終日もたくさんのイベントが予定されております。まずは、先着入場者1000名様に各種プレゼントを配布。また、30日はSS班・伏見俊昭、山口幸二選手のトークショー(9R発売中、司会・中野浩一氏)、決勝戦展望、予想(11R発売中)、NHK野球解説者・伊東勤さんと元中部競輪編集長&西根麻里による「予想会」(7,10R発売中)、競輪選手会愛知支部によるチャリティーオークション(5,6R発売中)などが予定されております。どうぞお楽しみに。
<8R>
吉本卓仁選手
準決勝Cの1着権利を手にしたのは
吉本卓仁(写真)
。レースは逃げる吉田敏洋をバックでひとまくり。最後は追走する池田良を振り切ってゴールした。
「吉田さんが押さえてからも誘導がずっと残ってたし、及川(裕奨)さんが引いてきたんでヤバいと思ったけど、バックの風が止んだ感じだったからいけましたね。初日、2日目とギアを掛けて引っ掛りが出てきたし、スピードも戻ってきた感じですね。記念の決勝は初めて。いつも準決Aでやらかしてたんで、準決Cでかえって気楽に行けました」
直線に入り、
池田良
は残る力を振り絞ったが吉本を交わせず。
「吉本さんのスピードが良かったですね。4コーナーからの風がすごかったし、吉本さんにも踏み直された。展開としては絶好だったんだけど、完調ではないのでニュートラルに入らなくて休むところがなかった。普段の調子だったらもう少し良い勝負ができたと思う」
<9R>
斉藤正剛選手
遠澤健二選手
準決Bはベテランの
斉藤正剛(写真)
が最終ホームからカマして主導権を奪い、強風をものともせずに堂々と逃げ切った。
「とりあえず前に出ちゃえば楽になるかなと。ジャン過ぎで前が併走してたし、いつ行こうかなとタイミングを待ってました。でも、風がつよいからね。(番手の)遠澤(健二)さんにも風に当たってもらって、外に何度か振りながらいきまし(笑)」
遠澤健二(写真)
がしっかりマークして2着で決勝進出。
「去年、マサ(斉藤)は冬期移動で平塚に来て練習してたし、強いのは知ってたんでね。練習で千切れたこともあったし。行きそうな展開になったし、駆けはじめは残さないとと思ってたけど、マサが外にはずすから風が当たるし、内を閉めておかないとダメだったからキツくなっちゃって。2着確保で後ろから喰われないようにだけ気を付けてました。でも、最後は伸びると思って踏んだけど、思ったよりも出なかった。決して調子は良いわけではないかも」
高橋和也
は何もできずに凡走に終わり、
「前受けから引いて、カマすつもりだったけど…。誘導のスピードが上がってしまい…」と茫然自失。
佐藤悦夫
もあてが外れた。
「高橋君は引くと思ったし、そうなれば飛び付こうと思ってたんですけどね」
<10R>
兵藤一也選手
菅田壱道選手
前受けした菅田壱道が車を下げると、ジャン過ぎからカマして主導権を奪った。ペースに持ち込むと、中川誠一郎と柴崎俊光の別線を完封。最後は
兵藤一也(写真)
がゴール寸前で差し切った。
「中川君が先に前を押さえてくれたし、何通りか考えた作戦のうちの一つになった。菅田君も行くべきところでしっかりと踏んでくれたしね。落車の怪我はまだ少し痛いけど、レースになれば気にならないし、今日は気合も入ってたんで大丈夫だった」
2着の
菅田壱道(写真)
もしてやったりの様子。
「風がすごいからずっと外併走することはないだろうし、前を切ってくれると思っていた。展開に恵まれたけど、作戦通りにいきましたね。ホームで風がすごかったけど、バックでニュートラルに入ったんで最後まで巧く踏めました。斉藤(正剛)さんに『(決勝に)上がってこいよ』と言われたから緊張したけど、決勝に行けてよかった。これでやっと復調と言って良いくらいになったかな」
大薗宏
は踏み出しで離れたが、懸命に追い上げて付け直し3着をキープした。
「スタートを取るだけで一杯だった。踏み出しでブッ千切れたし、付け直しても自分が先行してるくらいキツかった。日に日に調子が上向くタイプなんで、明日は良くなるでしょう」
大塚健一郎
は最後の直線で渾身の力を込めてペダルを踏んだが、届かず惜しくも4着。
「結果が全てだから仕方ない。でも、踏んだ感触は良かったし、手がかりをつかんだんで次につながるでしょう」
<11R>
加藤慎平選手
永井清史選手
最終レースは永井清史がジャンで前を叩くと、ホームから更に踏み込んで完全なるマイペース。一気にペースが上がるとライン4番手の清水広幸が千切れてしまい、五十嵐力、佐野梅一はこのあおりを受け、大きく立ち遅れ万事休す。最後はゴール直前で
加藤慎平(写真)
が差し切った。
「(永井は)競輪みたいに、入れ代わり立ち代わりのレース展開だとモロい面があるけど、今日みたいにスプリント競技みたいだと強いね。付いてるだけでキツかったし、あれ以上車間を空ける余裕もなかった。それにしてもオッズがかぶり過ぎでしょう」
永井清史(写真)
は交わされたものの、完勝と言っていいレースっぷり。
「ホームは向かい風だったから無理をせずに踏んで、バックから踏み直しました。巧くペースで駆けられたし、最後までしっかりと踏めました」
3着の
笠松信幸
は「永井が強かった」と脱帽。
「掛かりがすごかったし、付いていて余裕がなかった。後ろが離れてるなんて分からなかったですよ。自分のことで精一杯。後ろから喰われないように必死でした」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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