『名古屋競輪開場65周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:3月7日
 名古屋競輪開場65周年記念「金鯱賞争奪戦」が開幕。オープニングレースから失格のアクシデントが発生するなど波乱のスタートを切ったが、初日特選は稲川翔、平原康多、金子貴志がそれぞれ勝利。スピードバンクを舞台に、初日から手に汗握るレースが展開された。
 なお、名古屋本場ではたくさんのイベント、ファンサービスが予定されております。まずは開催を通して先着入場者2,000名様に「ジュース」をプレゼント。また、「グルメカー」出店、日本競輪選手会愛知支部PRブース、OS☆Uミニライブなど盛りだくさん。さらに明日8日(日)は未確定車券抽選会、プレミアム展望、りんともシスターズ歌謡ショー、OS☆Uミニライブが予定されております。こちらもどうぞお楽しみに。
<1R>
高木竜司選手
高木竜司選手
 オープニングから波乱のスタートとなり、3連単は29万円の大穴が飛び出した。レースは逃げた大谷靖茂に乗り、松崎貴久が1着入線も斜行で痛恨の失格。九州ラインの3番手を回った高木竜司(写真)が直線外を伸び、繰り上がりの1着。
 「桑原(亮)君はレースを作ってくれるんでね。仕掛けてくれて止まってしまったけど。古閑(良介)さんは内を締めてくれたので、僕にコースができました。今日はラインのおかげ。決して僕の脚ではありません(笑)」
 目標の桑原亮が止まると、古閑良介は松崎の後ろに俊敏にスイッチ。繰り上がって2着に。
 「桑原君は止まったし、ゴチャ付いてて。どっちに行って良いか分からなかったですね」
 鈴木庸之は強烈なブロックを食らったが、凌いで繰り上がりの3着。辛うじて二次予選進出を決めた。
 「良いのをもらいましたね。1回(ブロックが)きたけど(松崎が)諦めてきれたかと思ったら、もう1回きた。あれで溜めがなくなってしまいました。すんなりなら一気に行ってたけどね。脚は問題ないけど、朝のレースは厳しいですね」
 桑原亮は鈴木を追ったが、松崎にブロックされ万事休す。
 「先まくりに行こうと思ったけど、完全に遅れました。走り自体は軽かったけど油断しましたね。5着じゃダメなんですもんね。残念です」

<2R>
 屋良朝春が打鐘で誘導を切って前に出ると、7番手から久米康平がカマしてホーム前で主導権。久米はそのままレースを支配し、最後は番手の吉岡篤志が追い込んだ。
 「(久米が)練習の力を出してくれればいいけど、力みすぎているからね。僕は200%の力を出さないとあの位置にはいれないよ(笑)」
 徳島コンビを追った中園和剛は直線で吉岡に迫るも2着。
 「今日は久米のおかげ。車間を切ったり余裕はありました。直線で焦って踏んだ分、車が伸びなかったですね。状態も悪くないし、自分の中では1着を取れる展開でした。でも、ラインで決まったし良かったです」
 久米康平は3着に粘り、ラインで上位独占となった。
 「得意なスタイルに持ち込めたし、ラインで決まって良かったです。今回からギアを(3.)79から86にしたけど、後半が楽ですね。ちょっとずつ修正して、頑張ります」

<3R>
北村信明選手
北村信明選手
 3Rは逃げた木村弘と巻き返した竹田慎一でモガき合ったところを、北村信明(写真)がひとまくり。ラインでワンツーを決めた。
 「レース前、(初手で)中団を取る作戦でした。木村君が(竹田を)蓋したのが分かったから、これはやり合う気だなと。あとは中本君と併走になってムダ脚を使うよりは、ダッシュを生かすために引いてから一気に行こうと。竹田君と舘(泰守)さんの間が空いてたんで、間を行けるのか中途半端に踏んだので出切るまでキツかったですね。今日は展開に恵まれました」
 福島栄一は懸命に追い込むも交わせず2着。
 「北村君が強かったですね。バックでゴチャ付いてたんで焦ってしまい、車間が空いてしまった。あれがなければ抜けてたかも」

<4R>
 打鐘で前に出た矢口啓一郎を佐藤清之が強引に叩き、最終ホームで先行策。すると、佐藤ラインに続いた大西祐がホーム過ぎから一気にカマすと、抜群のスピードで前団をごぼう抜き。ライン3車で抜け出すと、最後は番手絶好の濱田浩司がチャンスをものにした。
 「僕は何もしていないです。でも、思ったより状態は良さそうな感じ。108点くらいはあるかな(笑)。後ろで余裕もあったし、車も伸びましたね。この感じを忘れないように。皆で勝ち上がれたんで良かった」
 大西祐はゴール前で高市訓但に交わされるも、3着に踏み止まった。
 「矢口さんが一回切って、山口(智弘)が内にいたけど、詰まるのはわかってました。佐藤さんは一旦外で止まったけど行ってくれたのでよかった。でも、そうならなくても自分で外を行こうと思ってました」

<5R>
深澤伸介選手
深澤伸介選手
 大方の予想通り、徹底先行の高久保雄介が主導権を握ると、武藤龍生が番手でイン粘りする展開に。すると、隊列が折り重なったところを山中秀将がまくり、最後は深澤伸介(写真)が追い込んだ。
 「1番良い展開でしたね。前回(大垣)は1番最悪だったけど(苦笑)。(山中が)あそこで行かないとっていう所で仕掛けてくれたんで。あそこで行かないとまくれない可能性だってあったんでね。(山中は)出切るまでに脚を使ったんで最後ちょっとタレたけど、ラインで勝ち上がれたのでよかった。記念の初日1着は久しぶり。嬉しいですね」
 山中秀将は最後に末を欠いたものの4着。辛うじて二次予選進出を決めた。
 「展開が良かったですね。武藤君が前を取れば粘るだろうし、そうなればチャンスがあるので、スタートは我慢しました。皆僕が前を取るだろうと思ってただろうけど、そこは譲れなかったので。展開通りになったけど、高久保君が強かったですね。合わされかけたし、普通に7番手からだったら無理だったかも。併走になってたからまくれました。踏み出しは良いけど、座ってからが今ひとつ。何か力んでしまうんですよね」
 武藤龍生は思い切った攻めを見せたが…。
 「高久保さんが(押さえて)来る展開だったら粘ろうと思ってました。3番手は後ろの先輩に迷惑かけるんで、やるなら番手と。三谷(政史)さんは横が強いんで脚を使いました。(山中に)行かれてしまったけど、やることをやっての結果なので。久しぶりのレースだったんで緊張しました」
 高久保雄介は6着に敗れ「外併走のときに脚を使ってキツかったですね。でも主導権を取ろうと思ってたし、そうできたので。今は我慢していくしかない」と肩を落とす。

<6R>
 赤板前で青森伸也が上昇し、誘導の後位が入れ替わる。青森ラインに続いた守谷陽介が、前受けから下げた伊藤裕貴の横で併走すると、青森は打鐘の2センターで誘導を切って先行態勢に入る。内に包まれた伊藤裕貴だったが、最終1センターで守谷を強引にどかして仕掛けると、抜群のスピードでまくり切った。
 「(スタート)けん制が入ったら前って話でした。守谷さんも遅れ気味だったし、青森さんも掛かり切る前だったんで、すかさず仕掛けられて良かったです。セッティングが出始めたし、踏み出しが綺麗に出ている。車が進んでいる方ですね。二次予選からは挑戦者なんで、しっかり頑張ります」
 伊藤マークの山口富生が2着に続いた。
 「伊藤が守谷をどかして、すかさず仕掛けてくれましたね。(直線で)思いっきり抜きに行ったけど、抜けなかった。まあ、僕らは良かったけど、地元の外山(三平)が勝ち上がれなかったのは残念だね」

<7R>
近藤龍徳選手
近藤龍徳選手
 ホームバンクの近藤龍徳(写真)が快勝し、場内は大歓声に包まれた。レースは近藤が先に動いて誘導を切り、杉森輝大のラインを受けて上手く中団を確保。杉森が懸命に逃げるなか、近藤は2コーナーからスパート。近藤は3コーナーで前団を捕らえると、そのまま先頭でゴールを駆け抜けた。
 「ここぞで出ましたね(笑)。勝ち上がってこその地元記念だし、今日は緊張しましたね。でも、あそこから仕掛けてまくれたんだから、調子が良い証拠だと思います。今日は勝ち方はどうあれ、後悔しないようなレースをしようと。1着が取れたので嬉しいですね」
 杉森の番手を回った小林潤二が大庭正紀をどかし、追い込んで2着に入る。
 「杉森君サマサマです。杉森君の掛かりが良かったからまくられる感じではなかったし、気付いたら(近藤に)前に出られてたんで止められなかった。でも、そこから番手を飛ばして切り替えたられたんでよかった。3番手の秋葉(大輔)君は3着に入ったし、ライン3人で勝ち上がれたんでよかった」
 杉森輝大はまくられたものの、4着に踏み止まり初の記念で一次予選を突破した。
 「(近藤に)先に切られるのは分かってました。あとは竹山(陵太)君がどこから仕掛けてくるか注意して。掛かりは悪くなかったけど、バックで行かれてしまったし、もう少し粘れれば。もう少し上手く駆けるのと、粘れるように修正します」

<8R>
 藤井栄二が打鐘で前を押さえ、一本棒に持ち込んで主導権を握る。最終ホーム過ぎから7番手の才迫開が反撃を開始するも、1センターから古屋琢晶に先まくりされて万事休す。その古屋が迫ってくると、今度は黒木誠一が番手まくりを敢行し、古屋を振り切って1着を飾った。
 「ギリギリまで待ったけどね。横に振って前が踏み直せば戻れるけど、来ていたしあれは無理かな。また、やってしまった」
 大外を踏んだ才迫開は2着入線も、悔しさを口にする。
 「デキが悪いですね。きつかったし、トップスピードまでもっていけない。少し待って、1コーナーから行けば上をいけたかも。ラインで決めたかったです。もうちょっと積極的な組み立てができればいいけど、脚がないですね」
 古屋琢晶は4着入線でギリギリ二次予選進出を決めた。
 「後ろでけん制し合っていたんで、遅かったら突っ張ろうと思ってました。才迫がきてから仕掛けたけど、前の黒木さんが番手まくりだったし、外を踏まされてキツかったです」

<9R>
服部克久選手
服部克久選手
 北川大五郎が逃げる一方で、中団から田中孝彦、7番手から坂本健太郎が1コーナーからほぼ同時に仕掛けてまくり合戦。自力各車は一歩も譲らず攻防は4コーナーまでもつれ、最後は服部克久(写真)が直線外を伸びて1着を手にした。
 「今日は坂本君のおかげ。1回突っ掛かってから無理矢理仕掛けてくれたし、遠澤(健二)さんとからんでも強引に行ってくれたので。僕は見ながら行ってたらちょっと口が空いてしまった。追い付いてからは、石毛さんに張られないように注意して、ギリギリまで待って踏みました」
 石毛克幸が直線内のコースを上手く踏んで2着に入る。
 「田中君が初手中団から一旦切って、上手く行ってくれましたね。想定通りでした。すかさず仕掛けてくれたけど、坂本君もすぐに来てましたね。僕は後ろに付いていて余裕があったし、最後もコースを見ながらいけました。調子は良いですね。でも今日は田中君のおかげです」
 坂本健太郎は苦しい大外まくりを堪えて3着に。
 「とにかくキツかった。ホームで緩んだんで行けると思って仕掛けたけど、田中君も踏んで同時になってしまった。苦しい展開だったけど、僕も意地でした。自分でも良く我慢できたと思います」
 逃げた北川の番手から、村田雅一が追い込んで4着で二次予選進出。
 「北川君は流したんで、掛かる前に行かれてしまいましたね。まくりが重なってきたんで止められなかった。でも、バンクは軽かったし、調子は悪くないです」

<10R>
稲川翔選手
稲川翔選手
 石井秀治が後ろ攻めから前を押さえると、自力勝負の村上義弘が打鐘前、8番手からカマして先頭に立つ。一旦村上ラインの後ろに入った松岡貴久だったが、2センターから踏み上げ村上とモガき合いに。後ろが離れ単騎となった松岡を稲川翔が飛ばすと、今度は神山拓弥が襲い掛かる。しかし、稲川翔(写真)は落ち着いて波を作ってけん制を入れると、直線で追い込み3か月ぶりの勝利を手にした。
 「緊張しました。初日にこの位置を走らせてもらったのは大きい。久しぶりなのは言い訳だけど、無駄な動きがありますね。ワンツーの展開だったけど、村上さんを3着にしてしまったのは、自分の実力不足です」
 神山拓弥は直線で踏み直すも、届かず2着。
 「村上さんが打鐘くらいに来て、後方にならないように前々に踏みました。いろいろ練習を変えて、そういうのがいい方向に向いている。脚自体も最後まで余裕がありました」
 村上義弘は粘りを発揮して3着に残った。
 「自分の思っていた展開ではなかった。その分、強引に行って休むところがなかったね。2着に残れなくて…。神山が強かった」

<11R>
平原康多選手
平原康多選手
 天田裕輝が後ろ攻めから押さえていくと、前受けした吉田敏洋が突っ張って主導権を握る。モガキ合いは2コーナーまで続き、外の天田が力尽きると菊地圭尚が満を持してスパート。前団を飲み込むと、平原康多(写真)が追い上げる形から番手に入り、直線で追い込んで勝利した。
 「最悪にキツかったですね(笑)。ニュートラルに入らないところからだったし、コーナーの上りでタイミングも取れない状態から踏み上げたんで苦しかった。今日は難しかったけど、天田君が頑張ってくれたし、気持ちが嬉しかったですね。目標がいるとああいう風になるんだよね(苦笑)。仕方ない」
 菊地圭尚は平原に交わされるも、見せ場を作って2着に。
 「展開が向きましたね。今日は前受けすると苦しい展開になるだろうから中団からと。動くとしたら吉田さんか天田君なんで、動きを見てそこからと思ってました。僕にはすんなりの展開だったんでね。平原君が楽そうに外にいたんで、先に踏んだ方がいいと思ってたらコースができたので思い切って行きました。でも、あまりにも平原君に抜かれましたね」
 池田良は2センターで内のコースを突いて3着入線。単独審議に挙げられたが、結果はセーフに。
 「(空いたのを)見てから入ったので、審議になったけど大丈夫と思ってました。前回(全日本で2回)落車してるけど、何とかやれる感じです」 

<12R>
金子貴志選手
金子貴志選手
 後ろ攻めの井上昌己が早めに前を押さえると、打鐘過ぎ2センターから渡邉一成がカマして主導権を握る。これに続いた深谷知広が猛スピードで襲い掛かると、番手の内藤宣彦が絶妙のブロックで深谷を阻止。すると、金子貴志(写真)が下りて北の3番手にスイッチし、早めに追い込んで勝利した。
 「深谷がすごいスピードだったんで離れてしまうかと思った。無理矢理行ってくれたし、2人で決めたかったけど。あそこまで行ってくれたんでね(切り替えました)」
 好援護した内藤宣彦が2着に入る。
 「一成がすごく掛かってたんで、これは(後ろは)行けないと思ったけど、すかさず深谷が来たね。(ブロックは)無意識に反応した感じでした。そのあとに金子がきたんでビックリしたけど。今日は深谷か一成が先手を取ると思ってたけど、初手で深谷が前の方にいたんで自分たちが先行だと。一成が掛かってたからブロックをしやすかったね。僕の状態は良いです」
 大塚健一郎が直線外を伸びて3着に。
 「今回は(新車を)硬いのにしてギアを下げたら折り合いがだいぶ良くなりましたね。ダイレクトに伝わる感じがするので。もっと煮詰めて良くしたい」
 深谷知広はシンガリの9着となり、二次予選から仕切り直し。
 「内藤さんの一発もらったのはタイミングでしたね。一成さんとダッシュ勝負になったけど、もう少し早くか遅くいくべきだったかな。でも感じは悪くないです」
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