『名古屋競輪開場65周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:3月8日
 名古屋競輪開場65周年記念「金鯱賞争奪戦」は2日目を終了した。本日は気温が15度を超え、風もほとんどなく絶好のコンディション。11秒台前半のラップが頻発するなど、ハイスピードレースが展開された。メインの優秀「太閤賞」は村上義弘が自力まくりに転じて勝利。明日の3日目は準決勝をメインに争われます。 
 なお、名古屋本場ではたくさんのイベント、ファンサービスが予定されております。まずは開催を通して先着入場者2,000名様に「ジュース」をプレゼント。また、「グルメカー」出店、日本競輪選手会愛知支部PRブース、OS☆Uミニライブなど盛りだくさん。さらに明日9日(月)はプレミアム展望、伏見俊昭選手のトークショー、日本競輪選手会愛知支部ステージが予定されております。こちらもどうぞお楽しみに。
<6R>
近藤龍徳選手
近藤龍徳選手
 準決勝1番乗りを決めたのは、地元の近藤龍徳(写真)。レースは打鐘前から伊藤裕貴が主導権を握ると、最終1コーナーから石井秀治が7番手まくり。中団を確保した矢口啓一郎が先まくりを放つと、さらに近藤が車間を詰めながら出ていく展開に。近藤は矢口に先を行かれたが、直線で差し切った。
 「今日は裕貴のおかげです。最後は地元の気迫で抜きました。次はいよいよ準決勝ですね」
 まくった矢口啓一郎は2着となる。
 「中団を取って、石井さんが来なかったけど、ホームくらいから来たんで合わせて踏みました。記念の準決に勝ち上がるのは楽ではないですね」
 磯田旭は矢口と連係が外れるも、リカバリーして3着。準決勝進出を決めたが、不満が残る内容に「次は連係を外さないように気をつけます」と言葉少なに引き揚げた。

<7R>
松岡貴久選手
松岡貴久選手
 五十嵐力が先に上昇して押さえると、打鐘から北村信明がさらに叩いて主導権を握る。北村が懸命に逃げるなか、まずは2コーナー手前から松岡貴久が反撃を開始すると、合わせて濱田浩司が番手まくりで応酬して力勝負に。さらに直線では五十嵐力も迫ってゴール前は横一線となったが、松岡貴久(写真)が1/2輪差優って1着を手にした。
 「濱田さんが番手から出るとか関係なく、タイミングが来たので自分で出ました。3コーナーで上ったときにスピードが止まったんで(井上)昌己さんに行ってもらってもよかったけど。でも、久しぶりに動けている感じになってきましたね。4,5年ぶりくらいに動ける感じが。やっと楽しくなってきました(笑)」
 北村の最大限の引き出しを受け、濱田浩司が2着に入る。
 「北村君が行ってくれたおかげです。気持ちが嬉しかったですね。ただ、出るのがちょっと遅かったかな。3コーナーで横に(松岡が)見えたんでどうかと思ったけど。もう少し僕に脚があれば福島(栄一)君も準決に乗れたのに」
 五十嵐力は3着に入るも「全く車が出ない感じですね」とやや不満の残る内容。
 「中団が取れたのはよかったけど、最近はいつもこんな感じなんで。年末怪我で休んでいて、まだ戻ってないのかも。もう少し戻ってくれれば」

<8R>
吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 6Rの近藤龍徳に続けと、ホームバンクの吉田敏洋(写真)が勝利した。レースは隊列が激しく入れ替わり、久米康平が打鐘過ぎに最終主導権。上手く3番手を確保した吉田は鈴木庸之の反撃に合わせ、最終1センターからまくり出る。吉田は堤洋の強烈ブロックを受けるも、なんとかしのぎ1着を手にした。
 「堤さんを見ながらしっかり仕掛けていけたので、ブロックを乗り越えられました。余裕はあったけど、最初に踏み上げたときは車の出が良くなかったですね。いつもはファンの声援が厳しいけど、今日は優しいですね」
 2着には吉田マークの山口富生が続き、中部勢でワンツー決着となった。
 「(前回)大垣のときよりだいぶ修正して噛み合っていますね。鈴木君が外をカマしてきて合わせたけど、入られないようにびっちり付いていけたし、調子は悪くない。抜けなかったけど上出来ですね」
 最終バック8番手から踏み上げた萩原孝之が3着に入線。
 「ジャン過ぎまでは作戦通りだったけどね。吉田に入られたのが失敗ですね。緊張した…」

<9R>
渡邉一成選手
渡邉一成選手
 渡邉一成(写真)が上がり11秒6の好タイムで逃げ切り快勝。レースは大西祐が渡邉に蓋をしてから打鐘で押さえると、一旦は中団に入った渡邉がすぐにスパート。渡邉は一瞬にして大西を抜き去ると、あとはマイペース。番手の大槻寛徳を振り切ってゴールした。
 「僕の中では中団で休んだ感じではなかったんですけどね。とにかくスピードを殺さないように行った方がいいと思って。そのときの判断に従って走ってた感じだったので必死でした。初日は疲れがあったけどね。今日1周駆けて、明日疲れが出なければいいですね」
 大槻寛徳はきっちりマークを決めて2着を確保した。
 「一旦中団で休むと思ったんで(坂本健太郎を)キメようと思ったけど、すかさず行きましたね。離れたらまずいんで必死で付いていきましたよ。昨日も悪くなかったし、前回より調子は良いですね」
 池田憲昭が直線外を伸びて3着に入る。
 「坂本さんがまくってきたのかと思ってヤバいと思ったけど、6番(野村純宏)だったんでよかった。向こうも追い上げて脚にきているだろうから、振らずにじっとしてました。来る前に練習で追い込んできたので、今回は重たいですね」
 坂本健太郎は「力負けです」と完敗。
 「渡邉君は中団で構えてくれると思ったけどすぐに行ってしまうし、締め込まれるしで。明日はしっかり走ります」

<10R>
天田裕輝選手
天田裕輝選手
 中園和剛が切った先に上を、才迫開が叩いてレースを支配する。天田裕輝(写真)は最終バック7番手の展開となったが、余裕を持って3コーナーから踏み出すと、大外を強襲し人気に応えた。
 「友定(祐己)さんが付いているから、才迫が行くのはわかっていた。中園さんが切ると思ったけど、なかなか来ないから突っ張るか迷ってしまいましたね。中途半端でした。ワンテンポ早く引いたらカマしに行けたけど。調子自体は悪くないです」
 友定祐己が直線で追い込んで2着に。
 「ちょっと抜くのが早かったかなって思ったけど、あれ以上は待てないので。本当に3人で決めたかったから、天田を外踏まそうと思ったけど…。でも、才迫が残ってくれてよかった」
 逃げた才迫開は3着に粘り、準決勝進出を決めた。
 「前回、友定さんと一緒のときに失敗したんで、今日は友定さんだけでも上がってくれればと思っていました。展開も良かったし、勝ち上がれて良かった」

<11R>
伊藤健詞選手
伊藤健詞選手
 「まさか差せるとは思わなかった」と伊藤健詞(写真)が終始笑顔でレースを振り返る。11レースは前受けした深谷知広が車を下げると、打鐘前の2コーナーから一気の反撃。深谷は猛スピードで先頭に躍り出ると、1周半以上を先行。最後は伊藤がゴール寸前で見事差し切った。
 「付いていて楽なんだけど、深谷君の踏み直しは強烈だしね。掛かってた? いや深谷はいつも掛かってるよ(笑)。でも、あれを差せたんだから僕も調子は良いと思います」
 深谷知広は交わされたものの、力を出し切り満足げ。
 「ラインで決まったので100点ですね。あれで押し切れてたら最高だったけど。流すと後ろから来てしまうので、ずっとハイペースでキツかった。でも、ああいうレースをしていけば戻ってくると思います」
 村田雅一はきっちり3着を確保した。
 「僕は付いてただけなんでね(笑)。気を抜くと離れるんで集中してました。最後は誰かが外を来たら自分も踏んで行こうと思ったけど、誰も来なかったので」
 山中秀将は中団に入ったものの、手も足も出ず茫然自失。流れ込みの4着に終わる。
 「深谷君が構えてくれれば僕が駆けたけど。来ても飛び付くくらいに踏んでいれば2,3番手くらいは取れたかと。甘かったですね。深谷君は2コーナーから完全に踏んで来てましたね。僕も覚悟を決めて踏んでいれば。これが今の力差なんですね」
 古屋琢晶も見せ場なく7着に終わる。
 「深谷君は2コーナーから無理矢理来た感じだったけど、来たときに僕も一緒に踏んで行ってれば…。ホームでも行くタイミングがあったのに。練習では感じが良かったし、今回は深谷君と楽しみにしてたんですけどね。甘かったです」

<12R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 「太閤賞」は金子貴志が前を押さえると、村上義弘に任された稲川翔が、打鐘からカマして積極策に出る展開に。車を下げた平原康多は追い上げて中団外併走から一気に踏み上げ、後続を引き離していく。このまま大勢決したかに見えたが、村上義弘(写真)が稲川を捨て自力に転じると、前との車間をグングンと詰め、ゴール直前で突き抜けた。
 「翔が良い流れを作ってくれました。何とか追い付いて良かったです。明日も翔に任せて走る」
 神山拓弥は踏み出しで口が空き、さらに村上のブロックに遭ったが、必死の追走で付け直し、最後は直線で交わして2着に。
 「平原さんがすごい強かったですね。レースであそこまで離れるなんて初めてです。今までで一番ヤバかったですよ」
 平原康多は交わされ3着も、納得の表情でレースを振り返る。
 「迷いながら行った割には車が流れてくれました。今回からダービー用に作った新フレームなんですけど、今日は良いスピードで1周回せましたね。村上さんが良い位置にいたから、抜かれたのはしょうがない。明日は天田(裕輝)君に任せます」
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