『名古屋競輪開場65周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:3月10日
 名古屋競輪開場65周年記念「金鯱賞争奪戦」が3月7日~10日の日程で行われ、4日間の熱戦に幕を下ろし、激戦を勝ち抜いた9名による決勝戦が最終第11レースで争われた。注目の決勝は松岡貴久が主導権を握ると、この3番手を取った平原康多がひとまくり。最後は神山拓弥がタイヤ差交わし、1年2カ月ぶり3度目の記念優勝を手にした。
決勝戦 レース経過
 号砲で最内の深谷知広が勢いよく飛び出し誘導員後位に。初手は深谷―吉田敏洋の地元コンビが前受け、村上義弘―萩原孝之が続き、平原康多―神山拓弥の関東コンビ、松岡貴久―大塚健一郎の九州コンビ、単騎の才迫開が最後方で周回。
 青板バックから松岡がゆっくりと上昇を始める。平原が九州勢を追走し、才迫も平原後位へ切り替える。さらに村上も才迫に続き、結局、前受けの深谷は8番手まで下げて打鐘は一本棒で通過。先頭に出た松岡が打鐘過ぎから徐々に踏み上げてペースアップ。四角からスパート。六番手の村上が最終ホーム前からまくり上げると、三番手の平原も二角で村上に合わせてまくって出る。村上が平原の後ろを狙うも神山が許さない。平原は3角で松岡を捕らえるとあとは神山との一騎打ち。直線に入り神山が平原に詰め寄り、ゴール寸前でタイヤ差交わして優勝。村上の仕掛けを待って踏み出した深谷のまくりは全く車が進まず、3角中団からまくった才迫が3着に入った。


神山拓弥選手
神山拓弥選手
 ダービーの前哨戦となる大事な一戦。復調気配の深谷知広、村上義弘がシリーズを沸かせて決勝戦は好メンバーがそろったが、なかでも関東コンビが抜けていた。絶妙のタイミングで村上がスパートするも、これを上回るスピードで平原康多が先まくり。そして猛スピードの平原を、最後はこれまた今節絶好調の神山拓弥(写真)がタイヤ差交わし、3度目の記念優勝を果たした。
 「平原さんは強いんで、全てやってくれました。村上さんがきたときに危ない感じはあったけど、しっかり付いていくことを考えて、いけて良かったです。初日、準決と自力で勝ち上がれたので自信を持って決勝戦に挑めました」
 練習方法を変え、更なるパワーアップに成功。前回の四日市記念では武田豊樹の前回りを自ら志願。そして、今回2度の自力戦で自信も付いた。次はいよいよG1最高峰のダービー。勢いそのまま突っ走る。
 「(昨年1月)大宮記念を獲ってからずっと良くなくて。練習方法を変えてやっと良くなってきて、全日本で感覚をつかんだのが大きかった。ダービーはすごい人たちがたくさんいるんで、僕も負けないように一戦一戦頑張ります」

 平原康多は惜しくも2着となったが、後輩の優勝に満足げ。
 「良い勝負ができたしね。拓弥には世話にもなってるし、2着でも優勝したようなもんでしょう。今日は松岡君が押さえてから誰かが切って、叩く展開かなと思ったけど。村上さんが来たのが見えたんで、無理矢理1センターから仕掛けました。予想外の所でくるのがさすが村上さん。2コーナーから行きたかったけど、タイミングを狂わされました」

 伏兵の才迫開が3着。大活躍と言っても良い走りを見せた。
 「今日は2番目のラインに付いて行こうと思ってました。たとえ誰かが切ってきて、その上を飛んできても5番手を確保できるので。前が行ってから僕も良い感じで踏めましたね。ただ、僕にラインがあったらまた違った展開になるだろうし、9着になるかも知れないし。今度はラインで決勝に乗ってみたい。最近、広島が元気がないんで、少しは刺激になるかな」

 村上義弘は1番先に勝負に出たが、平原の先まくりに屈する。
 「平原が強すぎた。強い平原を内に包み込むか、そんな選手ではないけど後方に置くかしないと。松岡も思ったより早めに駆けたので。でも4日間で手応えを感じたし、1月2月のしんどい時期はあったけど何とか…。完璧ではないにしても状態は上向いてるんでダービーも頑張ります」

 深谷知広は8番手から仕掛けるも、3コーナーで力尽きた。
 「力不足でした。後ろから外を仕掛けたけど、前がすごいスピードで全然行けなかった。ごまかしはできるけど、まだ上位とは戦えないですね。ダービーではやるだけやって、行ける所まで頑張るしかない」

 松岡貴久は、半ば逃がされる展開に。
 「腹をくくりながらも、深谷が来てくれないかなと。来たら3番手と思ってたけど誰も来なかったので。皆条件は一緒なんで風は関係ない。状態は良くなったけど、さすがに先行は無理です」 ゴール
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