『岐阜競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:12月18日


 いよいよ開幕した「長良川鵜飼カップ」。舞台となる岐阜競輪場は熱戦の連続で、寒さを吹き飛ばすようなスピードレースの連続となった。岡部芳幸は自ら活路を開いて明日(19日)のかがり火賞へ、石丸寛之は出鼻をくじかれ二次予選A回りとS級S班争いの渦中にある二人は明暗が分かれた。明日もこの二人の走りから目が離せない。
  明日は先着1,500名様に串カツ券をお配りします。早朝予想会、久保千代志さんと工藤わこさんによるレース展望などイベントもご用意。ぜひ本場でご観戦ください。


<1R>
 オープニングレースを制したのは人気の坂木田雄介。冷静な中団確保からあっさりと前団をまくった。
  「後ろが競りになるので、普通に先行したら僕の勝ちはないでしょう。ラインがすんなりだったら逃げるつもりだったんですけどね。先行するふりをして、和田さんに脚を使わせて、じっくりまくりに構えました。今日は展開に恵まれました」
  亀井宏佳は「競りに勝ったというか…。坂木田君は倍数が掛かっているので置いて行かれないように必死だったんだけど、和田さんに合わされちゃいました。3コーナーを乗り切れれば勝ち上がれたのに」と唇を噛んだ。


<2R>
広瀬裕道選手
廣瀬裕道選手
   東勢が上位独占。三番手から廣瀬裕道(写真)が突き抜けて1着をさらった。
  「こんな時に勝つとはね。こうなると11月松山Sの失格が痛いな。今日は余裕があったし、旭の先行も掛かってたからまくられる感じじゃなかったしね。とにかく嬉しいですね」
  駆けた旭啓介は3着に踏み止まった。
  「自分としては良く残ったなって感じですね。ケガの影響もまだあるし、前回から中3日なので腰の状態も今一つ。うまく駆けられたんですけどね。でも首の皮一枚つながったので、明日も積極的に」


<3R>
 昨日、「自信が戻った」とコメントした久冨武が大まくりで快勝した。
  「今日はキツかったですよ。あれなら突っ張って駆けた方が楽だった。9番(森川)が内に行った時はアレッて感じでしたけど、6番手で単独になって、自分のタイミングで仕掛けられたのが勝因ですね。明日も頑張って、石丸さんと一緒のレースに乗りたいですね」


<4R>
 目標の森田達也が不発と最悪の展開になってしまった成田直喜だが、中団からすさまじい勢いで突っ込んで1着をさらった。
  「8割方、森田が駆けると思っていたので、他のラインに粘られたらどうしようとばかり考えていたんだけど、あんならしくないレースをするとはね。行けるチャンスは何度かあったんだけど。伸びはまあまあかな。森田が仕掛けてくれたから勢いをもらえました」


<5R>
宮越大選手
宮越大選手
   竹内公亮が一気のまくりで関東ラインを沈めた。宮越大に差されてしまったが、「軽く差されちゃいましたね。今回はS級の点数がかかっているけど、そればかり気にしてたら気持ちよく走れない。実は、これが今年初めての地元戦なんです。自分の中で目標にしてきたレースだし、力を出し切ることだけを心掛けます」と前向きなコメントを残した。
  勝った宮越大(写真)は「竹内君がいいレースをしてくれましたね。こういうチャンスをしっかりものにしないと流れを逃しちゃうので、しっかり抜かせてもらいました(笑)」


<6R>
 番手戦に出た川崎健次は「中団、中団から攻める作戦だったんですけど、田村さんが遅れて来てたので、こんなところで並走するよりも番手まで行っちゃった方がいいと判断しました。感じは悪くないですね」とレースをふり返った。


<7R>
爲田学選手
爲田学選手
   関東勢が完全に主導権を握った。逃げる松田優一を徹底援護した爲田学(写真)が快勝。
  「記念の選抜は久しぶりだから緊張しましたよ。7着までに入れば勝ち上がると分かっていても、レースは何があるか分かりませんからね。今日は松田君が本当にいいレースをしてくれた。踏み直しもきいてたし、目一杯抜きに掛かりました。明日は二次予選A。特選スタートの人と並べましたね」


<8R>
大槻寛徳選手
大槻寛徳選手
   佐藤亙と小林則之が激しい先行争いを演じた。この両ラインを小泉俊也が一気にまくって決着。北勢の完全勝利となった。小泉は「あんなに展開が向くとはね。久しぶりに会心のレースができました。抜かれたのは残念だけど、こういうレースを続けていればまた勝つチャンスは回ってくるでしょう」。
  大槻寛徳(写真)は久しぶりの1着ゲットに喜びを爆発させた。
  「小泉さんのおかげ。1着は8月以来になるのかな。本当に嬉しいです。抜けるとは思わなかったけど、思ったよりも車が出ました」


<9R>
紫原政文選手
紫原政文選手
   特選最初のレースは見応えのある展開となった。先手を取ったのは石橋慎太郎。最近の不振を払拭する果敢な逃げを打った。
  「最終バックではもう一杯。よく3着に入れたなって感じです。良い時に比べると4割ぐらいのデキかな。今は足りないものだらけです」
  岡部芳幸は南関勢との連結が離れてしまったが、バックからまくり上げてピンチを脱出した。
  「1番車だったので、良い位置を取ってあげることぐらいしかできなかったんですけど、作戦は南関の二人に任せていました。(ホームで)内を空ける訳にはいかないので(内を)締めていたんだけど、石橋が仕掛ける時に山下ろしで行ったでしょう。あれじゃ離れちゃいますよ。前の二人には悪かったけど、初日にタテに踏めたのは良かったと思います」
  やはり乗れている紫原政文(写真)。中バンクを一気に突き抜けての快勝劇に、検車場の選手からもどよめきが漏れた。
  「見た目ほど余裕はなかったですね。2センターでは届く感じは全くなかったんですけど、直線では思ったよりも車が出たので思い切り踏みました。でも、藤野君に言わせると、3テンポぐらい遅かったみたいです(笑)」


<10R>
手島慶介選手
手島慶介選手
   山口貴弘が鮮やかなまくりを放った。やはり全日本選抜からの好調は本物だ。
「初周の並びから予想通りだったし、レースの展開も考えていた通り。濱口さんにブロックされないよう、コーナーに入る前に出切ろうという仕掛けになりました」
 山口の動きに乗って1着の手島慶介(写真)は「山口は脚がありますね。僕が前でも同じ動きになったと思う。勝てたのは嬉しいけど、やっぱりまだ自分は気が抜けている部分があると思う。まだ年末があるし、気持ちを引き締めていかないとね」
石丸寛之は「踏み出した瞬間、前の8番と接触しかけて勢いが死んでしまった。あそこが僕の生命線なのに。仕方がない、気持ちを切り替えます」。


<11R>
加藤慎平選手
加藤慎平選手
   浅井康太がガンガン飛ばし、レースは完全に中部勢のもの。加藤慎平(写真)が抜け出して快勝。圧倒的な人気に応えた。
  「走る前にオッズを見たら、僕と(山口)幸二さんで2倍ちょっとだった。緊張しましたね。これはしっかり決めないとダメだと思い、浅井には悪かったけど前に踏みました。できればアイツが3着に残って欲しかったですけどね」
  浅井康太も納得の表情でレースをふり返る。
  「うまく駆けられたけど、踏んだ感じはどうかな…。ペースには入ったけど、回せなかったですね。踏み直しもいつもの感じじゃなかった。でも、残れなかったのは自分の力なので仕方ありません。初日4着は松阪記念と一緒。今度は失敗しないよう気合を入れ直します」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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