『岐阜競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:12月27日


 12月24日からはじまった岐阜競輪開設60周年記念「長良川鵜飼カップ」は本日27日に最終日を迎え、4日間の全日程を終了した。決勝は落車のアクシデントがあったものの、坂本亮馬が間一髪でこれを避け、追い込んで優勝。2009年最後の記念開催は坂本の優勝で幕を閉じた。

決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると合志正臣がスタートを決めて坂本亮馬を受けると、三番手を西田雅志が固める。中団は併走もあったが佐藤慎太郎が占めて水書義弘が続き、後方に松尾淳―志智俊夫―前田拓也―小橋正義の隊列に落ち着いて周回が進んだ。
  赤板で松尾ラインが上昇すると、佐藤が中団に切り替えて坂本は七番手まで下げ打鐘を迎える。松尾は後方を窺いながら鐘過ぎの四角からスパートし、佐藤が前との車間を空けながら坂本を牽制する。坂本が一角から仕掛けると佐藤も合わせて二角からまくり上げる。水書は佐藤に遅れて内に詰まり、坂本が佐藤を追う形となる。バック手前で小橋もまくり上げるが前田の横まで。志智も三角番手から自力で発進。2センターで前田と小橋が接触して落車、坂本は佐藤の内に斬り込み避けたが、合志は乗り上げて落車する。志智が先頭で四角を回るも、2センター内突き直線で外に持ち出した坂本がゴール前で志智を捕らえ、今年2度目の記念Vを飾った。


坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
 前検日から好調を宣言していた坂本亮馬。ダービーの特選スタートが掛かっている今節だったが、人一倍強気な若武者にプレッシャーなるものは皆無だった。スーパールーキー・深谷知広の初日の走りに触発されると、初日9レースは合志正臣を千切ってまくり圧勝。これで勢い付いた。シリーズを通して勝気なコメントがポンポン飛び出し、決勝は落車のアクシデントもなんのその。有言実行の走りで優勝して見せた。
  「作戦は何も考えてなかったし、流れのなかで戦っていくタイプなんで決勝もそうでした。七番手になることも想定してたし、前がベタ流ししていたら準決のように内を行こうとも考えてました。慎太郎さんが僕を警戒してくるだろうし、内を誘ってもくるだろうし。最後も落車がありそうな予感がしてたから、内外とどっちでも避けられるように構えてた。最後は志智さんが必死で踏んでくるだろうから、それを見ながら外を踏みました。1センターで6番とぶつかってちょっとキツかったけど、それ以外は全てがうまくいきました」
  この優勝賞金だけでも410万円を上積みし、ダービーの特選スタートにグッと近づいた。
  「これで大丈夫ですかね? でも、結果がどうあれ自分は全く気にしてなかったんで。前検日から優勝してしまえば行けるとは言ってたけど、実際は優勝自体がタマタマまだし。それよりも、今年最後のレースを優勝で締めくくれたのが良かったですよ。来年の競輪祭も特選スタートできそうだし、今年11月の決勝3着の悔しさを来年で晴らしたい」

  志智俊夫は地元優勝をつかみかけたが、ゴール寸前でスルリと手元からこぼれた。
  「もったいない。松尾があれだけ行ってくれたし、自分は落車の影響は全くなかったのに。被ったらダメだから3コーナーから出たけど、進みにくいところだったのもあるけど余裕がなかったというか…。実は前検日に師匠が亡くなったんだけど、そういうなかでも決勝に乗れたから、何とかして結果を出したかったんですけどね。残念です。でも、来年につながる開催になったし、一時は調子が悪かったけど、このままではダメだという気持ちになった。後ろを回るレースが多くて皆に助けられてる状態だけど、何とか自分の力で勝てるところまで這い上がりたい」

  佐藤慎太郎は間一髪で落車を避けての3着で確定板に挙がった。
  「前を取りたかったけど、決勝は中団にこだわっていくレースしかなかったからね。初日のこともあるし、亮馬がいつカマしてくるかでずっと警戒してました。小橋さんより先に、もうワンテンポ早く仕掛けてもよかったけど、そうすると亮馬を引き出すことになってしまうからね。小橋さんが行って自分も踏み込んでた分、(落車を)避けられた」

  松尾淳は4着に敗れたものの、力を出し切り満足げ。
  「ペースで駆けたつもりだけどね。今回は先行してないし、怪我明けで久しぶりだったから先行の感覚がつかめなかったね。掛かりもどうだったか分からないくらい。悔しいけど、怪我明けでここまでやれたんだから、次につながると思います」

  西田雅志はスピードが乗り、さあこれからという所で落車のアクシデント。
  「周回中から脚が軽かったし、自分に『いける』と何度も言い聞かせてました。九番手になることも予想してたし、バックで余裕もあった。亮馬がいつ行っても良いように、構えてたんだけどね。落車せんかっただけでもよかったけど、今回は調子が良かっただけに悔しいね。この悔しさを次の熊本記念でぶつけます」


ゴール




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