『岐阜競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:9月23日
 岐阜競輪開設65周年記念「長良川鵜飼カップ」は9月23日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。注目の決勝戦は北日本作戦が奏功。主導権を握った守澤太志の後位から小松崎大地が番手まくり。これに乗った山崎芳仁が直線で鋭く追い込んで快勝。4月西武園以来、今年3度目の記念優勝を飾った。
決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると村上義弘が真っ先に飛び出してスタートを取った。初手は村上―林雄一、岡田征陽、北津留翼―小野俊之―大塚健一郎、守澤太志―小松崎大地―山崎芳仁の順で並んだ。
 周回が進み、青板ホームから早くも守澤が動いて北津留の外で蓋をする。そのままの態勢でレースが流れ、守澤は赤板から一気に踏み込んで誘導を交わして先頭に立つ。この動きに反応した岡田が上手く4番手を確保し、村上は5番手。北津留は7番手に置かれた。先頭の守澤がフカしていき、一本棒の隊列で打鐘が入ると、小松崎は車間を斬って後ろを警戒していく。小松崎は何度も振り返ったのち、車間を詰める勢いで最終ホームから番手発進。さらに村上も2コーナーから渾身のまくりで応酬する。村上はジリジリと番手を上げて行ったが、山崎の横までが精一杯。山崎が軽くけん制すると、村上は2センターで力尽きた。すると、この動きを見た岡田が山崎の内に潜り込み、山崎をドカしに行くがバランスを崩して転倒。内のコースを踏んできた小野、大塚がこれに巻き込まれ落車してしまう。4コーナーを立ち上がって、アクシデントを堪えた山崎が追い込んで1着でゴール。小松崎が2着に粘り込んだ。


山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 北日本勢の強い絆が実を結んだ。3人の連係プレーは完璧だった。守澤太志が赤板からハイペースで逃げて小松崎大地が番手発進。最後は山崎芳仁(写真)が直線一気に追い込んで完勝。怒涛の波状攻撃で別線の反撃を寄せ付けなかった。
 「後輩の頑張りのおかげですね。2人とも落ち着いていたし、自分に絶好の展開になりました。村上さんがまくって来るのは分かっていたので、それは絶対に止めようと思っていました。内に(岡田)征陽が入ってくるのも予想していたし、しっかり対処できました。直線は山おろしで踏んだ感じですね。優勝できたのは本当にうれしい」
 前橋オールスターは1次予選で敗退。その悔しさを胸に秘め、今シリーズは心気一転、新たな気持ちで迎えていた。
 「オールスターが散々な成績だったので、今回は初心に返って、フレーム、シューズを換えました。フレームは先行していた頃のもので、8、9年ぶりに使いました。感じは良かったので、これからもこのフレームでいけそうですね」
 ここ数年はビッグ戦線で低迷が続いているが、反撃の態勢は整った。勝負の終盤戦へラストスパートをかける。
 「最近はG1であまり活躍できていなかったので、これからはしっかり結果を残していきたい。また元の位置に戻れるように頑張ります」

 小松崎大地は初めての番手回り。最終1コーナーからスパートして、最後まで力強く踏み切った。
 「守澤君が落ち着いていましたね。村上さんが仕掛ける前に踏まないと彼の頑張りが無駄になってしまうと思った。ガツンといくと最後まで持たないので、ちょっとずつ上げていく感じで踏みました。最後は山崎さんのスピードが違ったけど、ワンツーが決まって良かったです」

 守澤太志は志願の前回り。落ち着いたレース運びで主導権を奪った。
 「自分から前を走るのを志願したし、やることは1つですからね。前に出てしまえば、あとは後ろの先輩達が何とかしてくれるかなと。理想の展開に持ち込めました。後ろの先輩2人で決まったのが何よりです」

 SS班の村上義弘は中団5番手からまくり上げたが、北日本勢の固い結束の前に連覇の望みは断たれた。
 「1コーナーで行こうと思ったときに、ちょうど(小松崎に)踏まれた。それでも山崎のヨコまでと思って仕掛けたけど、車が進まなかった」

 村上マークの林雄一が落車を避けて3着に突っ込んだ。
 「前がすごいかかっていました。村上さんは2センター勝負でもいいのに、あそこから仕掛けるんだから本当にすごい。1回も緩むところがなくてきつかった。2センターは(落車で)焦ったけど、避けられて良かった」

 北津留翼は後方に置かれて凡走した。
 「北日本勢が積極的に行くのは分かっていたので、一緒に上がって突っ張るつもりだったんですが…。気付くのが遅れてフタをされてしまった。自分が悪いです」


ゴール
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