『岐阜競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:9月13日
 岐阜競輪場開設66周年記念「長良川鵜飼カップ(G3)」は、9月13日に最終日を迎え、第11レースに決勝戦が争われた。レースは、3番手を確保した山崎芳仁が武田豊樹との力勝負を制して優勝。4月高知記念に続き、今年2度目の記念優勝を飾った。
決勝戦 レース経過
 号砲で武田豊樹と渡邉晴智が出るが武田が誘導員の後位へ。隊列は武田―桑原大志が前受け、山崎芳仁―渡邉、竹内雄作―志智俊夫、浅井康太―柴崎俊光、単騎の野田源一は結局最後方に下がった。
 レースは青板2角から動く。浅井がゆっくりと上昇していくが、前受けの武田はこの動きをけん制し、併走するような状態で赤板を迎える。両者が見合った状態を山崎が内からすくい誘導員の後位へ。すると後方から竹内が一気にギアを入れて、打鐘過ぎに山崎を叩いて主導権を握る。叩かれた山崎は絶好の3番手を確保し、5番手に武田、浅井は8番手の一本棒で最終周回に入る。竹内がペースを落とさず逃げる中、まずは武田が2角前からまくっていく。3番手の山崎は武田のまくりにきっちり合わせて切る。両者の踏み合いは山崎に軍配が上がり、直線に入り粘る竹内を捕らえて岐阜記念連覇。2着には態勢を立て直した武田、3着には渡邉が入った。浅井は外に膨らみまくり不発。地元勢は竹内の5着が精一杯。


山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 「たまたまですよ」。いつものスマイルで検車場に引き揚げてきた山崎芳仁(写真)が大会連覇を飾った。今シリーズは初日から番手に飛び付くなど大立ち回り。優秀、準決勝では好位確保からのまくりでオール連対の勝ち上がり。そして迎えた決勝戦。レースは浅井康太が後ろから早めに動くと、前の武田豊樹は浅井を突っ張り出させない。すると、山崎が武田をすくい打鐘前でハナに立つ。
 「先行するつもりがあったからあの動きができた。地元の後ろって思っていたけど、あそこまで来たら竹内(雄作)以外は緩めない」
 思惑通り、竹内がカマしてくると山崎は絶好の3番手を確保。5番手の武田が1センターから反撃に出るも、「武田さんの動きはわかっていました」と合わせて仕掛ける。「打鐘で踏んだから脚は残ってなかったです。竹内もかかってたけど、無理矢理行きましたね」。
 武田との力勝負に勝つと、さらに逃げる竹内を捕らえ、最後は猛追した武田を振り切ってゴール。4月の高知以来、今年2度目の記念優勝を飾った。
 「連覇できましたね。岐阜は相性が良い。展開も向くし、大垣も優勝しているし。人の後ろはまだヘタなんで、これからみんなに迷惑をかけると思います(笑)」。最後まで山崎節だったが、今シリーズは圧巻の走りといっても過言ではない。この後に控えるオールスターでも、抜群の走りでファンを沸かせてくれるだろう。

 最後まで抵抗を見せた武田豊樹だったが、山崎に屈して2着。
 「今日は先行も考えていたけど、浅井と山崎のところで脚を使ってしまった。山崎に内をいかれたけど、まだ打鐘前だし、僕の考えもあった。ただ、まくりにいくのが遅かったね」

 山崎マークの渡邉晴智は直線中を割るも3着まで。
 「(ペースが)早かったですね。山崎君が強かったし、付いていくので一杯、一杯になってしまった。あれじゃオールスターは通用しない…」

 竹内雄作は懸命に逃げるも5着。悲願の地元記念制覇は叶わず。
 「山崎さんが3番手にいるとは思っていました。あそこで落ち着いて駆けないとダメですね。勉強不足。また練習してきます」

 武田に突っ張られた浅井康太は車を引いて8番手からの立て直し。最終2コーナーから仕掛けるも不発に終わった。
 「武田さんに脚を使わせようと思ったけど、突っ張りは想定外でしたね。ザキ(山崎)さんが内をしゃくったのも想定外。思い切り踏んだけどダメでした。ただ、もう少し上げたら(特別でも)できると思う」


ゴール
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