『大垣競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:7月21日

 大垣競輪場で開催されている開設67周年記念「水都大垣杯(GIII)」は、7月21日に2日目が行われた。二次予選のA、Bに分かれて争われた勝ち上がりでは、ホームバンクの松岡篤哉が逃げ切りでBを突破し、Aでは平原康多が先行策で勝ち星を挙げて力のあるところを見せた。22日の3日目には、ファイナル進出をかけて準決で激しい火花が散らされる。
 本場では22日の3日目も、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。先着有料入場者800人様に抽選で500円分の売店利用券が当たるラッキーカードを配布。先着有料入場者200人様に大垣けいりんタオルハンカチをプレゼント。山口幸二さんによるレース展望、未確定車券抽選会などが予定されています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

<6R>

山形一気選手
山形一気選手
 中田雄喜にフタをした佐藤龍二が、再度踏み込んで打鐘の3コーナーで先頭に立つ。前受けから飛び付いた山形一気(写真)は、和泉田喜一と併走して最終1センターでさばく。後方の中田がまくりで前団に迫ると、逃げる佐藤龍の番手の土屋裕二がブロック。空いたインを山形が突いて抜け出した。
 「(展開的に)めちゃくちゃ悩みました。そのなかでの判断でした。本当だったらハコ勝負にいかないといけないけど、自分がヘタクソで合ったのが和泉田さんのところだった。ただ、あれ(3番手奪取)がなかったら、最後のコースもなかった。脚の感覚はアップ中から悪くないんで、この感覚を大事にしたい」
 山形が踏んだコースを北村信明もなぞるように踏んで徳島ワンツー。
 「あの感じだったら(山形は)内かなっていうのがあった。自分もここ最近では悪くないと思います。練習してきたかいがあった。練習くらいは自力を増やさないとっていうのがあって、自分なりにはやってきた」


<7R>

長尾拳太選手
長尾拳太選手
 赤板手前からじわりと上昇を始めた長尾拳太を前受けの山本紳貴が突っ張り主導権は渡さない。山本ラインの4、5番手に山口貴弘、古川尚耶がスイッチして、長尾は6番手からの立て直しを余儀なくされる。さらに松尾透の切り替えで最終1センターでは長尾は7番手。しかしながら、長尾は4番手からまくった山口を目標にして踏み上げ前団をのみ込む。長尾を岡本総が8分の1輪、交わした。
 「長尾君が冷静に走ってくれましたね。(最終)3コーナーで一瞬外か内か踏もうと思ったけど、信頼して付いていって良かった。やっぱり人の後ろは楽ですね(笑)。追走していても余裕はあったし、調子は問題ないです」
 7番手に置かれる苦しい展開も、長尾拳太(写真)はラインを上位独占に導いて準決に進んだ。
 「9番(山本)がやる気だったので、落ち着いていこうと思った。ホームで8番(松尾)にすくわれたけど、それも想定していたし気にならなかったですね。今日(2日目)はまくりでもいいかなと思っていたし、内容的には良かったと思う」

<8R>

松岡篤哉選手
松岡篤哉選手
 赤板の1センター過ぎに坂本周作に出られた松岡篤哉(写真)だったが、中村敏之輔の追い上げに合わせて踏み込んで主導権を奪って逃げる。4番手に入った坂本だったが車は伸びず、地元の松岡が林巨人を振り切って1着。
 「(同県の後輩の)長尾君が(前のレースで勝ち上がって)いい流れをつくってくれたし、自分もいいレースをしていたので負けないようにと思ってました。初日は行けたはずなのに仕掛けることができなかったので、2日目は力を出し切ろうと。すんなり相手に出切られるとキツいので、脚を使ってでも行こうと思っていました」
 車間を詰めて番手から追い込んだ林巨人だったが2着。
 「松岡さんが突っ張ってくれた時点で、自分が後ろでなんとかしようと。あの展開なら差さないといけないですね。松岡さんもタレるかなって思ったけど全然タレてこなかった」


<9R>

古性優作選手
古性優作選手
 打鐘目がけて踏んだ坂本貴史の先行策。一本棒の7番手で反撃にタイミングをうかがっていた古性優作は、4コーナーから仕掛けて出る。逃げる坂本の番手の佐藤慎太郎が、古性をけん制する。古性の踏み出しに遅れかけた山口富生が追いつくが、最終3コーナー過ぎに古性が出切ると佐藤は山口を弾いて切り替える。古性と佐藤の直線勝負は、1車身交わした佐藤に軍配が上がった。
 「(坂本が)ペースに入れたところを古性が逃さずに来た。古性もあそこから仕掛けてるし、自信をもってるんだろうね。自分はさばいて戻って(坂本)貴史とっていうより、一緒に出て古性に切り替える感じになった」
 地元コンビを連れて打鐘の4コーナーから巻き返した古性優作(写真)だったが、佐藤のけん制もあってなかなか出切れない。力で坂本はねじ伏せたものの、古性の表情は険しい。
 「地元の先輩たちが付いてくれて、しっかり(最終)バックを取れたらいいと思って仕掛けた。結果、バックも取れなくて、踏んだ感じもめちゃくちゃ重かった。もっとスコーンと行けてれば良かったし、そこが自分の弱点だし課題。(前回のサマーナイトフェスティバルの)別府とかの方が(自転車との)一体感があったけど、それがまったくなかった。(山口、原真司に)迷惑を掛けました」


<10R>

和田真久留選手
和田真久留選手
 赤板2コーナーから踏み込んで主導権を握った宮本隼輔のマイペースを許さず、稲毛健太が襲い掛かる。両者の踏み合いを和田真久留(写真)が、最終2コーナーからのまくりでとらえた。
 「稲毛さんが(宮本を)叩けるかどうか見てからの仕掛けになってしまった。もう少し自分でレースをつくれないとダメですね。前が踏み合ってからの仕掛けだったし、脚はそこまでいいわけじゃない。結果的に伊勢崎さんとワンツーで良かった」
 伊勢崎彰大は、和田の踏み出しに遅れることなく2着に流れ込んだ。
 「和田君はスピードがあるし、信頼して付いていった。抜くとかよりも内に、村上(博幸)君や香川(雄介)さんがいたので絡まれないように集中していた。そこを凌いでからの勝負だったんで2着でも納得です」


<11R>

木暮安由選手
木暮安由選手
 打鐘の3コーナーから巻き返した森田優弥が、最終ホームで主導権を奪取する。番手の木暮安由(写真)は逃げる森田との車間を空けて、3番手を確保していた浅井康太にプレッシャーをかける。後続をけん制した木暮が、直線で抜け出した。
 「森田君のおかげ。自分のデキはまあまあですよ(笑)。番手で仕事もできたし、森田君も次につながるレースをしたと思う。浅井君に最後抜かれていないので、疲れているわりには調子はいいのかな」
 3番手から追い込んだ浅井康太だったが、ゴール前で外の松川高大に踏み負けて3着。
 「脚がないです。もうちょっと落ち着いていけたら良かったかな。待ちすぎたし、木暮君を見すぎました。位置を取ってから勝負と思っていた。(状態が)下がらないように修正したい」


<12R>

平原康多選手
平原康多選手
 佐々木豪の上昇に合わせて中団の桐山敬太郎も動くと、平原康多(写真)は前受けから赤板で突っ張る。佐々木が内に降りて、桐山と4番手が併走で打鐘を通過する。先行態勢の平原は別線の動きを警戒しながら、4コーナー手前からペースを上げて駆ける。桐山が中団争いを制すが、平原の掛かりもいい。番手の神山拓弥の追い込みを半車身振り切った平原が、逃げ切りの完全燃焼に汗をぬぐう。
 「(前回サマーナイトフェスティバルの決勝、今回の初日と)踏めないで悔しい思いをしていたから、それをレースにぶつけようと。(別線が)あの感じで来たら突っ張ろうと。引いたら(ラインでの勝負権が)ないなって。練習では、あれぐらいモガいているんで。ただ、競走だと結果を求められる部分もある。どうしても後方に置かれていうのがあるんで、自分としても先行した方が勝ち上がれるっていうのもある。(力を出し切って気持ち的に)すごくスッキリした。でも、まだ終わりじゃないですから」
 初日に続き絶好の展開も、神山拓弥は連日、流れ込みの2着。
 「初日よりはすごく軽さがあって良かった。まだ改善する点もあるんで、それをやればもっと良くなると思う。平原さんがああいうレースをしてくれたんで、自分もどうにかしなきゃっていうのがあったけど。どうにもしなくて良かったですね」