『大垣競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:7月23日

 大垣競輪場で開催された開設67周年記念「水都大垣杯(GIII)」は、7月23日に最終日が行われた。S級S班の3人をはじめ、好メンバーがそろった決勝は近畿勢が主導権。3番手の好位に入った単騎の宮本隼輔が、まくりで記念初優勝を飾った。また、7車立てで行われた6レースの「S級ブロックセブン」は、五日市誠が鋭く追い込んで一発勝負を制した。

決勝戦 レース経過

 周回は浅井康太-北野武史-古性優作-村上博幸-和田真久留-和田健太郎-平原康多-佐藤慎太郎-宮本隼輔の並び。
 青板2センターから平原が上昇を始めるが、この動きに単騎の宮本は続かない。平原がホーム過ぎに誘導員を下ろすと、この動きに続いた和田真が1センターで、2コーナーで宮本が切って打鐘で古性を受ける。ここから別線の動きはなく、最終ホームから古性がペースアップ。仕掛けのタイミングが合ってしまった平原はホームで和田健をキメると、1センターで内をすくって4番手まで車を上げる。2コーナーから巻き返した宮本はバックで前団を飲み込む。後ろにはピタリと平原が続いていたが、その追撃を寄せつけずにうれしい記念初優勝。離れた3着争いは佐藤を張りながら2センターから踏み込んだ村上が制した。


宮本隼輔選手
宮本隼輔選手

 今年1月に特進でA級を卒業した宮本隼輔(写真)にとって、2度のGIII経験があるものの記念は今シリーズ初めて。S級S班の3人を含めた歴戦の猛者が順当に勝ち上がっていくなかで、宮本もファイナルに進んだ。
 「組み立ては、2番目に切りに行くラインに付いていって、(自分で)もう1回切って、(次のラインを受けて)3番手」
 初の単騎でも、こともなくイメージ通りの組み立てを実践。近畿コンビを受けて3番手を手に入れた。肝の据わった立ち回りは、もって生まれた競走センスに裏付けされたものだ。
 「イケる気はしたんで良かったです。たまたまですけどね」
 最終2コーナー手前、踏み出したタイミングもドンピシャ。逃げる古性優作をとらえるが、平原がピタリと後ろに続く。その重圧にも押しつぶされることなく、4分の3車身のリードを保ってゴールを駆け抜けた。
 「(このメンバーで)勝てたのはデカい。(決勝は)しっかり位置を取って車を出せるのがわかったんで少し楽しくなりました。ただ、2日目、3日目と先行で通用しないのを痛感した。ラインの方々を連れて決勝に乗ってないんで」
 初の記念シリーズだけに課題も残されてはいるが、113期では真っ先に記念を制覇した。8月14日からの名古屋オールスターでのGIデビューも決まっている。
 「(清水)裕友に少し追いついたかな、そこだけですね。(同期で一番最初に記念制覇とか)関係ない。あとは父さん(宮本忠典・55期、引退)は記念を1個獲ってるんで、これで追いついた(笑)。(優勝を)1日かみ締めて、また明日から」
 オールスターでドリームに選出されたS級S班の清水裕友(105期)は、同県、同学年。期は違えど一日でも早く追いつき、大舞台でのタッグを実現させたい。3月にルーキーチャンピオンを制した113期の出世頭は、抜群の加速力で輪界の階段を上がっていく。

 6番手の平原康多は、最終ホーム手前から仕掛ける。トリッキーな動きで4番手にいた和田真久留をすくって、宮本のまくりを追いかける。しかしながら、ゴール勝負に持ち込むまでには至らなかった。
 「後ろ攻めだったし、そこまで(宮本の後ろ)行くのに相当脚を使っていた。自分がまくって行こうと思ったら、宮本が仕掛けた。あの時点で3、4回は(脚を)使っていたんで、抜く感じじゃなかった。よく2着までいけたなっていうのがある」

 古性の先行を利した村上博幸は、宮本、平原のスピードが違っただけに離れた3着が精いっぱい。
 「古性も腹をくくって駆けてくれたし、自分もなんとかしたかった。でも、もうあそこは…。新鋭の宮本君が単騎で優勝して、また競輪(の流れ)がそうなっていってる。だから、自分も年齢を感じさせないように努力をしていくしかない」

 注目された主導権は古性優作が握った。打鐘手前から押さえて出て風を切ったが、宮本のまくりに屈した。
 「自分も楽に駆けさせてもらったし、ラインで決まるようにいった。自信をもって踏んだけど、結果的に力不足でした」





次回のグレードレースは、7月25日~28日まで弥彦競輪場において、開設69周年弥彦記念「ふるさとカップ(GIII)」が開催されます。
S級S班から三谷竜生、清水裕友2名をはじめ渡邉一成、渡邉雄太、柴崎淳ら機動力自慢の自力型、3連覇を目指す諸橋愛らが、どんな戦いを繰り広げるのか目が離せない開催に。最終日第6レースでS級ブロックセブンが一発勝負で行われる。
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