『大垣競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:3月11日

 大垣競輪場で開催されている開設69周年記念「水都大垣杯(GIII)」は、3月11日に2日目が行われた。二次予選では、郡司浩平、平原康多が順当に1着を奪った一方、地元の山口拳矢はまくり不発に終わってギリギリ4着での勝ち上がりとなった。3月12日の3日目には、決勝進出をかけて、準決の3個レースで激しい火花が散らされる。
 なお、大垣競輪場では、ご来場したお客様を対象に「場内はずれ車券キャンペーン」や、大垣けいりんオリジナルグッズが当たる「あたり付き車券場内キャンペーン」等が予定されていますが、「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

岩本俊介選手
岩本俊介選手
 スタートけん制が入り、岩本俊介(写真)が前受けになる。赤板前からゆっくりと上昇した土生敦弘は、2コーナー付近で切って小笠原光を打鐘で出させる。北勢を追った竹内雄作が間髪入れずに小笠原を叩いて最終ホームで主導権を握る。すんなり引いた岩本は最終バックを7番手で迎えるが、3コーナーから車を外に持ち出すと、抜群の加速力で大外を伸びて前の6人をまとめて飲み込んでゴール寸前で強襲した。
 「もうちょっと若手が竹内君に挑戦するようなレースをするのかと思ったんですけどね。土生君も遅めに押さえてきたから、一応踏み上げて出させた。前受けになる可能性は高いと思ったけど、仕掛けが遅くてラインに迷惑をかけた。調子は前回と変わらずって感じですね。昨日(初日)は番手で経験不足が出たけど、そうも言ってられないし勉強していきたい」
 叩かれた小笠原に続いての4番手から直線勝負となった大森慶一が2着に入る。
 「初手はあの位置(6番手)がよかった。後ろから押さえるのが土生君か、竹内君かっていうだけなので、3番手か最悪5番手は取れると思っていました。(竹内が)結構カカってましたよ。後ろが来る気配もないし、竹内君が強かった。余裕はあるし、思った通りに踏めた。1着かと思ったけど、あれ(岩本のまくり)は仕方ない」


<7R>

山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 谷口遼平が切った上を阿部将大が押さえ、打鐘で幸田望夢が叩く。打鐘過ぎ2センターで谷口が5番手から仕掛ける。阿部も3番手から合わせて出ようとするが、幸田も突っ張り、阿部はアンコになる。隊列が短くなり、こうなると7番手で脚をためた山崎芳仁(写真)の出番。豪快なまくりでまとめて一蹴し、3月11日に白星を挙げた。
 「(スタート)けん制があったので、前からになりましたね。谷口君が仕掛けてくれて、展開が向いた。前が動きだしたので、いけるところからしっかりといった。日ごろ練習しているおかげですね。(今日が東日本大震災の日で)集中してアップをしました。昨年は逃げ切りでしたね。一生忘れることはないです。力が変わることはないが、展開が向けば仕掛けるし、向かない時はうまく立ち回りたい」
 マークした菊地圭尚が食い下がり、北日本ワンツーが決まった。
 「山崎さんが一番得意のパターンになった。あれは抜けないですね。全部、大事なレースですけど、今日が一番大事だと思っていて、出ている以上は結果にこだわりたいなって。(大垣は冬期移動先で)それが一番の強い気持ち。お世話になっているので」


<8R>

森田優弥選手
森田優弥選手
 赤板で押さえた橋本智昭を橋本優己が叩きにいくが、これを橋本智が突っ張って両者で激しいモガき合いに発展する。前受けから下げた森田優弥(写真)は打鐘過ぎ4コーナーから巻き返す。消耗戦を一気にカマした森田に芦澤辰弘が続き、それ以降は大きく車間が空いてしまう。森田が力強い踏み直しで芦澤の追撃を退け、押し切った。
 「スタートは前か中団からで、(芦澤が)2番車で前を取れたので流れでいこうと思っていました。展開が向いていけましたね。昨日(初日)と自転車のチェーンを変えて、あまりよくなかったので明日(3日目)は戻そうと思っています。疲れとかは問題ないですね」
 芦澤辰弘が森田に続き準決勝進出を決めた。
 「2番車のスタートは難しいんですけど、後ろ攻めだったら隊列が回って最終ホームで後方になりそうだったので、前か中団かだった。(森田は)橋本(智)さんが突っ張るところのダッシュもしっかり反応して飛び付いていたし、隊列が整う前に仕掛けているし、さすが。色々な経験を積んで、モノにしてきているね。平原さんの前で走ってきているだけある。自分はジャン(打鐘)先行でも抜けないし、頑張っても2分の1車輪ですよ」


<9R>

阿竹智史選手
阿竹智史選手
 打鐘前に佐伯辰哉が勢いよく出てメイチで駆ける。佐伯と車間を切った阿竹智史(写真)は、菊池竣太朗の巻き返しを確認すると最終2コーナーから番手まくり。後続を6車身突き放して1着でゴールした。
 「(山田久徳の)押さえ方が勢いよくいったので、佐伯が駆ける形になりましたね。距離は長いなと思っていて出てでしたね。後ろがからまれているのは分からなかったし、竜さん(室井竜二)と2人で決まると思った。昨日(初日)と状態は変わりなく、佐伯が駆けてくれたおかげ。前の頑張りと展開ひとつです」
 赤板で切った山田久徳が、中四国勢後位を取り切る。阿竹に離れた室井竜二を外から交わして2着に入った。
 「車番が悪かったし、(4番手に)飛び付いた時に脚を使っていた。菊池君が行った時のホームでは脚がたまっていなかったですし、阿竹さんが出たのが見えて、室井さんとの間をいこうかと迷って失敗ですね。バックを踏んだし、それからだったので。展開が良かったのでラッキーしました。昨日、今日と自力を出せる展開ではなかったし、自分で思っているよりよくはないけど、戦える」


<10R>

佐々木悠葵選手
佐々木悠葵選手
 後ろ攻めの久田裕也が赤板で山口拳矢を切る。初手中団の佐々木悠葵(写真)は中四国勢の動きには続かず、7番手で様子をうかがう。久田は徐々にペースを上げるが、佐々木は打鐘過ぎ3コーナーで一気にカマす。最終ホームで出切った佐々木に対し、山口は2コーナーからまくり上げる。勢いよく前団に迫ったが、佐々木は強烈な踏み直しで山口を合わせ切り、会心の逃げ切りを決めた。
 「誘導(のペース)がかなり上がるので、前に出るのに脚を使う感じになると思って、中団を取ったとしても中四国のラインには付いて行かないと決めていました。踏み出しは5割くらいで踏んで、(関東ライン)全員が出切ったなと思ったのでバックまで流して、要所で踏み直せた。バックで(山口が)来たのが分かって踏み直したんですけど、山口さんは強いので最後は必死でした。練習してきた成果が出せたと思います」
 山下渡がカマシにピタリと続いた。
 「中四国に付いて行かないのも思った通りで、7番手から緩んだらいくって思っていました。強かったですね。以前付いたこともあるんですけど、加速がすごかった。踏み出しはそんなに踏んでないって言ってたけどキツかったですね。前のおかげですけど、調子は悪くないです」


<11R>

平原康多選手
平原康多選手
 前受けした黒沢征治を、磯島成介が切る。その動きに続かなかった竹内翼は、2コーナーからのカマシを狙うが、中団から黒沢が合わせるように叩き出る。磯島を強引に叩いた黒沢はペースを落とさない。黒沢と大きく車間切った平原康多(写真)が、詰める勢いのままに直線で抜け出した。
 「(黒沢が)気持ちで走ってくれました。(打鐘の)あそこでいくとは思っていなかったです。黒沢も本調子ではなくて、いつものグっていう伸びていく感じではなかった。やれることはやったんですけど。(連勝は)後輩が頑張ってくれたおかげ。ウィナーズに向けて練習をやってきて、体が戻っていけば。走っていて疲れは感じないし、気持ちでカバーできている」
 磯島が黒沢に叩かれると、坂本周輝は埼京勢にスイッチ。最終2センターから外を踏んで2着に突っ込んだ。
 「(磯島が)いってくれたおかげ。打鐘で踏まされていたし、(関東勢が)ホームをめがけてくるなって思っていたので、4番手にスイッチできましたね。人の後ろで、自力を出したわけではないので、感じは分からないです」


<12R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 スタートけん制が入って南関勢が前受け。赤板で切った藤井栄二を上田尭弥が叩きにいくが、藤井が突っ張って踏み合いに発展する。戦況を見極めた郡司浩平(写真)は、最終1コーナーから仕掛ける。踏み合う両者をまとめて一蹴した郡司が、危なげなく1着で準決勝に進出した。
 「出なければ前受けからで、その中でしっかりと仕掛けどころを逃さないように。展開も向いたけど、あのタイミングでいかないと、いき切れないと思った。あそこでいかないとさらに詰まったり、張られたりっていうのがある。しっかりまず出切って踏み直せたし、明日(3日目)につながる収穫のあるレースだった。疲れているなかでも、特に感じも悪くない」
 マークした東龍之介が2着。だが、レース後は反省に終始した。
 「首の皮一枚つながりました。郡司と練習は一緒にやっているけど、練習と競走は違うというか、さすがSS班だなって。(郡司は)ずっと落ち着いていたし、逆に自分は焦っていて余裕がなくて、口が空いてしまって反省です。落ち着いて走って対応しないといけないんですけど。連日前の頑張りで勝ち上がらせてもらっているし、この流れを取りこぼさないようにしたい」
 神奈川勢後位を固めた仁藤元太が3着に続き、南関ラインで上位独占を果たした。
 「自分は付いていっただけ。前の状況はちゃんとは見えなかったんですけど、(郡司は)いっちゃうんだろうなと思って、(東)龍之介のケツだけ見ていた。(東が)離れていた分付いていけた。(この3着は)大きいね。(競走得点が)1点でも欲しいので」