『大垣競輪開場56周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:5月25日


  大垣競輪場開場56周年記念「水都大垣杯」は今日25日が最終日。激戦を勝ち抜いた9選手による決勝戦が最終第11レースで争われ、吉田敏洋の先行に乗った山田裕仁が直線鋭く抜け出して優勝。5年ぶりとなるホーム記念Vを飾り、次走の高松宮記念杯に大きな弾みを付けた。

決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると山田裕仁と島野浩司が飛び出す。後ろは東勢同士でけん制し合ったが、並びは落ち着いて吉田敏洋―山田―島野が前受けし、中団は桐山敬太郎―海老根恵太―兵藤一也が占め、森田達也―長塚智広―後閑信一が後ろ攻めとなった。
  周回が進み、青板周回の2センターから森田が上昇を開始すると、赤板で桐山の横で止まって蓋をする。するとすぐに桐山は車を下げた。桐山と森田が入れ替わり、中団に入った森田が前との車間を開けて後ろの桐山をけん制する。ジャンが入っても森田はまだ後ろの桐山を警戒し、車間を大きく開けている。こうなるとさすがに前の吉田も痺れを切らした。吉田は腹をくくり中バンクから山おろしをかけて先行。不覚を取った森田は車間が詰まらず万事休す。桐山が好スピードでまくるも前団は遠く及ばず。結局、桐山が迫ると、車間を開けていた山田が合わせて番手から抜け出して優勝。島野が2着に流れ込み、一旦は桐山に離れたが、海老根が外を鋭く伸びて3着に入る。


山田裕仁選手
山田裕仁選手

 前検日から体調不安を口にしていた山田裕仁だが、地元の記念を他地区の選手に譲るわけにはいかなかった。吉田敏洋の番手から貫禄のV差し。ファンの期待にきっちりと応えた。
  「とりあえずホッとしました。本調子ではなかったので、その分、リラックスして走れましたね。でも、練習仲間がみんな敗退してしまったし、ここだけは譲れないという気持ちもあった。今日は意外な形で、こんなに展開が良かったのは久しぶり。逆にちょっと焦りましたね。バック追い風だから、そこでまくって来られたら厳しいと思っていたけど、心配なかったですね。今日は島野君に番手を譲ってもらっていたし、島野君とワンツーを決めなければ回してもらった意味がないと考えていました。人気に応えられて良かったです。ここでツキを使い果たしたかもしれませんが、次の宮杯も頑張ります」

 山田追走でしっかり2着に流れ込んだ島野浩司。2車単の一番人気に応え、安堵の表情を浮かべる。
  「森田君と桐山君で牽制し合って、意外な展開になりましたが、吉田君がいいタイミングで駆けてくれました。僕も前を抜ければいいんでしょうけど、あれが精一杯。地元の山田君とワンツーが決まって良かったです」

 山田の優勝に大きく貢献した吉田敏洋も満足そうにレースを振り返る。
  「今日は山田さんを意識し過ぎないで、自分が勝つというぐらいの気持ちで走りました。その方が山田さんにもチャンスがありますからね。初手の位置はそんなにこだわっていなかった。もうちょっと早く押さえられれば、引いてカマシかまくりでしたが、後ろを見たら車間が開いていましたからね。もう駆けた方がいいと判断しました。しっかり踏むところで踏めたし、次につながるレースはできたと思います」

 直線大外を強襲して3着に入った海老根恵太は桐山敬太郎との連結を外してしまったことを悔やむ。
  「4回転の車の進み方が分からず、中途半端に追いかけて、前に入られてしまいました。ちょっと勿体無かった。しっかり付いていけば、もう少し面白い勝負ができましたね」

 七番手からまくった桐山敬太郎は山田に合わされ不発に終わった。
  「森田君が自分しか見てなくて、吉田さんに駆けられてしまいました。1回斬ってくれれば、その上を強引に叩くつもりでしたが、ちょっと人の動きをアテにしてしまいました。慌てて仕掛けたけど、あの位置からだし、山田さんが番手では厳しいですよね」

 中団で前との車間が大きく開いてしまった森田達也は「桐山さんに合わせて仕掛けるつもりだったけど、前が駆けてしまった。誘導も上がっていましたね。まだまだ甘いです」と猛省。

 森田マークの長塚智広は「森田は先行する、と言ってくれていたんですが、桐山君も先行する気だったみたいですね。牽制して前と車間が開いてしまったけど、あれはタイミングの問題でしょう。任せていたし、今日は仕方がありません」とサバサバしていた。



ゴール




↑ページTOPへ


情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved.