『大垣競輪開場60周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:11月1日
 大垣競輪開場60周年記念「水都大垣杯」が本日開幕しました。初日はS級特選3個レースをメインに1次予選が争われました。S級特選レースは、伏見俊昭、深谷知広、稲垣裕之が勝利して初日を好スタート。2日目は優秀競走「麋城賞」をメインに2次予選が争われます。
 場内では先着2000名様にスピードくじを配布、抽選で200名様に大垣競輪売店利用券が当たります。また、内林久徳さんによる予想会(3R、4R発売中)、水都おおがき芭蕉隊によるステージショー(7R、9R発売中)、浅井康太選手によるトークショー(8R、10R発売中)とたくさんのイベントも予定されております。ぜひ、競輪場で熱いレースとともにお楽しみください。
<1R>
石塚孝幸選手
石塚孝幸選手
 オープニングレースは石塚孝幸(写真)が最終バックからまくって快勝。目標の藤田大輔との連結は切れてしまったが、自力策に転じて白星をゲットした。
 「前回の川崎から、良かった時のセッティングに戻して感じよく踏めています。藤田君の動きが読めず、自分も変にタイヤを差したりして藤田君の踏み出しに遅れてしまった。結果的には南関の3人で決まったけど、藤田君を追えてないし、迷惑をかけてしまった。バック辺りからなら、まくれる脚はあるけど、目標が居る時は最後の手段ですよ」

<2R>
 後方から押さえる中野彰人に対し、山口貴弘は中野後位の伊藤保文の内で粘る。最終ホームで伊藤が山口をキメたが、山口は1車下げて久米康徳をドカし3番手を確保。直線では中野、伊藤の中を割って強襲し1着をもぎとった。
 「(粘った時点で)安易に構えてしまい、伊藤さんにうまくキメられてしまった。あそこで自分から一発持っていってたら、後ろに付いてくれた方にもチャンスがあっただろうけど、伊藤さんの気迫が違いました。結果、自分だけの勝ち上がりで反省は残りますね。脚の感じは最近の着ほど悪くないですよ」
 中野彰人は最終ホームまで誘導を使って残り1周で一気に踏み出す。山口には屈したが、最後まで踏み続け2着に粘った。
 「朝早いレースは苦手で、普段よりは身体が重たく感じました。最終ホームくらいまで誘導を使えて、番手の仕事を(伊藤)保文さんに全部やってもらってますからね。今日は本当に展開が良かったです」

<3R>
中井達郎選手
中井達郎選手
 後方へ下げた村上直久は打鐘4コーナーから一気に踏み出す。村上マークの中井達郎(写真)は、まくり迫る三槻智清に対し、車を振ってその仕掛けを封じる。直線では村上を追い込み勝利。2着は村上、3着は深澤伸介でこのレースも1レースに続く南関ワンツースリーの決着となった。
 「村上君が強かったけど、自分にも余裕があった。競走得点が上がらず、ほとんど一定なので何か変えないとと思って今回から新しいフレームを持ってきました。練習で使ってたやつですけど、乗りやすくて感じはいいですね」
 力強い仕掛けを見せた村上直久だが、引き上げて来た表情はあまり浮かなかった。
 「今回から変えてきたセッティングが良くないかも。練習では感じよく乗れていたが、実戦はやっぱり違いますね。前に出切ってからも脚が一杯で余裕がなかった。今日の着は中井さんにうまく残してもらった感じだと思います。セッティングは今までのに戻します」

<4R>
 後方の峠祐介が赤板から上昇し打鐘で押さえる。正攻法の森川剛はその4番手の位置を難なく取り切ると、最終2コーナーから仕掛ける。バックではイエローライン付近を踏む余裕を持った仕掛けで力強く押し切り、このレースも南関トリオで確定板の独占となった。
 「中団は譲れないと決めていたし、思っていた通りの展開になった。最後もしっかり踏みなおせました。ここに来る前に体重が3~4kg増えて踏み出しは身体がちょっと重かったですね」
 遠澤健二は森川に続く形で2着入線。
 「最近は調子も上がってきて、結果につながっているから走るのが楽しい。4コーナーから思い切り抜きに行ったつもりだけど、森川君が強かった。森川君は中団もしっかり取ってたし、まくるときもあおりを受けないように外を踏んでいた。余裕を持って走ってましたね」

<5R>
 小橋正義の切り替えを誘って佐々木孝司が先行態勢を取るが、松岡貴久が打鐘の2センターから反撃。最終ホーム過ぎに佐々木を叩いて、九州ラインで上位独占も自身は3着。
 「久々にモガいたけど、踏み上がっていかないですね。きつかった。全開で叩きに行ったわけじゃないけど。スピードが出ていない。(2日目以降が)どうなることやら…」と、表情は冴えない。
 小島雅章のまくりを止めた中谷渉が、直線で抜け出し1着。
 「(松岡を)差せるとは思わなかったですね。自分の調子的には、前回も今回もそんなに変わりない。来るかなって思ってたら、小島君が来たし。ブロックして止まってよかった」

<6R>
 打鐘の4コーナーから叩きに出た山中貴雄を伊藤成紀が突っ張って、両者の踏み合い。人気の上原龍にとっては願ってもない絶好の展開。最終2コーナーで車を外に持ち出すと、上がり10秒8の好タイムでまくり快勝。
 「展開に恵まれました。今日はあれで引いちゃうと山中さんが中団に楽に入って、自分が苦しくなる。だから、とりあえず中団でと。冷静に走れましたね。しっかり体も動いてくれたし、明日(2次予選)につながると思います」
 上原の上がりタイムを確認した木村貴宏は、流れ込みの2着にも自信を深める。
 「上原君は10秒8ですか。それを付いていった自分と根本(雄紀)はデキが良い。よく付いていったと思う。追加配分だけど、調子の方は心配ないです」

<7R>
大庭正紀選手
大庭正紀選手
 人気を集めた竹内雄作は、打鐘で一気に叩いて先頭に立つが、単騎でカマす吉原友彦と最終ホームで接触して落車のアクシデント。カマした吉原が変わって先行態勢に入る。吉原へ切り替えた大庭正紀(写真)は車間を切ってタイミングを計ると、直線で追い込み勝利した。
 「竹内君が落車してるので素直には喜べないですね。積極的に仕掛けてくれた結果、自分に展開が向いた。吉原君に付いていて余裕はあったので、後はタイミングを見ながら、踏み出せました」
 吉原友彦は竹内を相手に積極策。着こそ4着に沈んだが、2次予選へ勝ち進み安堵の表情を見せる。
 「竹内君が早めに出たけど、ホームのところでは緩めていたので、そこしかないと思って一気に行きました。自分と接触して落車したので、審議対象になると思ったけど、ゴールまではそれを考えないようにして一生懸命踏みました。強い相手に判断よく動けているし、2次予選の着に残れてよかったです」

<8R>
石坂永伍選手
石坂永伍選手
 松岡篤哉が打鐘で先頭に立ち主導権を狙うが、須賀和彦がその後位でイン粘り。藤原誠と須賀が競り松岡に離れると、ホームカマシを狙った石坂永伍(写真)が松岡後位へすっぽり。番手絶好の位置を得た石坂は直線で冷静に追い込んで勝利した。
 「前で須賀さんが粘っているのが見えたので、カマシを狙って踏んだらうまい具合に空いてました。番手に入って余裕もあったし、最後は上手く追い込めました。展開が良かったとは言え、久々の1着が記念の、しかも勝ち上がりの1着で本当に嬉しい。今日は楽をさせてもらったけど、2次予選は頭を切り替えて、また積極的に攻めたいですね」
 松岡篤哉は2着の結果にも、検車場では反省の弁が口を付く。
 「須賀君は先行してるし、自力屋のイメージが強く、粘るとは思っていなかった。後ろを競らせて申し訳なかったです。踏んだ感じは悪くないんですが、ラインを連れ込めていないのでダメですね」

<9R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
 ここからはS級特選レース。正攻法の渡邉一成が打鐘から1周半の先行策。番手で脚を溜めた伏見俊昭(写真)がきっちり追い込み福島両者でワンツー決着を決めた。
 「一成君が強いですね。その強さを知ってて、松岡君も打鐘で来てたし、岡田君もホームで早めに巻き返しを狙っていた。それを全部突っ張って1周半逃げてるんだから、本当に凄い。何があるか分からないから、内だけきっちり締めてました。落車明けで1走した感じは思っていたほど悪くないです。また良い流れを作れるように、2日目からも頑張りたい」
 渡邉一成の強さは、一緒に走った誰もが口をそろえて「強い」と語るほどのものだった。
 「打鐘で突っ張ったのは決めていた訳じゃなく、いろいろ考えていた作戦のひとつ。スピードに乗っていたので突っ張ろうと思った。最終ホームは、今の大ギアの競輪じゃ、引くとキツイし、突っ張るつもりでした」
 カマシ不発の岡田征陽は、3番手に入り直しそのまま3着に流れ込む。
 「叩くつもりで仕掛けたが、一成君が強かった」
 言葉少なにレースを振り返った。

<10R>
深谷知広選手
深谷知広選手
 正攻法から後方へ下げた深谷知広(写真)は打鐘から一気にスパート。後位では牛山貴広が粘るなどもつれもあったが、押し切って勝利。怪我からの復帰戦で、健在ぶりをアピールした。
 「ラインが4車だったし、地元の山口(富生)さんが番手にいるので、早めに巻き返そうと思ってました。実戦では初めて4倍のギアを使ったけど、やっぱり重たいですね。まだ思うように踏めてないので何とか修正したいです」
 山口富生は、内で粘る牛山貴広を退け深谷に続いた。
 「牛山君を1度凌いだら、また追い上げてきてましたね。しぶとかったけどなんとか凌げました。深谷のカマシに付いて行っての結果だし、今の自分の状態にしたら上出来でしょう。ここに来る前の練習で、深谷の4回転を体験していて良かったです」
 柴崎俊光が3着に入線し、中部3車で確定板を独占した。
 「神山(雄一郎)さんに何度も当たられてきつかったですね。ゴール前も身体を当てにきてたけど、なんとか3着に食い込めました。3番手の位置で初日特選の3着は大きい。前回までは着が悪かったけど、自分の感じとしては悪くなかった。優秀戦も集中して走りたいです」

<11R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 早坂秀悟が打鐘で押さえて先行態勢に入る。中団は内に佐々木則幸、外に稲垣裕之(写真)で併走。外併走の稲垣は最終2コーナーから踏み出し、最終2センターで早坂を捕らえる。直線も粘り強く踏み、白星を手にした。
 「相手の動きを見極めて、緩んだところで行くつもりでした。先行か中団かというのが自分の走り方だし、それは実行できました。(佐藤)慎太郎さんのブロックがキツイのでそれも頭にいれて動けましたね。自転車の扱い方もだんだんと思い出せてるし、状態はまずまずです」
 佐藤慎太郎は早坂から稲垣へ切り替え追い込むも交わすまでには至らず2着。
 「稲垣がバックの直線のところで来てた。あれを止めるのは難しいですよ。切り替えてからは差せると思って踏み込んだけどダメでしたね。自分の伸びがもう一つもの足りないです」
 北日本ラインを追走した朝倉佳弘が3着で優秀競走へと駒を進めた。
 「バンクは重かったですが、何とか勝ち上がれました。今回のフレームは乗っている感じもばっちりだし、明日以降も楽しみですね」
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