『大垣競輪開場60周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:11月2日
 大垣競輪開場60周年記念「水都大垣杯」は2日目が終了。優秀競走『麋城賞』をメインに2次予選が争われました。麋城賞は、深谷知広が制してシリーズを2連勝。3日目は準決勝3個レースが争われ、ファイナリスト9名が決定します。
 3日目も引き続き先着入場者1000名にラッキーカードを配布、地元特産品を200名にプレゼントします。また、内林久徳さんによる予想会(3R、4R発売中)、スピーチーズライブ(8R、10R発売中)、競輪選手会岐阜支部によるイベント(5R、7R発売中)と多くのイベントを準備しております。ぜひ大垣競輪場にてレースとともにお楽しみください。
<5R>
山口貴弘選手
山口貴弘選手
 ホームガマシを狙う村上直久を正攻法の荒井崇博が突っ張って先行。もがき合う2人を尻目に脚を溜めた山口貴弘(写真)が直線で大外を強襲した。
 「自分は脚をずっと溜める形になりました。2人が動いてたし、自分はずっと風が当たらないところに居られて、うまく走ることができました」
 村上から荒井後位へスイッチした村本大輔が追い込んで2着。
 「荒井が強かった。荒井の番手に入って、後ろに先輩(松江健一)が付いてきてると思ってるから自分も早めに踏み出した。村上はG1に出るような相手とやるんだから、もっと早めに叩かないとこうなってしまう。競輪を教えてやらんといけないね」
 突っ張って先行した荒井崇博は3着に粘る。検車場では大の字に寝転び息を整えた。
 「村上君が上がってくるのが遅くて、自分にもスイッチが入った。初日とはバンクコンディションが変わって、風も強く重たいのもあるけど、逃げ切れてないし納得はしてない。最終ホームで村上君を出させたら、包まれて終わっちゃうし出させるわけにはいかないでしょ」

<6R>
渡辺十夢選手
渡辺十夢選手
 松岡貴久が当日欠場で、中野彰人と海老根恵太のおおよそ2分戦となったこのレース。中野が主導権を握ると、番手絶好を生かした渡辺十夢(写真)がきっちり捕らえた。
 「中野君の度胸がすばらしかった。バック向かい風だから、先行選手はキツイと思っていたけど頑張ってましたね。自分は余裕もあったし、バックで後ろを見てだれも来てないから車間をあけて追い込みました」
 逃げた中野彰人は力を出し切った様子。身体のダルさを訴えながら「キツかった」と言葉を残し、その後は控え室で身体を休めた。
 3着は柏野智典。松岡の当日欠場で目標こそ失ったが、4番手から海老根の仕掛けに合わせるように踏み込んだ。
 「目標がなくなって単騎になったけど、好きなように走れると切り替えて走りました。中団で海老根さんの仕掛けを確認しながら、前にいた伊藤(保文)さんに追い付いたら勢いで前に踏もうと思ってました。走りながら余裕を感じられましたね」

<7R>
坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
 押さえて駆ける早坂秀悟に対し、坂本亮馬(写真)はその番手でイン粘り。坂本は有坂直樹をドカすと、最後は早坂とのマッチレース。写真判定に持ち込まれた決着は、早坂と坂本の同着。90期両者で勝利を分かち合った。
 「イン粘りはいろいろ考えていた選択肢のひとつ。この走り方をしないといけない今の自分の状況には悔しさがあるが、負けてばかりもいられないので」
 早坂秀悟は久々の1着に表情がゆるむ。
 「同着でも1着は1着。ほんと久しぶりに勝てて、いい薬になった。でも後ろに迷惑をかけているし、内容はダメ。4回転はまだ使いきれてないけど、今節は最後まで踏むつもりです」

<8R>
牛山貴広選手
牛山貴広選手
 青板手前から早めに動き出した藤田大輔が、別線をかく乱。「あれが自分のパターンなんで」と、言ってニヤリ。最終ホームでは先行態勢を取るが、インを1車抜け出した牛山貴広の番手にはまって3着に流れ込んだ。
 「周りに脚を使わせないと、自分は勝てないんで。もう駆けるつもりでいたら、内から来られて(牛山が)横に来てやっと気づいた」
 最終1センターで藤田が内を空けると、牛山貴広(写真)がすかさずすくってインから抜け出し主導権。後閑信一とは連結を外したが、押し切って後続をシャットアウトした。
 「自然と体が動いていった感じですね。自転車もだんだん伸びていったし、最後まで踏み切れました。後閑さんと2人で決められれば、よかったんですけど…」
 7番手に置かれた佐々木則幸は最終ホームから巻き返して、ロングまくりで2着。
 「藤田君にかき回されましたね。牛山君が中団で僕が7番手になってしまったし、もうホームでは仕掛けないとって。脚自体は悪くないし、この展開でよく凌げたと思いますよ」

<9R>
上原龍選手
上原龍選手
 前受けの上原龍(写真)は車を下げ、最終ホームから早めの巻き返しを狙うが、1コーナーで志智俊夫がブロック。外併走を余儀なくされた上原だが、バックから再度仕掛けると、切り替え差し迫る志智を振り切って勝利。この勝利が自身100勝目のメモリアル勝利となった。
 「前受けだけは想定外、何も考えてなかった。強引な仕掛けになってラインでは決められませんでした。併走しながら少し休めたけど、最後はキツかったですね」
 2着は逃げる松岡健介から上原へ切り替えた志智俊夫
 「松岡君はバンクが重たい中だけど良いカカリだった。1コーナーの1発で上原君は止まったと思ったけどまだ生きてましたね。自分は、初日がちょっと重くて心配してたけど、今日は感じ良く踏めた。もう一つ勝ち上がりたいですね」
 神山雄一郎は上原との連結は切れたが、最終2センターから踏み出し3着入線。
 「ホーム辺りで8番(吉原友彦)に絡まれて、上原君を追えなかった。内に入って、あとは自分のタイミングで。思ったところから踏めたし状態はまずまずでしょう」

<10R>
松岡篤哉選手
松岡篤哉選手
 中村雅仁が持ち味の積極先行。中団の松岡篤哉(写真)は最終2コーナーから踏み出す。星島太のけん制を乗り越え勝利をつかんだが、山口幸二を準決に連れ込めず、検車場では終始複雑な表情。振り返りの言葉も多くはなかった。
 「勝てたには勝てたが…。ホームでタイミングが合ってしまいました。4回転のギアは初めて使ったけど重い感じがありました」
 星島太は最終3コーナーで松岡をけん制。隙を突き内をしゃくろうとする岡光良をも自ら制し、2着に続いた。
 「中村君が良いカカリでした。一発持っていって、もう一発とも思ったけど、そしたら自分が帰るところがなくなると思い切り替えるしかなかった。案の定、内に3番(岡)が来てましたしね」
 中部勢をマークした岡光良は、空いた内コースを猛然と踏み3着。
 「難しいレースだったけど、最後はいいコースが空きました。怖かったけど突っ込ませてもらった。星島さんに肘をかけられたけど、なんとか3着に食い込めました」

<11R>
深谷知広選手
深谷知広選手
 優秀競走『麋城賞』は深谷知広(写真)が制した。押さえ先行の渡邉一成に対して最終ホームからのロングまくりを敢行。並んだライン3車でワンツースリーを決めた。
 「打鐘前に内を突いたりして後ろに迷惑をかけたかも。4倍のギアは思ったよりも良い感じだし、今日はこのギア向けのレースにもなった。今後使えるメドが立ったと思います。準決勝が一番大事なレースだし、また気を引き締めてがんばりたい」
 深谷をマークした山口富生はその強さを絶賛。
 「練習でも4倍のギアを踏んでるあいつに付いたけど、練習では1回踏み上げるだけだからね。実戦だと踏んだりやめたりするから、踏み出すタイミングが難しかった。勝てずに申し訳ないが、2着は自分の中で精一杯やった結果。とにかく深谷が強すぎる」
 渡邉を目標から中部勢へ切り替えた伏見俊昭だったが時すでに遅しで1車も交わせずの4着。
 「構えていたら対処出来たかもしれないが、気付いたら横にいてなにもできませんでした」
 稲垣裕之は逃げる北日本ラインに続く4番手の位置を確保したが、深谷に先に行かれて見せ場を作れなかった。
 「先に仕掛けるつもりで中団を取ったが、自分がワンテンポ整えたいタイミングで先に行かれてしまった。強いですね」
 逃げた渡邉一成は9着に沈んだ。
 「長い距離をペースで踏んだんです。ペースといってもそんなにヤワなペースじゃない。深谷が強いんです。残り半周で何もできなかったけど、それが分かったことは収穫になりました」
↑ページTOPへ