『被災地支援競輪大垣競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:3月12日
 平成28年熊本地震被災地支援・大垣競輪場開設64周年記念「水都大垣杯(G3)」は、3月12日に最終日が行われた。実力伯仲の決勝は、小松崎大地が番手まくりで快勝。初の記念制覇を果たした。また、9Rに行われたKEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)は、地元の志智俊夫が2番手からまくって勝利した。
決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると一瞬見合ったが、成田和也が飛び出してスタートを取った。初手は新山響平−小松崎大地−成田、竹内雄作−柴崎淳−山内卓也、稲垣裕之−田中晴基、河端朋之の順で並ぶ。
 青板周回の2角からレースが動く。稲垣が早めに上昇していくと、前の新山は車を外にはずして突っ張る素振りを見せる。すると、稲垣は中団まで車を下げ、竹内と4番手を争った。中団がもつれるなか、打鐘前に誘導が退避すると、新山は一気にペースアップして主導権を握る。新山が軽快に逃げる一方で、稲垣と竹内で激しくやり合いホームを通過していく。すると、河端が最後尾からスパートする。河端が勢い良く迫ってくると、車間を空けていた小松崎が、合わせて前に踏み込んだ。小松崎は後続を振り切ってゴールし、記念初優勝を遂げた。外を踏んだ成田と、中団争いを制した稲垣が、直線で小松崎のインに入ってそれぞれ2着同着となる。

小松崎大地選手
小松崎大地選手
 絆を再確認した北日本勢が大垣バンクで躍動。その番手を回った小松崎大地(写真)が、チャンスをモノにして記念初Vを手にした。
 「(新山)響平もすごい気持ちが入っていましたね。(後ろの状況は)全然わからなかったです。響平のことを信じて後輪しか見ていなかったです。こんなに恵まれるとは思っていなかったですね。ありがたいです」
 野球選手から輪界へ。デビューから1年でS級に定着するなど順調に階段を上った。しかし、昨年の夏ごろから急ブレーキ。結果がともなわない日々も、前だけを見続けた。
 「(レース前に)成田さんに『(2人とも)北日本を代表する機動型なんだから、主導権だけは譲るな』と気合いを入れてもらいました。評価してもらえているんだなと。悩んだりもあったけど、評価してくれている人がいて、間違っていなかったと思いました。(ここまで)がむしゃらに突っ走ってきたので、(デビューからの6年での記念Vは)短かったり、長かったりですね」
 東日本大震災から約6年。小松崎は「いわき平にいました」と地元で被災した。復興こそ進むも、今なお住み慣れた地域に戻れない避難生活者も存在する。様々な想いを巡らせながら、今シリーズに臨んだ。
 「軽はずみなことは言えないですけど。走れることに感謝しながら参加した開催でした」
 このVをきっかけに反撃を開始する。自信を取り戻した小松崎が、今後のG戦線でも暴れ回る。
 「もっと、もっと結果を出さないといけないので。北日本の核の一部として、頑張ります」

 成田和也は小松崎に続き稲垣と2着同着。優勝こそ逃したが、北日本勢の精神的支柱を担った。
 「前の2人に付いていっただけで、自分は何もしてませんよ。付いていて感じは良かったです。力があればしっかり(ワンツーが)決まっていたと思うけど。同着なんで最低限の結果ですね」

 最終バックで竹内との激しい中団争いを制した稲垣裕之は内のコースを最後まで諦めずに踏み込んだ。
 「新山君の先行意欲がすごかったです。モガき合っても意味はないと思って(4番手を取りにいった)。敵ながら、震災から6年目で東北勢の意気込みが伝わってきました。僕も負けないように走ったんですけど、何とか2着が精いっぱいでした」

 北日本の先頭を任された新山響平は気迫あふれる先行策を披露。小松崎の優勝に貢献した。
 「全部、突っ張ろうと思ってました。中団争いになっているのは分かったし、内だけ気をつけてました。もしかしたら行けるかなって思ったけど、長い距離を踏んでホームからは全開だったのできつかったです」

 単騎の河端朋之は最後方からまくるも、前が遠かった。
 「内に詰まるよりはと思って、ためて一発を狙いました。小松崎さんが早めに番手から出るぐらい前でモガき合って、その上を行くのが理想だったんですけどね。スピードは良かったんですが、前まで遠すぎました」

 地元記念Vが期待された竹内雄作だったが、稲垣との位置取り争いに敗れて6着。「力不足です。また練習します」と悔しい気持ちを押し殺した。

ゴール
9R KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション) レース経過

志智俊夫選手
志智俊夫選手
 国際競技大会のルールで争う「KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)」は地元の志智俊夫(写真)が制した。レースは打鐘で最後方にいた佐藤龍二が一気に踏み上げる。これを正攻法に構えていた鈴木竜士が突っ張ると、そのままピッチを上げて風を切る。初手から鈴木の後位に付けた志智は、6番手からまくってきた伊藤信に合わせるように番手まくり。逃げる鈴木を直線入り口で捕らえた。
 「自転車を新しくして、練習も力を入れて今回入ってきて、しっかり準備してきました。車番に助けられました。前の方にいたのと、前が鈴木君だったし、展開は理想的でしたね。考えていた展開の中で、一番いいやつ。(伊藤のまくりも)見えていましたね。でも、ディスク(ホイール)なので、伸びとかが違う。出が悪かったんですが、勝てて良かったです」

 三宅伸は選択がピタリと的中。初手から志智の後位を回って2着に入った。
 「3番手を取れたのがよかった。一番後ろはダメだからね。志智は後手を踏んでもいくと思ったので。(2着で)十分でしょ」

 苦しい展開になった伊藤信だが、懸命に踏み続けて3着に食い込んだ。
 「今日は競技だと思って、勝ちにいく競走をしました。佐藤君がいったけど、出させないだろうなと思ったので、付いていかなかったです。ためて、いい勢いではいけたと思います。(志智が)前に踏むのはわかっていたけど、あそこを乗り越えられないとダメですね。でも、レースは楽しめました」

 正攻法から佐藤を突っ張って先行した鈴木竜士は6着に沈んだ。
 「(佐藤が来るのが)早ければ、行かせていたんですけどね。普通の競輪でもあそこは出させないですから。志智さんが1番車で、僕が力づくで逃げるか、志智さんが差すかのレースでしたね。やっぱり後ろは風を受けてないので」

ゴール
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