『豊橋競輪開場71周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:1月31日

 豊橋競輪開場71周年記念「ちぎり賞争奪戦」は1月31日に最終日を迎えた。好メンバーがそろった決勝戦を制したのは、地元からただ一人決勝へコマを進めた吉田敏洋。浅井康太に勢いをもらって通算3度目の記念優勝を飾った。

決勝戦 レース経過

 浅井康太-吉田敏洋、松浦悠士-佐藤慎太郎、深谷知広-岡村潤、野原雅也-村上博幸、単騎の諸橋愛が最後方で周回を重ねる。
 赤板1コーナーで近畿勢が押さえて出て、諸橋も続く。4番手に浅井、松浦は6番手。一本棒の8番手でタイミングを取った深谷は、2コーナーから山降ろしで仕掛ける。野原も合わせてペースを上げるが、打鐘の4コーナーで深谷が主導権を奪取する。松浦がすかさず反撃に出て前団に迫る。岡村潤のブロックをしのいで最終2コーナー過ぎに松浦が出切る。が、今度は浅井もまくりで襲い掛かる。佐藤が浅井を3コーナー過ぎにブロック。浅井が外に弾かれると、4コーナーから踏んだ吉田が直線でシャープに伸びて地元V。2着に松浦が残り、吉田後位に切り替えて中を突っ込んだ諸橋が3着。


吉田敏洋選手
吉田敏洋選手

 「今年は(ホームバンクの)名古屋記念がないから、純粋な地元のつもりで走ります」。前検日からそう話していた吉田敏洋(写真)が、18年3月名古屋以来、通算3回目のGIII優勝を飾った。
 「苦しい位置だったけど、浅井(康太)がおもいきってイチかバチかで行ってくれました。変にバックを踏むことになく、あそこまでスピードを上げてくれた浅井のおかげです」
 二次予選では松浦悠士との番手をめぐって岡村潤と競り合うことになったが、最後は意地を見せて3着で準決勝へ。試練を乗り越えて、優勝につなげた。
 「二次予選を乗り越えて気持ちは楽になりました。今回は開催を通じて、意外と冷静に走れたのかなと。金子(貴志)さんと一緒に決勝に乗りたかったけど、愛知県は準決勝の段階から一人になってしまった。愛知のみんなの思いも背負って走ることができたのかなと思います」
 昨年は3連続の落車に泣かされたが、「今年に入ってからは、練習でいい感覚に近づいてきている」と話した通り、21年2場所目の地元記念でVを達成。ここから巻き返しを誓う。
 「来月には今年一発目のGI(全日本選抜)もあるし、この勢いを加速できるように頑張っていきたい」
 今年はGI戦線で存在感をアピールしていく。

 いいスピードで前団をまくり切った松浦悠士だが、吉田に交わされて2着でゴール。
 「岡村さんのブロックがなければ、もうちょっと最後まで踏み切れたかもしれないですね。出切った時に(佐藤)慎太郎さんとワンツーが決まったかと思ったけど、自分も最後はキツかったです。(佐藤と)S班同士でラインを組んで、見せ場というか、お互いができることはできたかなと思います」

 単騎の諸橋愛は、最終バックで中部ラインに切り替えて3着に入った。
 「野原が行くと思っていたので、(近畿ラインの)後ろからでした。思いのほか深谷が来るのが早かったですね。遅ければ野原が駆けてくれるからスピードも上がっているし、深谷にスイッチできたのかなと思う。最後も(佐藤)慎太郎さんがいつかは内を空けるから待ってましたけど、引きつけながらだったからなかなか空かなかったですね」

 佐藤慎太郎は強烈なブロックで浅井を止めるも、直線は伸びを欠いて5着となった。
 「苦しくて余裕がなかったね。松浦から車間を空けていれば、松浦とワンツーだったかもしれないけど、脚に余裕がなかった。練習し直します」

 野原雅也を叩いて主導権を握った深谷知広は9着に敗れるも、力は出し切った。
 「構えて一発っていうレースは、今は違うのかなと。力を出し切るレースはできたので最低限です。これからは南関の自力屋として、存在感をアピールしていきたい」





次回のグレードレースは、高松競輪場開設70周年記念「玉藻杯争覇戦」が2月4日~7日の日程で開催されます。
今シリーズの注目選手は、松浦悠士、平原康多、守澤太志のS級S班3名を筆頭に、北津留翼、高橋晋也、太田竜馬、小川真太郎、根田空史、地元勢では香川雄介、池田憲昭らが4日間に渡ってハイレベルなV争いが繰り広げられます。
1月24日時点の出場予定選手データを分析した高松競輪場開設70周年記念「玉藻杯争覇戦」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。

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