『豊橋競輪開場58周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:2月10日


 豊橋競輪開場58周年記念「ちぎり賞争奪戦」は、後半戦となる3日目に突入した。昨日とは打って変わって好天に恵まれ、準決勝4個レースをメインに、熱戦が展開された。最終11レースでは大本命の小嶋敬二が敗れる波乱もあったが、有坂直樹、渡邉晴智、海老根恵太らファイナリスト9名が出そろい、明日の決勝戦でシリーズの頂点を争う。
 最終日(11日)もちんどん屋パオパオ堂によるお客様のお出迎えや車券購入者スピードくじ抽選会、予想会など、ファンサービス、イベントが盛りだくさん。この機会にぜひ、豊橋競輪場にお越しください。




<8R>
小林大介選手
小林大介選手
   8レースは準決勝C。1着権利の狭き門を突破して決勝一番乗りを果たしたのは小林大介(写真)だった。先制した同期の三宅達也の番手にはまる絶好の展開をきっちりモノにした。
 「風が強かったので、初手は前を取って後は流れに応じて走ろうと考えていました。達也が行ってくれれば、その上を叩いて先行するつもりでしたが、そう上手くはいきませんよね。内が空いてくれたので、前に踏んだら運良く達也の番手に入れました。今回は着が悪かったけど、脚の状態は良かったんです。記念の決勝は本当に久しぶりだし、明日は優勝を目指して頑張ります」
 2着の三宅達也は「大ちゃん(小林)が番手に入ってしまいましたからね。そんなに早めには来ないだろうし、自分のペースで踏めたけど、最後は気合負けです。でも、駆けた感じは良かったし、いいレースはできたと思います」と納得の表情。


<9R>
小橋正義選手
小橋正義選手
   9レースの準決勝Bは出入りの激しいレース展開となったが、高谷雅彦が最終的にまくり切り、マークの小橋正義(写真)が直線鋭く差し切った。
 「池尻(浩一)君に当たられたけど、きっちり乗り切れたし、最後も前を交わせていますからね。状態はいいと思います。練習の成果が出ているし、支えてくれる人たちのためにも、結果を出すのが一番。決勝も自分らしい競走をします」
 2着の高谷雅彦は「先行1車だったし、もちろん先行を考えていましたが、他の人が自分が動く前にインを斬って行く形になったので、流れが向きました。渡部(一之)さんが出た後は必ず流すと思ったし、その上を仕掛けていきました。バックは風が強かったけど、決勝に乗れて良かった。記念決勝は去年の武雄以来です」と満足そうにレースを振り返る。
 地元の富永益生は力を出し切れず5着に敗れた。
 「斬っていい形になったと思ったんですが…。まさか渡部(一之)さんにその上を行かれるとは思わなかった。こんなレースになるなら、道中は高谷君のラインに付けて、自分でまくった方が良かったですね」


<10R>
渡邉晴智選手
渡邉晴智選手海老根恵太選手
海老根恵太選手
   10レースの準決勝Aは南関勢が上位を独占。渡邉晴智(写真)が海老根恵太の先行に乗ってきっちり追い込み、連勝を飾った。
 「海老根が気風良く駆けてくれたし、全てラインのお陰です。この風の中、3日間バックを取るなんてなかなかできませんよ。最後までタレなかったし、本当に強かった。僕は恵まれただけですけど、このメンバーで勝てたのは嬉しいですね。連勝だし、調子は問題ありません」
 海老根恵太(写真)は中川誠一郎、佐々木則幸を相手に上手く自分のペースに持ち込み、末良く2着に粘り込んだ。
 「晴智さんが中団を取ってくれたし、後ろのラインが押さえた上を叩いて先行するつもりでした。今日は後ろの人に仕事をしてもらったお陰です。ライン3人で決まって最高の結果。今回は初日から長い距離をもがいているので、だんだん踏めるようになってきました。今日はバックでもまだ脚が残っていましたよ。ここは本当に相性がいいし、明日も力を出し切りたい」
 中井達郎も3着に流れ込み、ホッとした様子。
 「中川君が粘りそうな気配だったので、内だけしっかり締めておきました。内をずっと走っていたので、少し重く感じたけど、前回よりは状態がいいし、決勝に乗れて良かったです」
 まくり不発の佐々木則幸は「ホームで緩んだ時に仕掛けるべきでしたね。ちょっと前を見てしまった。今の調子を物語っていますね」と悔やむ。


<11R>
有坂直樹選手
有坂直樹選手西郷剛選手
西郷剛選手
   最終11レースは新田祐大が急病により当日欠場。8車立てで行われた。小嶋敬二に圧倒的な支持が集まったが、中団を確保した有坂直樹(写真)が直線一気に突き抜けた。
 「今日の朝に(新田の)欠場を聞いた。やっぱり前がいないと緊張するね。でも、落ち着いて走れた。自分でまくる考えもあったけど、いいタイミングで西郷(剛)が番手から出てくれた。小嶋(敬二)も今日の風じゃちょっと厳しいよね。今回はしっかり練習してきたので、調子はいい」
 齋藤登志信がしっかり2着に続き、北日本ワンツーを決めた。
 「前も徐々にかかっていったし、俺は自分のできる仕事をするだけでしたね。小嶋さんが内から来たけど、何とか対処できました」
 バックから番手まくりを放った西郷剛(写真)は3着。
 「稲川(翔)君が上手く駆けてくれたし、頑張ってくれたお陰ですね。その気持ちに応えるためにも、小嶋さんが相手だから出るしかなかった。バック向かい風で車の出が悪かったし、最後はもう一杯でした。記念の決勝はいつ以来かもう覚えていません(笑)」
 4着の宮崎裕一朗はさすがに悔しそう。
 「絶好の展開だったんですが…。ちょっと力んでしまいました。チャンスがあっただけに悔しいですが、気持ちを切り替えて明日頑張ります」
 先行した稲川翔は「今日は先行しか考えていなかった。あのまま共倒れになるよりは、西郷さんだけでも決勝に乗ってくれて良かったです」。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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