『豊橋競輪開場61周年記念(GIII)レポート』 前検日編
 
配信日:7月28日


 明日(29日)から豊橋競輪開場61周年記念「ちぎり賞争奪戦(G3)」が開幕します。直後に全日本選抜が控えるためSS班の選手は不在となったものの、地元の新鋭・深谷知広や初G1の親王牌で決勝進出を果たした脇本雄太など、活きの良い若手選手が多数集結。エキサイティングなスピードレースが期待できそうだ。
 また、初日の明日は「肘掛けつき座椅子」や「オリジナルクオカード」があたるスピードクジが先着入場1000名様に配布されるほか、伊藤克信さんによる予想会「総天然色豊競予想劇場」が実施されます。是非、この機会に本場へと脚をお運びください。


<1R>
 7月伊東Sでは決勝へ勝ち上がった小埜正義。今回は新フレームを持参し競輪場へ姿を現した。
 「練習はしっかりできているし、あとは自転車次第。いつまでも平原(康多)からの借り物で走っているわけにはいかないですしね。フレームを作るのはこれで5度目。今までは外れっぱなしだったので、今回こそ当たってほしいですね」
 昇級初戦の7月防府Sで藤木裕を下して予選突破を果たした浦山一栄。ここも作戦に迷いはないようだ。
 「点数的にも格下だし、思い切って先行したほうが残れるチャンスは多いはず。最近はずっと調子が良いし、S級はA級と違って選手のクセがだいたいわかっているので、逆に走りやすいですね」


<2R>
 松本一成は7月の和歌山Sで2度確定板。前半戦は苦戦が続いたが、ようやく復調の兆しが見えた。
 「特に変わった事をしたわけではないけど、前回は自分でも良く身体が動いたと思います。豊橋は去年の記念でも決勝に乗っているし、前場所の流れをうまく持続できればいいですね」
 地元勢の先頭を切って登場するのは鈴木伸之と杉本達哉。鈴木は松本一成を相手に総力戦を挑む。
 「前走の小倉Sの後は、追加も断ってここに向けて追い込んできました。倉野たちと高地トレーニングにも行ったし、仕上がりは万全。初日から対戦相手が松本さんと、メンバー的にはかなりきびしいけど、地元戦なんで杉本さんと二人で力を合わせて総力戦で! なんとか予選は突破したいですね」


<3R>
谷田泰平選手
谷田泰平選手
   谷田泰平(写真)は6月伊東でS級初Vを飾ると、7月立川S準決でも先行勝負で岡部芳幸や小川勇介を下し決勝に勝ち上がるなど、最近は好脚が目立っている。
 「最近は展開も向いているし、立川の後も5日くらいみっちり練習してきた。コンディションはバッチリです。豊橋はチャレンジ戦で初優勝している場所だし、今回も良い走りを見せたいですね」
 前走の7月伊東S初日にバンベルトホーベンをまくりきった関一浩も鼻息は荒い。
 「競走スタイルを自力に戻してからは、コンディションも安定してきたし、結果も出ている。前回のまくりは展開に恵まれたこともあるし、谷田君の方が外人よりも強そうだけど、明日も流れの中から一発狙いたいですね」


<4R>
 前半戦は精彩を欠いた和田健太郎だったが、今期に入ってからは二場所連続で優参中。ようやくらしさが戻ってきた。
 「最近は赤井(学)さんたちと一緒に街道でモガキを中心に練習しているけど、ようやくその成果が出てきてくれました。ケガもあって前半は本当に苦しい思いをした分、この流れを絶対に断ち切りたくないという想いは強い。前回の静岡の後もしっかり練習はできているし、ここも集中して良い結果を出したいですね」


<5R>
倉野隆太郎選手
倉野隆太郎選手
   昨年の当所記念では初日9着で途中欠場となった倉野隆太郎(写真)はその雪辱に燃える。
 「昨年のことは、もう忘れました。僕、走りましたっけ?(笑) あの頃から落車続きでずっと苦しい思いをしてきたけど、最近ようやく調子が戻ってきたし、前回のサマーナイトも成績以上に手応えはあった。明日は宮崎君も徹底先行型っぽいけど、僕も最初からまくりに構えると失敗するので、受けて立つくらいの気持ちで走りますよ。それにしても地元記念は燃えますね。気合いが入りすぎて髪の毛がクルクルになっちゃいました(笑)」


<6R>
 ここのところ動きの良さが目立つ高谷雅彦。前走の7月防府Sでも先行策で決勝へと勝ち上がっている。
 「初日から脇本君や深谷君が相手だと厳しいと思っていたので、ちょっとホッとしましたね。防府のあとは20日くらい間隔が空いたので、珍しく合宿をしたし、仕上がりは問題ありませんよ。豊橋は死ぬほど暑いと聞いてきたけど、今日ぐらいならどうにかしのげそうです」


<7R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
   初参戦のG1親王牌で決勝進出を果たし、全国中に名前を轟かせた脇本雄太(写真)。続く岐阜Sでも完全でS級初Vを飾るなど、快進撃は止みそうもない。
 「祝勝会などが続き、少し練習不足気味だけど、問題はないと思う。今回はSS班もいなくてチャンスだけど、競走内容も重視したいし、何より最大の目標は、深谷君に勝つこと。そこだけは絶対に譲れません。明日の澤田さんとは3度目の連係だけど、前の2回はいずれも澤田さんが競りとなって迷惑をかけているし、今回こそラインで決められるようにしっかり考えて組み立てます」
 一方の澤田義和は「まずは脇本に付け切ることだけに集中。抜く、抜かないはその後です」と番手死守に全力投球の構え。
 川崎健次はメンバーを見ると、ニヤリと不適な笑みを見せる。
 「脇本君のレースはいつも見ている。長く踏めるし、本当に強いよね。僕は先行屋ではないから、逆にやるべきことはっきりしている。もちろんハコ奪取も含め、総力戦で一発狙いたいですね。最近は成績は良くないけど、脚自体は悪くないですよ」


<8R>
深谷知広選手
深谷知広選手
   一次予選のトリを飾るのはシリーズリーダー・深谷知広(写真)。地元戦に向けて準備は万端だ。
 「当面は競技から離れたことで、今は競輪に専念できている。サマーナイトの前と後で、2度高地トレーニングに行けたし、今はその疲れもしっかり抜けているので、自分のレースさえできれば問題はなさそうです。もちろん優勝を期待されているだろうけど、まずは最低限、決勝に乗ることに集中して頑張ります」
 最高の目標を得た渡邊健。深谷との好連係から予選突破を狙う。
 「僕自身、練習はできているし、調子も戻ってきているけど、深谷くらいのレベルになると行くとわかっていても離れてしまいますからね。明日は付いていけるかどうかが勝負。何としても食らい付いていきたいですね。あー、メチャクチャ緊張しますよ」


<9R>
五日市誠選手
五日市誠選手
   前走の7月高松Sでは1・1・2着。五日市誠(写真)は完全に息を吹き返した印象が強い。
 「7月からはフレームを替えて、ギアも4.00に上げたところ、うまくマッチしましたね。状態も良いし、豊橋は2月のF1でも決勝に乗ったので、イメージも悪くない。先行は先行回数が増えているけど、展開上のもの。先行することで事故点も高くなってきているので、そのへんも頭の片隅には入れておかないとね」
 追加参戦の牛山貴広も、今回に賭ける気持ちは強い。
 「追加の連絡は前走の前にもらっていたので、何の問題もないです。立川Sのあとは日にちがなかったので、疲れを取ることに集中しました。今回は平原さんの代わりだし、競輪祭の権利を獲るラストチャンスでもあるので、しっかり結果を出していきたいですね」
 松岡孔明の機動力も侮れない。
 「親王牌での落車からは、しっくり来ていない部分もあるけど、練習自体はしっかりできているし問題はなさそう。(坂本)亮馬が川崎記念を獲ったし、僕も九州若手の良い流れに乗れるように頑張ります」


<10R>
柴崎俊光選手
柴崎俊光選手
   地元、四日市記念で決勝確定板、続く小倉Sでも準Vと柴崎俊光(写真)は目覚しい活躍が続く。
 「さすがに先行争いまでは厳しいけど、細切れ戦だし、タテで勝負したい。四日市記念の時は、中部の他県の方にもいろいろ助けてもらったし、今回は僕も地元勢を盛りたてて恩返しをしていきますよ。この時期の豊橋は軽いし、バックも流れるので走りやすいので楽しみです」
 地元戦の島野浩司は柴崎後位からレースを進める。
 「前走の大宮Sの二日目にゴール後落車し、痛みがあったので、直前は練習して、身体を休めての繰り返しでした。とりあえず明日一走してみないとわからない部分もあるけど、地元戦だし、なんとか結果は出したい。12年振りの優勝が飾れれば最高なんですけどね」
 前半戦は大スランプだった矢口啓一郎も、着実に状態は上向いている様子。
 「展開が向かない分、結果は出ていないけど、最近は動き自体は悪くない。親王牌3日目の1着失格で気持ちの面でも吹っ切れた部分もあるし、今回は頑張りたいですね」
 矢口後位の稲村好将は「明日はみんなダッシュタイプだけど、矢口が落ち着いて駆けてくれれば、僕にも脈はありそう。先週の土曜日に35歳になったばかりだし、矢口が素敵なバースデープレゼント(1着)をくれれば最高なんですけどね」。


<11R>
栗田雅也選手
栗田雅也選手
   地元勢のラストを締めるのは富永益生。明日は金山栄治の後位からレースを組み立てる。
 「倉野や深谷などの若手はみんなそろって高地トレーニングに行ったみたいだけど、あいつらと同じ練習をしたら僕は壊れてしまうから、僕は地元に残りいつも通りの練習をしてきました。今回は深谷や倉野、脇本など中部や近畿に活きの良い若手がそろったし、本当に楽しみ。少しでも上に行くためにも、明日は何としても3着以内には入り優秀に進みたいよね」
 富永に任された金山栄治は積極策を示唆する。
 「僕は滑り込みで特選に乗れたわけだし、後ろには地元の富永さんが付いてくれる。何としても出し切る競走はしたいですよね」
 栗田雅也(写真)も前走の7月大宮SでVを飾るなど、好調を維持している。
 「大宮は展開で勝てた部分もあったけど、その後は地元でアマチュア相手にしっかり練習できているし、コンディションは間違いなく前回よりも良い。村本さんはいつもきっちり仕事をしてくれるし、僕は僕で、自分の競走をするだけです」
 親王牌から大きく間隔が空いた北津留翼だが、状態面にはやや不安を残すようだ。
 「一昨日の午後まで、1週間ほど競輪学校でナショナルチームの合宿があったけど、そこで熱を出して寝込んでしまった。それまでは良い感じで乗れていたんで、どこまで戻っているかって感じです」

↑ページTOPへ


情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved