『豊橋競輪開場61周年記念(GIII)レポート』 2日目編
配信日:7月30日
豊橋競輪場開場61周年記念「ちぎり賞争奪戦(GIII)」は二日目を迎えた。二次予選では、深谷知広や脇本雄太に加え、宮崎康司や五日市誠など、若手選手が大活躍。またメインレースの優秀競走「まくる君カップ」は矢口啓一郎の番手にはまり直線で追い込んだ栗田雅也が制した。
なお、明日(31日)も本場では豪華イベントが盛りだくさん。連日実施の「先着入場者スピードクジ」や「伊藤克信の総天然色豊橋予想劇場」に加え、明日はサンバショー(場内イベントステージ)や、お子様向けにカブトムシ・クワガタつかみどり(イベントステージ付近・先着100名様)などもございますので、お誘い合わせの上、競輪場へとご来場ください。
<5R>
鈴木伸之選手
北津留翼の先行を鈴木伸之がまくり、高谷雅彦後位から、鈴木ラインの3番手に切り替えた
佐藤康紀
が直線で突き抜けた。
「最終ホームで高谷さんが下がっていったので、自分で踏み上げたら、そこにちょうど鈴木君が来て、うまく乗っていけました。レースは冷静に見えていましたよ。自分の状態自体はそんなに変わりはないけど、昨日が涼しかった分、前回の立川よりは良いと思います」
好回転のまくりを見せた
鈴木伸之(写真)
は殊勲の3着。地元記念で準決勝へと勝ち上がった。
「最初は3番手まで追い上げるつもりだったけど、うまくスピードに乗れてまくりきってしまいました。僕がノーマークだったことで、展開にも恵まれましたね。準決勝に乗ることが目標だったので、素直にうれしいです」
<6R>
宮崎康司選手
中団確保の
柴崎俊光
は最終2角で和田健太郎のまくりを止めると、最終4角から怒涛の追い込みで直線一気に突き抜けた。
「和田さんを止めた後、澤田さんに入れてもらえたことが大きかったです。あそこでいったん休めたし、あのまままくっても、タイミング的に3角でブロックを食らいそうでしたから。直線は良く伸びたけど、途中で一回休んでの結果だし、あれだけでは調子が良いとはいえませんよ」
昨日に続き、果敢なジャン先行を見せた
宮崎康司(写真)
。最後は柴崎に交わされたものの、あわや押し切りのレース展開で、その評価はうなぎのぼりだ。
「何も考えてなかったし、とにかく自分のペースでいけるところまでと思って踏みました。最後は一杯で、自分が何着かさえ全くわかりませんでした。昨日の夜、同期のワッキー(脇本雄太)にアドバイスをもらったら、今日はいつも以上に良い感触で走れましたよ。聞けることは聞いて、盗めるものは盗まないとね。でも、これからはみんなに警戒されるようになりますね。もっとひっそりと競輪選手をやっていくつもりだったんですけど(笑)」
<7R>
五日市誠選手
赤板でいったん前を切った浦山一栄に対し、打鐘ですぐさま巻き返した
五日市誠(写真)
が、そのまま風を切ると、最後は村本大輔に交わされるも、2着で準決勝へと駒を進めた。
「最近は積極的な競走で結果も出ているので、今日もズルいことを考えずに力勝負をしました。誰も切り替えず、引いても4番手だったことも大きかった。出切ってからはうまくペースで駆けられたし、いい競走ができたと思いますよ」
1着の
村本大輔
も五日市を絶賛する。
「4番手に入っているのに、打鐘ですかさず巻き返してくれるあたり、五日市君は強いね。あとは僕が仕事をしようと思っていたけど、五日市君が強いから結局誰も来ませんでしたね。僕自身は前走の静岡Sほどではないにせよ、身体は動いている。今回は新番組になってから初めての記念だし、明日も落ち着いて頑張りたいね」
<8R>
松岡孔明選手
打鐘で、金山栄治が切った上を
松岡孔明(写真)
が叩いて出ると、ホームで金山と桑原大志がからみ3人が落車。一人で大逃げとなった松岡がそのまま押し切り1着で準決勝へと勝ち上がった。
「金山さんにペースで駆けられるときついので、緩めたところを叩こうと思っていました。後ろが落車になっていたのはわかっていたけど、僕も変に緩めると一気に飲み込まれてしまうので、『来るな、来るな!』と思いながら必死にもがきました。とりあえず勝ち上がれたのは良かったけど、できればラインで決めたかったですね」
落車を避けた
小林孝文
は桂馬将人を捨て自ら追い上げ3着。初の記念で準決勝まで勝ち上がった。
「自分で踏んだのも、身体が勝手に反応した感じ。そういった意味では調子は良いけど、直前の練習がオーバーワークだったせいか、脚は少し重いですね。勝ち上がれたのは嬉しいけど、落車があっての結果だし喜んで良いのかどうか。明日も集中して頑張ります」
<9R>
脇本雄太選手
脇本雄太(写真)
が驚異的な強さを見せ付けた。懸命に突っ張り抵抗する大西祐を叩くと、そのまま全開で1周半の逃走劇を披露。最後は番手の吉村和之をも3車身引き離す圧勝で準決勝へと勝ち上がった。
「大西さんも突っ張る気マンマンだったので、マックスの力で叩きにいきました。出切ったあとも、後ろを確認する余裕はなかったから後ろには大西さんがハマっているものと考えて走っていたし、とにかく必死でしたよ。本当はいったん3番手におさまってからのホームガマシも考えていたけど、それでは決まり手が『まくり』になってしまいますからね(笑)」
番手追走ながら、ゴール前では引き離された
吉村和之
は、ただただ、脇本の強さに舌を巻く。
「バック辺りからの踏み直しが強烈だった。ケツも上げずにブワーっと加速していくからどんどん離されてしまって。バイク誘導みたいだったけど、あいつはバイクより強いんじゃないかな。とにかく、今まで付いた選手の中でトータル的にみて一番強いよ」
前受けから突っ張った
大西祐
だったが、叩かれ準決勝を逃した。
「今日は最初から突っ張るつもりだったし、それ用にギアも下げた。僕もダッシュには自信があったけど、目一杯踏んでいる僕の外を、涼しい顔をした脇本君がスーッと行ってしまった。あれで合わせられなかったのだから正直ショックですよ」
<10R>
島野浩司選手
深谷知広が松本一成を強引にまくると、深谷の番手から
島野浩司(写真)
がゴール前できっちり追い込み1着。準決の切符を手にした。
「図ったように見えただろうけど、全力で交わしに行って、最後の最後で何とか抜けた感じ。深谷は、前に走った時より断然強くなっているね。今日はとにかく千切れないことだけを考えて、集中して走れました。決して万全ではないけど、気持ちで調子を上回ったレースができました」
深谷知広
は茂木和臣の牽制を受けながら、力ずくでまくり切り地元ワンツーを演出した。
「今回はワッキー(脇本)に良い所ばかり持っていかれていますからね。とりあえず、絶対に勝ち上がらなくてはと思っていました。本当は松本さんの番手に入っても良かったけど、前のレースでもワッキーが見せるレースをしていたし、脚質的にも、いったん人の後ろで休むより、外併走でも踏んでいったほうがスピードがいかせるので、力ずくでまくりました」
<11R>
栗田雅也選手
優秀競走「まくる君カップ」は最終ホームで内をすくい先頭に立った矢口啓一郎に富永益生が付け切れず、
栗田雅也(写真)
がはまり込む展開に。番手絶好となった栗田が最終4角から満を持して踏み込み1着をもぎ取った。
「今日は展開に恵まれたとしか言いようがない。矢口の後ろに入ってからは、誰かが来たら合わせて出て行こうと準備をしていたけど、結局誰も来ませんでしたね。最終バックで荻原君がフラフラしていたことで後ろの選手も仕掛けづらかったんじゃないですか?」
打鐘でいったん栗田のダッシュに離れた
佐々木龍也
だったが、最終ホームで追いつくと2着に流れ込んだ。
「今日は自力選手がみんなダッシュタイプだったし、ちょうどヤマをのぼっているところで踏まれたので遅れてしまったけど、何とか追いつけて良かった。あそこで諦めたら大敗のパターンだし、栗田にも迷惑をかけてしまうからね。あとは全て栗田が落ち着いて駆けてくれたおかげです」
単騎になりながら果敢に風を切った
矢口啓一郎
は「今日は見せるレースがしたかった。結果的には単騎になってしまったけど、あれで後ろがいればラインでワンツーを決められる展開でしたからね。後ろに栗田さんが入っているのはわかっていたし、もう少しペースを緩めて脚を溜めてもよかったのかな?」とレースを振り返る。
最終バック8番手から3着に強襲した
牛山貴広
は「レース内容は決して良くはなかったけど、脚自体は悪くないですね」。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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