『豊橋競輪開場61周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:7月31日


 豊橋競輪開場61周年記念「ちぎり賞争奪戦(G3)」も大詰めの3日目。決勝の切符を賭けて争われた準決勝を中心にピックアップします。地元勢からは深谷知広と島野浩司が決勝に進出。また脇本雄太や栗田雅也、矢口啓一郎といった強力自力選手も順当に勝ち上がり決勝戦は細切れ戦の様相を呈している。
 なお、明日(8月1日)も場内では、連日実施されている先着入場者スピードクジや、伊藤克信氏による「総天然色豊橋予想劇場」に加え、「マツケンサンバ」で有名な真島茂樹氏によるステージショーもございますので、こちらのほうもお楽しみにしてください。


<9R>
柴崎俊光選手
柴崎俊光選手
栗田雅也選手
栗田雅也選手
   最終バック3番手から栗田雅也がまくると栗田ライン後位の柴崎俊光(写真)が直線で鋭脚を炸裂。鋭いまくり追い込みで決勝一番乗りを決めた。
 「他力本願の組み立てだったけど、思い描いていた通りのレース展開になった。今日もスピードは良い感じだったし、人にスピードをもらって、そこから伸びるのは僕の一番得意なパターンですからね。最後は村本さんが肘で牽制にきたけど、うまく避けることができました」
 ゴール目前で柴崎に勝ち星をさらわれた栗田雅也(写真)は驚きを隠しきれない。
 「すんなり三番手が取れたし、まくったのも最終バックから。自分のタイミングで仕掛けられたので、正直、村本さんとのワンツーだと思っていました。最後に全力でハンドルを投げた瞬間、大外を柴崎君に行かれてしまった感じ。自分たちの後ろは五日市君だと思っていたので、あれにはびっくりでしたよ。でも、村本さんと二人で勝ち上がれたので良しとしましょう。今回は深谷君や脇本君が注目を浴びているけど、決勝では『俺もいるよー』って所を見せ付けたいですね」
 栗田に続いた村本大輔は「雅也のすんなり3番手まくりを差すのだから、柴崎が強かったということ。作戦通りだったしワンツーが決まったと思ったんだけどね。この借りは明日きっちり返しますよ」
 連日、徹底先行で勝ち上がり存在感を示した宮崎康司だったが、準決勝の壁は厚かった。
 「細切れ戦だし、誰かが先に斬ってくれると思ったんだけど…。結局全部自分で踏み上げたので、さすがにきつかった。それに準決にもなると、周りの威圧感も全然違いますね」


<10R>
島野浩司選手
島野浩司選手
脇本雄太選手
脇本雄太選手
   脇本雄太が突っ張る牛山貴広を叩き先行策に出ると、番手追走の島野浩司(写真)がゴール寸前で交わし、1着をもぎ取った。
 「最後は一杯で、とても抜ける感触はなかったけど、中を割ってきた(佐々木)龍也さんに押してもらう格好になり、ゴール前でグイっと伸びました。交わせたのはたまたまだけど、調子も日に日に上がってきてはいますよ。それにしても、脇本君は強い。ずっと掛かっている感じですもん。本人的には流しているのかも知れないけど、僕らには息つく余裕はありませんよ」
 脇本雄太(写真)は、レース後はさすがに疲労の色が隠せない。
 「昨日は大西さんで今日は牛山さん。さすがに2日連チャンで突っ張られるときついですよ。牛山さんを叩いてからも、いつ松岡さんが飛んでくるかわからないし、流せずに、最後まで踏みっぱなし。こんなにきついのA級以来じゃないかな? さすがに今日は昨日の疲れも多少残っていましたね」
 3着には松岡孔明のまくりに乗った松本大地が飛び込んだ。
 「今日は孔明のスピードが良い感じだった。決勝に乗れるのは2年前の熊本以来です。僕自身も親王牌のあとはみっちり自動車誘導で仕上げて来たし、引っ張ってくれた親にも、これで良い恩返しになりましたね」
 懸命に突っ張った牛山貴広だったが、内に包まれ9着に沈む。
 「突っ張りきるか、ダメなら引いて空いたところに入る作戦だった。粘ることは考えてなかったけど、中途半端に踏んでいた分、2、3番手辺りをウロチョロしてしまった。あれでは後ろに切り替えられても仕方ないですね」


<11R>
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手
稲村好将選手
稲村好将選手
   赤板から深谷知広を押さえ動きを封じた矢口啓一郎(写真)が、逃げる荻原尚人をまくり決勝進出を決めた。
 「本当はフタをしたまま、打鐘の2センターからカマす作戦だった。今回のデキなら1周ちょっと位ならいけると思っていたけど、荻原君も駆ける気マンマンだったので、ひるんでしまった。そうしたらたまたま、深谷が口をあけて中団に入れました。今日に関しては展開に恵まれただけ。でも今回は調子自体は良いし、明日も展開さえ向けばどうにか勝負になりそうです」
 矢口に続いた稲村好将(写真)も満面の笑顔でレースを振り返る。
 「今日は矢口が落ち着いて走ってくれたね。ギアも正解でした。深谷君は地元だし、プレッシャーもあったのかな? なかなか引かないから『シメシメ』と思っていましたよ。矢口は細切れ戦も得意そうだし、明日も信頼して任せるだけですね」
 後手を踏んだ深谷知広は懸命に巻き返すも3着。薄氷を踏む思いで決勝進出を果たしたが、口を突くのは反省の弁ばかりだ。
 「悔しい…。フタをされた時点で引くべきでしたね。もっと勉強しなくてはですね。明日は、ワッキー(脇本雄太)に負けたくない気持ちも強いけど、まずはとにかく自分が勝つレースで、自分かラインから優勝者を出したい」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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