『東日本大震災被災地支援競輪 開場62周年記念豊橋競輪(GIII)レポート』 3日目編
配信日:5月23日
本日23日、愛知県・豊橋競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・豊橋競輪開場62周年記念「ちぎり賞争奪戦」(GIII)3日目が行われました。準決勝はどのレースも凄まじいレースとなり、1着は順に浅井康太、村上義弘、深谷知広と好調自力選手が勝ち上がりました。明日はいよいよ決勝戦です。優秀でも他ラインを完封した深谷率いる地元ラインに対して、他ラインがどう動くのか。楽しみなメンバーの決勝をお見逃し無く。
また、最終日(24日)は、場内イベントステージで「競輪・ボート・オート 3種コラボトークショー」が行われます。オートレーサートークショーは3R発売中、ボートレーストークショーは5R発売中、3競技コラボトークショーは9R発売中です。そして豊競クイズラリーとともに、連日好評の豪華賞品が当たる先着入場ファンサービス、伊藤克信氏による「総天然色 豊競予想劇場」、サイクルタイムトライアル、特別観覧席限定の未確定車券抽選会も行われます。最終日も豊橋競輪場でお楽しみ下さいませ。
<1R>
小堺浩二選手
4回転の
小堺浩二(写真)
が逃げ切り、3日目のオープニングレースを制する。
「新車なのでセッティングは出ていないんですよ。だから乗り心地は悪いけど、進み心地は良い、みたいな感じでしたね。フレームが良いからでしょうね。今日は2車なので、先行するならホームカマシと思っていました。2人とも脚を使っていたし、8割くらいの感じですんなり出させてくれたのが大きいです」。
2着は捲り追い込んだ
大内達也
が入線。
「組み立てはイン粘りはないけど、臨機応変に。変則的な細切れで、捲りが間、間にいるからどこで脚を使って、どこでいくかが問題でした。でも6番(佐々木翔一)より前にいないといけなかったですね。ジャンで6番を突っ張るかどうか迷ったんですけど…。(2着は)諦めないで踏むことが大事ですからね」。
<2R>
熊無俊一選手・吉野猛選手
鷲田佳史と蒔田英彦がモガキ合い。絶好の展開になった熊無俊一が捲り、吉野猛が差し切ってワンツーが決まる。
吉野猛(写真・右)
は「作戦通りにいきましたね。これを狙っていました。(熊無とは)静岡記念の最終日も一緒で、同じような展開だったんですよ。バックからすごいかかっていましたね。良かったです」。
熊無俊一(写真・左)
(2着)は「(吉野には)いつも抜かれるわ。思っていた通りの展開になりました。蒔田が内に来たから、これは行かせてはいけないと思って引かせて、外を踏ませるような感じで。蒔田が行った時に、蒔田は止まると思って風を避けながら回っていたら、蒔田が勝つもんだから、慌ててエンジンをかけました。合わされちゃうから、コーナーに入る前に少しでも前にいないとと思って。静岡の再現になりましたね」。
主導権争いになった両者。
蒔田英彦
(3着)は「ワッシー(鷲田佳史)が相手だし、内か外かは分からないけど、先行争いは避けられないと。(鷲田に)合わせられたと思ったんですけど、ギアを86に上げていた分、我慢できましたね。ギアは重かったですけど、昨日も今日もレース出来ているし、明日も頑張ります」。
一方の
鷲田佳史
(9着)は「出切ったと思ったんですけどね。何がいけなかったんだろう…やっぱり脚かな」。
<3R>
長崎達也選手
古屋琢晶が先行態勢に入ると
長崎達也(写真)
がイン粘り。番手奪取から直線抜け出した。連続9着からの巻き返しが決まった。
「イン粘りは作戦だったし、狙っていました。うまくいきましたね。最近は戦法も中途半端だったし、成績のこともあったから、久しぶりの1着は良かったです。今日は反応も良かったし、楽でした。S級は厳しいので、これからもいろいろ考えて、勉強していきたいです」。
先行の
古屋琢晶
は3着に沈む。
「後ろが並走になったのは分かっていました。でもペースで踏んだ方が良いと思って。(番手で)どちらが勝ったかは分からなかったんですけど、合わせられなかったのは力不足ですね。主導権は取れているんですけど、連日、お客さんに迷惑をかけてしまっては…」。
7着の
小林裕司
は「外に踏もうと思って5番(滝川秀嗣)に付いていこうとしたら、八日市屋(浩之)君が追上げてきてしまって…」。
9着の
佐野雄希
は「スピードに乗らなかったですね。何もかもバラバラになってしまっていて。自転車も全て戻したりしているんですけどね」。
<4R>
大谷靖茂選手
昨日に続き好レースを見せた
大谷靖茂(写真)
。先行逃げ切りで押し切る。
「外山(三平)さんが牽制してくれたおかげですね。自分も余裕があって、4番(高橋陽介)にも合わせて、あとは坂口(晃輔)が来るかなと。ホームで危なくてバック踏んだけど、4番も出てくる感じがなかったです。あとは下りを使って、ペースで出られました。補充ですけど勝てる時は勝っておきたいし、地元記念なので、前のレースが良い流れを作れば、あとに繋がると思いますしね。外山さんと上のレースに上がれて良かったです」。
スピード良く捲った
坂口晃輔
だが、大谷を捕えきれず2着まで。
「(高橋が捲り不発で)間を入っていこうかどうしようか考えて、ワンテンポ仕掛けが遅れてしまいました。あの展開なら捲り切れると思ったんですけどね。大谷君も踏み直していましたし。でも今日は回せた感じがあったのは良かったです。3着2着と来たので、別府記念と一緒で明日は1着ですかね(笑)」。
大谷靖茂の番手を回った
外山三平
。3着も番手の仕事はしっかりこなした。
「2人(高橋陽介、坂口晃輔)に強襲されたのは初めてですよ。坂口さんのスピードが良かったですね。いろいろまだまだです」。
大ギアの
高橋陽介
はカマシ不発で9着大敗。
「1回抑えてからだったので脚をけっこう使ってしまいましたね。2コーナーで来たから出させたんですけど、大ギアだと徐々に上げていくレースにならないと厳しいですね。ホームで行かないと前で決まってしまうと思って、踏んだんですけどね」。
<5R>
服部克久選手
倉野隆太郎が先行する中、
服部克久(写真)
が豪快な捲りで仕留める。
「連日、倉野(隆太郎)君は自分のレースが出来ていなかったし、地元を2人付けているから先行だろうなと思ったので、中団を取ってから、カマシ、捲りを狙っていました。吉橋(秀城)さんが先に抑えてきて、粘ったので、捲り頃にはなりましたけど、そこで見過ぎてしまって。そこで落車もあったんですけど、1コーナーで片山(彰)さんと高田健一さんが入れてくれて。今日はそのおかげですね。落ち着いてレースも出来たと思います。出切れたのは良いですけど、出切るまでの時間がまだまだかかり過ぎているし、上のクラスではこれでは通用しないです。まだまだですけど、最終日も出来る限り頑張ります」。
2着はベテラン・
高橋光宏
が開いた内を突いて入線。
「最後はちょうどインがあいたので、展開が良かったですね。ここまで展開が悪かったけど、前々にいないとダメですしね。何とかしたいと思っていたので、ギアもあげていたし、それがひとつのキッカケにはなっていると思います。点数が取れなかったので、(A級に)落ちてしまうのが決まっているので、いろいろ試していこうと思っていたんですよ」。それを聞いていた小林潤二が「タイトルホルダーじゃないですか(笑)」。
<6R>
小橋秀幸選手
4・25の大ギアで
小橋秀幸(写真)
がマイペース先行に持ち込み逃げ切る。
「良かったですね。4.08のギアから2枚上げて4.25でいったんですけど、自分の場合は踏みっぱなしの方が良いんですよ。今日踏んだ感じからしても、ギアはもっと上げてもいけるかもしれないですね」。
直線で巧く捌いて2着入線の
西川親幸
。
「大したレースはしてないからコメントは…。前々にいこうと思っていました。小橋(秀幸)がいった時に、これは先行だと思いました。あとは臨機応変にでした」。
3着には前々に攻めた
川村昭弘
が入線。
「最初から北の3番手といえば簡単なんでしょうけど、そうするとまた展開も変わってしまいますしね。でも、何もやらないで終わっても、せっかく練習してきているわけだから。(小橋が先行態勢になって)一緒になって下がっても仕方ないから、前々にいきました。ギアは86のままで、今回から上げています。脚もない、ギアもかかっていないじゃ話にならないですからね。弥彦は今、寛仁親王牌があるから、すごい盛り上がっているんです。自分のその輪の中に入りたいですからね」。
小橋秀幸の番手追走も西川の動きに翻弄され
伊藤大志
は4着。
「小橋(秀幸)さんが強かったですね。後ろを確認したら、川村(昭弘)さんが付いていたから、これは内を締めてくれていると思ったら、西川(親幸)さんが来て。(西川は)外から内に来る感じで来たんですか? ちょっと分からなかったですね」
小橋秀幸から主導権を奪い返せずで
伊藤成紀
は9着大敗。
「行こうと思った時に浮いてしまって。それに(小橋が)あんなに踏んでいくとは思っていませんでした」
<7R>
山口貴嗣選手
中団追走した
山口貴嗣(写真)
の捲りが決まって、九州がワンツースリー。
「(村上卓茂は)警戒して車間をあけていると思って、躊躇しましたけど、バックで離れて行っていると思って。もっと遅めに来るとも思ったんですけどね。感じは良かったし、下りに入ったら駆けようと思いました。ワンツースリーが決められて良かったです」
重倉高史が先行も、番手の
村上卓茂
は千切れて9着。
「ずっと競りが来ると思って、構えてしまいました。(重倉が)一回待ってくれていたので、追いつかないといけませんでしたね…」
ここも主導権を握った
重倉高史
(7着)だが、呼吸が合わなかった。
「(山口貴嗣が)ギアを下げていたので、競りに来ると思っていました。それにいつ来るか、いつ来るかと見ていましたし。雰囲気があったんですけどね。出切れれば決まると思ったんですが、あとはいけるところまでという感じになって…」
<8R>
今井裕介選手
先行一車の
今井裕介(写真)
がマイペース先行で逃げ切りシリーズ2勝目。
「ちょっと重かったですね。先行一車だったから、いつも以上に緊張しましたよ。後ろがごちゃついているのは分かっていたけど、気にしても仕方がないので、自分のペースで駆けていきました。後ろは(中村)淳さんでしたし、今日は淳さんのおかげですよ」
2着はシャープな伸びを見せた
國村洋
。
「1(近藤俊明)と9(松永晃典)が追い上げていって、那須(久幸)さんはスイッチしていると思ったのに、していなくて。いこうと思ったけど、登りなのでトルクが無くて。それでも無理にでも行こうと思ったら、松永(晃典)さんも踏み込んでいったので。申し訳なかったですけどね」
今井裕介の番手を死守した
中村淳
(3着)。職人の技が光る。
「俺は俺の仕事をするだけだからね。でも(今井は)強かったし、ペース配分が良かった。伸びていく感じがあって、初速もスムーズで前に付いた時よりも良くなっていたね」
4着は
松永晃典
が入線。
「先行一車でしたし、もっと競りが長引いてくれたら良かったんですけどね」
<9R>
浅井康太選手
菅田壱道選手
9レースから準決勝戦がスタート。
浅井康太(写真)
が逃げる菅田壱道を捕えて優出一番乗りを果たす。
「感じは違いましたね。坂本(健太郎)さんは中団の選手だから、内に詰まるのだけは嫌でした。もうワンテンポ早く仕掛けていれば良かったです。1コーナーで失速した感じになったから、前もかかっているなと思いました。そこで踏むと合わされてしまうから、回す感じで。(菅田君が)強かったです。でも仕掛けられてはいるのでね。明日、頑張ります」
主導権を奪った
菅田壱道(写真)
は、最後まで浅井を苦しめるも2着。だが好内容に本人も納得の表情。
「昨日と違ってバンクが軽かったです。最終の3コーナーで(浅井康太の)影が見えたので、そこでまた力が入りました。かかりにも手応えがあったから、3着には残るなと思っていました。平沼(由充)さんも連れ込めたのも良かったですね。先行で決められたので、自信になりました」
菅田マークから
平沼由充
が3着と好展開を活かして優出を決めた。
「僕は展開一本!(菅田が)強かったですね。まったく垂れませんでしたし。(浅井康太に)牽制したら車間がきれて、浅井もスピードが良かったからスポッと入られてしまって。でもシューズ(BONT)を変えてから、展開が向いていますね(笑)。記念決勝は昨年乗っていないし久しぶりです」
浅井マークの
山口幸二
だったが、単騎の笠松信幸の牽制もあり5着に敗れる。
「ちょうどニュートラルの時に(牽制に)来られて。あそこで来ると思わなかったから、びっくりした。あとコンマ0.5秒遅かったら、踏みこんで大丈夫だったんですけどね。油断した自分がいかんということ」
坂本健太郎
は6着に敗れる。
「モガキ合いみたいになって、脚の感じも悪くなかったんですけどね。余裕はあったのに…」
<10R>
村上義弘選手
木暮安由選手
脇本雄太が主導権を奪い、バックから
村上義弘(写真)
が捲り発進して1着突破。
「このメンバー構成だし、(脇本雄太が)落ち着いていってくれたエエと思っていました。早めに動いて出入りがあるのかと思って。そうしたらカマし気味にいって、僕も慌てました。残したいけど、人気にもなっていたので最後は前に踏みました」
木暮安由(写真)
は持ち前の自在戦で2着入線。
「うまく良い位置が取れましたね。南(修二)さんの内に切り込んだ感じで、村上(義弘)さんの後ろに入れましたし。あそこが勝負所でした。決勝に乗れて良かったです」
木暮に切り込まれるも
南修二
は3着で優出。
「一瞬だけ牽制したら、そこで木暮(安由)に差し込まれてしまいました。木暮はそういう選手なのにね。出来は悪くないけど、内容が悪かったです」
主導権を譲らず先行に持ち込んだ
脇本雄太
(9着)。
「気持ちよく行きました。誰が先行で一番強いか、それを見せただけです」
西村光太
は最終ホームから果敢に攻めるも前団を捕えるまでには至らず8着。
「分かっていたけれど、脇本のペースの作り方がうまかったです。行けそうで行けなかったです。木暮(安由)さんのラインも上手かったですし。でも何もしないのもサブイから、最終ホームから行ったんですけどね」
後方に置かれてしまった
小川祐司
(5着)は、検車場に戻るなり涙を流す。「明日、頑張ります」と最終日、自分のレースを誓った。
<11R>
深谷知広選手
金子貴志選手
10秒9-11秒2の超ハイラップを刻んだ
深谷知広(写真)
が1着で地元記念優出を果たす。
「地元記念の準決勝だし緊張しました。感じは良かったので、あとは展開だけ。(ラインで)決まって良かったです。明日もしっかり頑張るだけです」
深谷を追走した金子貴志が2着、3着は島野浩司で愛知ラインが上位を独占した。
金子貴志(写真)
は「強かった…。前半10秒台ですからね…凄かった。バンクも軽くはないですよ。雨も降っていたし、離れそうでしたよ。ワンテンポ待つのかなと思ったら、すぐにいきましたからね。さらに下にいた島野(浩司)さんはもっときつかったでしょうね。深谷の心配をするよりも自分の心配をしないといけないです。明日もしっかり付いていくだけです」。
島野浩司
は「ホームがきつかったけど、何とか付いて行けました。練習では千切れてしまうのにね。今日をクリアできて、嬉しいですよ」
海老根恵太
(6着)は深谷の強さに、しばし呆然とするシーンも。
「何も出来なかった…。全然詰まってこないし。(松坂英司に向かって)どうすれば良かったんだろう。自分も弱かったです…」
先行態勢に入った
金澤竜二
だったが、すぐさま深谷に巻き返され9着。
「超全開で踏んだんですよ!そうしたらホームで変な音が聞こえると思った瞬間に、もう来たのかと。恥ずかしいです」。
金澤追走の
岡部芳幸
(4着)は「島野さんにスイッチするのでもう精一杯でしたよ…」
↑ページTOPへ
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved