『豊橋競輪開場64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:7月23日
 7月20日から4日間の日程で開催された豊橋競輪開場64周年記念「ちぎり賞争奪戦」は23日に全日程を終了しました。注目の決勝戦は深谷知広をマークした金子貴志が勝利し地元記念を完全優勝。57周年記念以来、7年振りに豊橋記念を制しました。
決勝戦 レース経過
 号砲で最内の深谷知広が、スタートを出て中部勢が前受け。深谷に金子貴志―浅井康太の追走。以下の隊列は単騎の東口善朋、神山拓弥―牛山貴広―神山雄一郎、後閑信一―中村浩士で周回を重ねる。
 8番手の後閑は早めに上昇を始め、前の深谷に併せ込む。赤板手前で深谷が下げて、後閑―中村に神山拓ライン、東口が切り替える。一本棒の7番手まで下げた深谷をけん制しながら、神山拓が3番手から打鐘を目がけて踏み込む。しかしながら、先頭に立った後閑が神山拓を突っ張り両者で踏み合い。後閑が突っ張り切って主導権をキープするが、4コーナーから深谷が反撃、最終回へ。
 浮いた神山拓を避けるように大外を回った深谷だったが、スピードの違いで後閑を叩く。深谷に金子が続くが、浅井は踏み遅れる。1センターで深谷―金子は出切って、車間が空いた3番手に後閑が飛び付くが浅井がその上をまくり気味に追い上げる。深谷のスピードに衰えはなく最終バックを通過。浅井がようやく金子に追いつき、牛山―神山雄、中村で4コーナーを迎える。
 番手の金子は逃げる深谷との車間を詰めながら、満を持して追い込む。3番手の浅井はいっぱいで牛山が外、神山雄が内にコースを取る。深谷を図ったように、金子が交わし師弟ワンツー。金子が完全Vで地元記念を制覇。追い込んだ神山雄が3着。

金子貴志選手
金子貴志選手
 金子貴志にとって、寬仁親王牌を制してから中3日での地元記念。初タイトルの余韻に浸る間もなく迎えたホームでの大一番だったが、深谷知広、浅井康太と若い機動型を目標に連日のマーク戦。後輩達の仕掛けをしっかりと捕らえ続け、全て追い込みの4連勝で完全Vに輝いた。
 「今回は4日間ともいい位置で競走をさせてもらいました。深谷君、浅井君が強いし、信頼して付いていった4日間でした」
 決勝戦は打鐘ガマシを狙う神山拓弥を後閑信一が突っ張ってモガキ合い、深谷知広にとって絶好のカマシ頃となった。深谷は最終ホームで浮いた神山拓を避けて一気に加速。1センターで先頭の後閑を捕らえると、金子と2人で後続を千切る。車間を切った金子は直線をしっかりと追い込んだ。
 「深谷君が強くて離れてかけてしまいました。そのまま優勝して欲しかったけど、無理やり仕掛けてくれてるし、後ろがどうなってるか分からず、誰かがまくってくるんじゃないかと必死でした。今回はいい緊張感の中でレースをさせてもらいましたし、浅井君は続けなかったけど2人でワンツーが決まって良かった。この先も、タイトルに恥じないように頑張って行きたいです」

 最終ホームでカマした深谷知広はいつものように力を出し切った苦悶の表情でレースを振り返る。
 「神山(拓弥)さんが前に居てびっくりしたけど、無理やり行きました。レース内容は良くないけど力を出し切ることは出来ました。また次に向けて頑張るだけですね」

 神山雄一郎は最終4コーナーで牛山貴広が外を踏むと冷静に内コースを踏んで3着入線。
 「頑張ったけど相手が深谷だからね。あそこまでが精一杯かな」

 神山拓弥は後閑信一に突っ張られて万事休す。
 「(後閑とは)別線で戦ったので仕方ない。あまりに早く叩くと、そのスピードを使われて深谷君に出て行かれるので、自分の中ではジャストタイミングだった。全開で行って突っ張られてしまいました」

 後閑信一は4日間とも自力での競走。決勝戦でも気迫のこもったレースを演じた。
 「もう少し早かったら拓弥のラインに付いていったけど、タイミング的に引けないところだった。力を出し切れたし、次につながってくれると思います」

ゴール
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