『豊橋競輪開場65周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:8月21日
 豊橋競輪開場65周年記念「ちぎり賞争奪戦」が今日から始まった。地元勢は予選から大活躍。まず2Rの鈴木伸之が勝ち上がりを決めると、一次予選からは鈴木を含む5名が二次予選に進出した。特選でも金子貴志、深谷知広がそろって白星スタート。明日は優秀の「まくる君カップ」をメーンに二次予選6個レースで準決勝進出が争われる。
 明日は豊橋伝播隊DOEEダンスパフォーマンス(9時30分頃~、11時45分頃~、13時40分頃~)や伊藤克信の総天然色 豊橋予想劇場やサイクルタイムトライアルなどのイベントも引き続き予定されています。明日もぜひ豊橋競輪場へご来場ください。
<1R>
川木敬大選手
川木敬大選手
 中団の加賀山淳にフタをした栗山俊介が打鐘から主導権。前受けから中団を確保した山口貴弘のまくりをブロックした川木敬大(写真)は粘る栗山をゴール前でとらえてオープニングレースを制した。
 「(栗山が)いいペースで駆けてたし、どんどんかかっていくからキツかった。強かったですね。あれだけ行ってくれれば、余裕があるときは仕事したいですからよかったです。朝イチだからかもしれないけど今日は重かったですね」
 逃げた栗山俊介も2着に粘り、特進後初の逃げの決まり手を記録した。
 「(加賀山に)来られても中団で止まるくらいで踏んだ。見たら来てなかったので、ペースでいけましたね。最後は深井さんが見えたので3、4着かなと思いました。前回、冬に来たときよりもバックが流れてるし、僕の状態も悪くない」
 バック9番手から空いたコースを突いた深井高志が3着に強襲した。
 「残り1周で諦めそうになったけど、諦めなくてよかったです。成田(健児)が口が空いたぶん僕が楽になった。最後もコースが全部空きましたね」

<2R>
鈴木伸之選手
鈴木伸之選手
 うまく中団を確保した小原太樹が2角からまくり発進。番手まくりで応戦した鈴木伸之に襲いかかると、ゴール寸前で鈴木を交わした。「吉川(起也)さんが早めにきたので、踏み合っても仕方ないと思い中団を取った。出脚は悪かったけど地脚でカバーできました。気を引き締めて明日も頑張りたい」。
 ホームの鈴木伸之(写真)は白星こそ逃したが、一次予選をクリアし、あとへ続く地元勢にいい流れを作った。
 「とにかく吉川君のおかげ。1着を取りたかったが、出来る限り援護したかったし、勝ち上がれたので納得。状態も悪くないです」
 矢口啓一郎は猛追も及ばず3着まで。「内容が全然ダメ。慎重になりすぎた。勝ち上がれたがラインを連れ込めなかったので…。修正します」と反省しきり。

<3R>
 先行態勢に入った大澤哉太をホームから一気に愛敬博之が巻き返す。ライン3車できれいに出切ると、番手の岩本和也が絶好の展開をモノにした。
 「愛敬は地元で勝ちたかっただろうに、すかさず行ってくれた。恵まれましたね。地元(富山)記念を走れない分、勝手に地元のつもりで頑張ってます」
 愛敬博之は3着に敗れたが、地元で気持ちの入ったレースを見せた。
 「2着までに残りたかったですね。練習の感じはいいけど、競走でうまく出せていない。緊張で力んでるんですかね。考えて、明日は(練習の力を)出したいなと思います」
 中部ラインに続く形で外を伸びた桑原亮が外を伸びて2着に。
 「もう少しサッとスイッチできればアタマまであったかも。反応が悪いというか…。きれいに付いて行って、持ってこられる前に行かないと。上ならあそこ一発なんで」

<4R>
 蒔田英彦が打鐘で主導権を握ると、中団でフタをされ続けた横山尚則は7番手に置かれてしまう。中団で車間を切った八谷誠賢が2コーナーからまくると、止められないと判断した川口直人は番手まくりに出た。
 「蒔田君が行ってくれたし、後ろも齋藤(明)さんが固めてくれてラインのおかげですね。蒔田君は頑張ってくれたけど、八谷さんが見えたんで踏んでしまった。技量不足ですね」
 番手まくりに遭いながらも外を耐えた八谷誠賢が2着に食い込んだ。
 「展開は絶好だったけど、前がかかってたし、3番(川口)も番手から踏んでたので外したときにしまったと思った。飛ばなかったのでよかったです」

<5R>
 戦歴上位の鈴木裕が中団キープからまくって快勝。マークした村本大輔とワンツーを決めて人気に応えた。
 「豊橋は好きなバンクなので自信を持って走れた。冷静な仕掛けが出来たし、次に繋がるレースになったと思います」とご満悦。
 村本大輔は鈴木にピッタリ続いて2着を確保。「抜けるとは思ってなかったし、とにかく付いていこうと。鈴木君が前々へ攻めてくれました」。
 果敢に駆けた柿澤大貴だったが「さすがに距離が長かった」と失速し、勝ち上がりに失敗。それでも「後ろの2人が(二次予選に)乗ってくれたのでよかった。明日また頑張ります」と前を向いた。

<6R>
 櫻井正孝が先行態勢に入ると、「狙ってた」の筒井裕哉が誘導員を残してイン粘り。篠原英雄の追い上げをしのぐと、粘る櫻井を鋭くとらえた。
 「(櫻井が)早く駆けてくれると思ってたし、もっとかかると思ったけど、(突っ掛かって)ずっと内に差して、内に差してしてた。最後、落車する音が聞こえたときに俺かな?と思ったけどよかったです」
 2着の櫻井正孝は悔しさを隠せない。
 「ああなったら引かないんだと思った。粘りは自分たちの作戦になかったですね。(誘導を残して引かれる)人生で初めてあんなレースになって、緊張で一杯になった。あれで(1着に)残れないんじゃ弱すぎる…」
 まさかのイン粘りで番手を奪われた榊枝輝文だったが、立て直して3着に突っ込んだ。
 「予想外だったけど、ちゃんとしのがないとダメですね。でも余裕はあるので、いいのかもしれない。明日から頑張ります」

<7R>
島野浩司選手
島野浩司選手
 中団でずっと才迫開にフタをされ、打鐘から一気の主導権を許した高久保雄介だったが、ホームから力ずくで巻き返すと、地元の島野浩司とワンツーを決めた。
 「開を追いかけるときに一発もらってタイミングが遅くなった。今日はたまたま行けたけど、まだまだ組み立てが甘いですね。出切ってからもしんどかったです。今日は開がヤル気だったので受けて立ちました。出し切れたので、そういう面ではよかったです」
 島野浩司(写真)は地元の意地で食い下がったが逆転はならず。
 「強かった。ああいう展開になっても力で行ってしまいましたね。自分か富永(益生)がこすられるかなと思ったけど、みんなで乗れてよかった。(ファンに)差せって声援されたけど遠かったです(苦笑)」

<8R>
渡邊健選手
渡邊健選手
 小原周祐の上昇に対して誘導員を残して車を下げた伊藤裕貴だったが、中団で阿部秀樹と併走に。小原もなかなかペースを上げず絶体絶命の展開かと思われたが、バックで外をこじ開けると、そこからまくって快勝した。
 「誘導を残しても(小原は)斬ってくれると思ったけど…。A級なら引いても巻き返せたけど、引いたらキツいなと思ったし、ドカしてでも行くしかないなと思った」
 渡邊健(写真)もしっかりと伊藤の動きに続いて2着で二次予選に進出した。
 「あそこ(中団)の位置を取りにいったし、伊藤君が行っても行けなくても僕はコースができるんで。でも、そのまま行ってしまって強いですね。位置が取れるようになれば、伊藤君の強みになる。青井(賢治)のブロックはキツいし、僕もそこを考える余裕はあったので悪くない。今日は伊藤君が強かったです」

<9R>
 圧倒的な人気を集めた相川永伍が戸伏康夫の動きに惑わされ5着に敗れる大波乱。打鐘で前に出て3番手を確保した小島歩の番手から岡村潤が鋭く伸びた。
 「小島のおかげですね。打鐘で動いてくれたんで。前回成績が悪くて練習してるところで追加がきた。最後は練習してた成果が出ましたね。今日は顔見せから軽かったし、今回は大丈夫だと思います」
 相川後位で戸伏、小川巧に次々からまれる苦しい展開をしのいだ岡光良が3着に突っ込んだ。
 「苦しかったです。小川さんに当たられて永伍に付いていけなかったし、最後は内しか考えてなかった。よかったです、とりあえず」
 西村豊は相性のいい井上将志の逃げに乗って連がらみを決めた。
 「ここ2カ月で井上君とは3回目の連係だけど、3回とも行ってくれてる。相性がいいですね。できれば番手から出たくなかったけど、相手が相手なんで…」

<10R>
新田康仁選手
新田康仁選手
 後ろに同県の先輩を連れる田中孝彦が打鐘から果敢に先制。この田中の気持ちに応えるように新田康仁(写真)が最終バックから番手まくりを放ち、勝瀬卓也と南関ワンツー。
 「田中君がよく頑張ってくれた」と後輩を称えた新田は「あれだけいってくれたし、後ろに勝瀬もいたので、番手から出た。あまり(後ろを)引き付け過ぎると、このギアだし(別線を)合わせ切れないと思い、車間を切って自分のタイミングで行きました。とにかく田中君のおかげです」と満面の笑みを浮かべる。
 新田に続いた勝瀬卓也は「とにかく恵まれた。自分も3着までに入るために直線は踏んだが、差が詰まらなかったですね」。
 直線で中コースを強襲した柏野智典が3着に入線。「付いていて楽なのが大きい。三宅(達也)さんの後ろという番組も自分にとって最高だった。自分ではそこまで伸びてる感じがしなかったけど、VTRを見たら伸びてました」。
 佐藤友和は後方に置かれて万事休す。「前を取らされたのは仕方ない。それより感じがイマイチだった。そこを修正したい」。

<11R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 天田裕輝の先行に対し、中団確保の坂本亮馬が先まくり。その上を稲垣裕之が豪快にまくり上げると、番手の金子貴志が鋭く抜け出した。
 「ホッとしました。今日は稲垣君に任せてたし、違った意味で楽しかった。普段は別線で戦ってるけど、味方になると頼もしいですね。スピードがよかったので、離れないようにと思ってた。デキはいいと思います。暖かい声援ももらえたし嬉しかったですね」
 まくった稲垣裕之(写真)は金子の前回りという大役をしっかりと務め上げた。
 「今日はワンツーが絶対条件だと思ってたので。その辺は落ち着いて仕掛けることができた。天田君がかかってたので車の出が悪く見えたかもしれないけど、僕の感じはいいですね」
 九州コンビの後ろから外を踏んだ池田憲昭が3着で優秀行きを決めた。
 「(前のレースの)柏野さんを見て脚を使っちゃダメだと思った。稲垣さんが後ろ攻めかと思ったんですけどね。あれなら亮馬のスピードをもらってと思った。前回の落車で重いけど、たまたまですね。今日は恵まれました」

<12R>
山田英明選手
山田英明選手
 深谷知広が圧巻のレースを見せた。番手で木暮安由が粘り、小埜正義を受けて4番手のはずが、ホームから山田英明の巻き返しが見事に決まる。深谷は西川親幸のところに飛び付きを図るが飛びつけず、2センターで3番手に下げきると、そこから直線だけでアタマまで突き抜けた。
 「何とかですね。結果的にはあそこで正解だった。最後は気合ですね。前を取らされるだろうと思ってたから後ろ攻めは考えてなかったし、5周迷いながらでした。極力、こういう走りはしないように反省して。明日はいいレースができるようにしたい」
 見事に仕掛けが決まったかに見えた山田英明(写真)だったが、ゴール寸前で深谷に1着をさらわれた。
 「一瞬お立ち台が見えたけど、やっぱり来ましたね。もう少しキュンって行くかと思ったけど、自分としてはちょっと出が悪かった。明日また頑張ります」
 深谷の番手を奪った木暮安由が深谷にからまれ口が空いた西川をとらえて3着に。
 「イン粘りは流れで。3番手に入ろうと踏んだ結果、引けなくなってしまった。あそこで深谷が叩かれるとは思わなかったけど、僕は番手に入ってたんで。そのまま付いてれば仕掛けるだろうと思ってました」
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