『豊橋競輪開場66周年記念（GIII）レポート』 3日目編
配信日：8月8日
豊橋競輪場を舞台に開催されている開場66周年記念「ちぎり賞争奪戦（G3）」は、シリーズも後半に突入。8日の3日目には準決の3個レースが行われ、猛暑のなかで白熱したバトルが展開された。シリーズもいよいよ大詰め。9日の最終日には準決を勝ち上がった9選手により、ファイナルバトルの決勝が行われる。また、最終日に一発勝負で争われる「ワールドステージin豊橋」に参加する外国人選手2人をはじめとした9人が、8日の3日目に豊橋競輪場に集まり翌日のスピードバトルに備えて調整を行った。
本場では、先着プレゼント（豊橋競輪開場記念うちわを1000名）、未確定車券抽選会、伊藤克信の総天然色「豊競予想劇場」、サイクルスピリッツ、ガールズケイリントークショー、本田晴美×山田稔500勝トークショーなど様々なファンサービスとイベントが最終日にも予定されてお客様をお待ちしています。ぜひ、豊橋競輪場へ足をお運びください。
＜１０Ｒ＞
岩津裕介選手
吉本卓仁選手 |
打鐘で先頭に立った吉本卓仁の上を、単騎の荒井春樹が奇襲でカマしにいく意外な展開に。1車受けた吉本は車間を詰める勢いで最終2コーナーから発進。加藤寛治や松谷秀幸は手も足も出ず、最後はSS班の岩津裕介（写真）が吉本をとらえて決勝へ一番乗り。
「（荒井がカマす）可能性も少しはあるのかなと。そうじゃなくても、吉本君はジャンから駆けても残れる選手ですからね。自分は余裕があったし、ハイペースだったので後ろから、もう突っ込んでくる人はいないなと。疲れはあるけど、そのぶん、集中力を切らさずにあと1日頑張ります」
吉本卓仁（写真）にとっては願ったり叶ったりの展開になった。
「岩津さんがレース前に（荒井が）単騎でカマすかもよって言っていたので（対応できた）。あとは松谷さんとの勝負かと思っていた。自分の中ではしっかり踏めたし、それを抜かれたのは力不足ですね」
諸橋愛は終始、吉本、岩津のコンビを追走。これが奏功し3着で決勝のキップをつかんだ。
「まずは（決勝の）権利を獲ることが大事だったので。優勝戦とかなら違うレースをしたと思うんですけどね。荒井君には悪いけど付けないと言ってあった。だから、もちろん（荒井の単騎カマシは）作戦ではないですよ（笑）」
松谷秀幸は、8番手に置かれて万事休す。
「まさか6番（荒井）があんなレースをするとは。お手上げです。ずっとハイペースで、カマしたくてもカマしに行けなかった。自分たちが吉本さんの位置を取れれば良かったんですけどね。勉強になりました（苦笑）」
単騎で一発を狙った荒井春樹は「イチかバチかでした」と、奇襲攻撃の真相を明かす。
「まくりで着を狙う競走も考えたし、最後まで迷ったんですけど。バックの追い風を使ってカマして、後ろを大きくちぎれれば、ひょっとしたらって思ったんですが…」
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＜１１Ｒ＞
城幸弘選手
牛山貴広選手 |
打鐘前に切った佐藤龍二を佐川翔吾が叩きに行く。佐藤は番手を狙いに行くも、市田佳寿浩は番手をしっかりと死守。前団のもつれを6番手で様子をうかがっていた城幸弘（写真）が、冷静にまくってゴール前で佐川をとらえて1着。
「ホームがすごい向かい風だったんで、そこで行って脚を使うよりはと思いました。（あおりがあって）浮いてたんですけど余裕があったし、様子を見ながら行けました。（佐藤）龍二が佐川さんの番手行くんだろうなとは思ってました。緩んだらガッと行こうとも思ってはいたんですけどね。記念の決勝は2回目です。ちょっとうまくいきすぎですね」
牛山貴広（写真）が城の仕掛けにしっかりと続き、関東ワンツーとなった。
「深谷（知広）の自転車ということで安心感がありますね（笑）。今日は城のおかげです。自分の状態は離れなかったし、食らいついていけてるんで良いと思います。（追加で）来た甲斐がありましたね」
主導権奪った佐川翔吾が、3着に残り初めての記念優出を果たした。
「流すところがなくて市田さんや西岡（正一）さんに迷惑をかけてしまいましたね。最後はちょっと残れたかわからなかったです。打鐘のところが一番キツかったですね。最後は大外に3番（菅田壱道）が来ててまたあかんかと思いました。決勝は初めてなんでよかったです。感じは悪くないんで、明日も自力で頑張ります」
菅田壱道は4着で惜しくも決勝進出とはならなかった。
「さっと引いて城さんとの勝負だと思ったけど、あれじゃ（伊藤）勝太も詰まるし、俺も待ってられないので行かせてもらった。最後は城さんと牛山さんだけだと思ったのに4番（佐川）も見えたんで…。残念でした」
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＜１２Ｒ＞
金子貴志選手
岡田征陽選手 |
赤板の1コーナーからようやく動き出した根本哲吏がカマシ気味にハナに立って、単騎の林雄一、岡田征陽は切り替えるにも切り替えられない。前受けから深谷知広が一度は3番手に収まると、タイミングを取って打鐘の3コーナー過ぎから反撃に出て根本を叩き主導権を奪取。金子貴志（写真）が抜かりなく続くが、3番手の小林信晴は岡田征陽にすくわれて連結を外す。後続との間合いを図りながら逃げる深谷との車間を空けた金子が、タイヤ差だけ交わしてシリーズ初の師弟ワンツー。
「（小林）信晴が3番手でうまくやってくれた。それがなければ黒田（淳）が来ていたと思う。深谷もあれで落ち着いちゃうと、すぐ（黒田が）来ちゃってたけど、すぐに反応していた。出切ってからも落ち着いて加速していたし、最後は抜けないかと思った。それくらい踏み直しがすごかった。（地元の）3人で決まればよかったけど。岡田が（後ろに）入っていたんで、車間を切りました。深谷は掛かっていましたね」
連日消化不良に終わっていた深谷知広だったが、3日目にしてようやく先行策で完全燃焼。金子同様に小林への感謝を口にして、納得の表情を浮かべる。
「先行ができたんでよかった。（3日目からフレームを換えて）いい方に出たし、しっかりと踏めたと思います。いい走りができたけど、（小林）信晴さんの仕事が大きかった。それに助けられた。（決勝は）2人になるけど、負けないように、力を出し切りたい」
打鐘手前で小林が黒田をけん制すると、8番手から進出した岡田征陽（写真）が小林をすくって金子後位を奪取。ソツない立ち回りで3着に入り、今年3度目の記念優出。
「あの感じじゃもう深谷の突っ張りもあるだろうし、ああなりますよね。（3番手になってからは）金子さんも車間を空けているし、金子さんがそれを詰めていくのに付いていくだけになってしまった。今日は自分で仕掛けられなくて残念だった」
「もったいない、久しぶりに悔しい…」と、唇をかんだのは小林信晴。
「黒田君がもう一回無理やり来る感じがあって、フワッとなって自分がバックを踏んだ時に深谷に行かれてしまった。（金子に）付いていければよかった…」
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【最終日11R】
パーキンス選手
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ワールドステージが一発勝負で争われる。世界のトップ選手2人と日本人選手の激突に注目だ。人気を集めるのはやはり外国勢だろう。豪州の豪脚パーキンス（写真）は、今年5度の優勝すべてが完全Vと圧巻。ここもワールドクラスの脚力を見せつける。
「コンディションは良いです。2週間ちょっとリフレッシュを兼ねてオーストラリアに帰って、今朝羽田に着きました。アデレードは少し寒かったけどトレーニングを積んで、暑いサンシャイン・コーストで休養もしたのでこの暑さにも不安はないです。去年と同じテツは踏まないようにやります」
ドイツの新星ボティシャーは今年12戦10勝、2度の完全Vと実力を遺憾なく発揮。左膝痛で長欠明けと状態が心配されたが、不安はなさそうだ。
「日本には昨日（7日）着きました。時差も問題ないですね。トレーニングを積んできたので状態は問題ないです。長い先行をやったときの方が良いレースができてるので前で頑張ります」
迎え撃つ日本勢も黙っていない。昨年は稲毛健太が勝っているように外国勢にも隙がないわけではない。その日本勢の中でもナショナルチームに所属する和田真久留に期待がかかる。
「（前場所の）四日市は落車明けで乗り切らないままでした。昨日までナショナルチームの合宿をフルでやっていました。なのでスピード練習は最高の環境の中で一番良い練習ができました。スピードレースは覚悟の上です。その中で自分の力を出し切れるように頑張ります」
竹内雄作はスピード勝負で外国勢撃破に挑む。
「寬仁親王牌のあと体調を崩して、体重も落ちたんですけど、直前はしっかりと練習もできたんで大丈夫だと思います。一発勝負はことごとくやられてますね。だから、今回は頑張りたいです」
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